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2017-10-07 00:15:49

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診療マル秘裏話   号外Vol.724 平成28年12月4日作成
作者 医療法人社団 永徳会 藤田 亨

 
 
 
 
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目次

1)ガン細胞が産生のD-2HG が大腸ガンの転移促進
2)研究用試薬が川崎病の治療法選択に有効と発表

 
 
 
 
 
 
 
 
 
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医療界のトピックスを紹介するこのメールマガジンは
1週間に1回の割合で発行しています。もっと回数を増や
して欲しいという要望もあるのですが、私の能力のなさ
から1週間に1回が限度となっています。これからも当た
り前の医療をしながら、なおかつ貪欲に、新しい知識を
吸収し読者の皆様に提供してゆきたいと思っております。
不撓不屈の精神で取り組む所存ですのでどうかお許し下
さい。

 
 
 
 
 
 
1】 ガン細胞が産生のD-2HG が大腸ガンの転移促進

 
 
 
 
 
 
大阪大学は、11月8日、ガン
細胞で産生されるオンコメタボ
ライトD-2HG が大腸ガンの転移
を促進する事を発見したと発表
しました。この研究は、同大学
大学院医学系研究科消化器外科
のヒュー・コルビン大学院生ら
の研究グループによるものです。
研究成果は、英科学誌「Scient
ific Reports」に、公開されま
した。
近年のガンの研究では、ガン
遺伝子やガン抑制遺伝子の異常
と関連して、ガン細胞の代謝が、
ガンの形成や進行に影響を及ぼ
す事が明らかになってきました。
脳腫瘍や白血病の細胞では、エ
ネルギー代謝に関与するイソク
エン酸脱水酵素(IDH )の遺伝
子が変異し、 2-ヒドロキシ・グ
ルタール酸(2HG )が、大量に
蓄積されます。2HG は、細胞を
ガンへと導く「造腫瘍性代謝物
(オンコメタボライト)」とし
て知られています。欧米では、
IDH の酵素活性を標的として、
オンコメタボライトの蓄積を防
ぐことにより、ガンの進行を抑
える治療法がいくつか関発され、
一部は臨床試験が行われていま
す。一方で、腎臓ガン(腎細胞
ガン)では、IDH の遺伝子変異
の頻度が低いようなガン細胞に
も、このオンコメタボライトが
微量ながら存在していることが
報告されています。
大腸ガンについても、細胞内の
さまざまな代謝産物の濃度に、
異常がみられることがわかって
いましたが代謝産物の濃度変化
が単に病気の結果として表れて
いるのか、それがさらに病気の
進行を促進する役割をもつのか
については明らかではありませ
んでした。
研究グループは今回、毎年世界
で70万人が亡くなると言われて
いる大腸ガンについて、2HG の
役割を調べました。その結果、
大腸ガンの細胞にオンコメタボ
ライトである2HG が蓄積してい
ることが分かりました。また、
この蓄積した2HG (D/L異性体)
のうち、D型の2HG (D-2HG)は、
エピゲノム(遺伝子の発現制御
)の変化を誘導して上皮‐間葉
転換(EMT )によって、周りの
細胞に浸潤し、血流に入り、離
れた組織へのガン転移を引き起
こす事を見出したとしています。
さらに、臨床検体から得られた
ガン細胞を用いて、IDH の変異
のない場合でもD-2HG の濃度が
通常の細胞と比べて高いこと、
D-2HG のレベルが高いほどガン
のステージが高く遠隔転移して
いる確率が高い事を示しました。
これらの研究結果から、今後は
遺伝子の変異に加えガンの代謝
メカニズムにも焦点を当てる事
により、ガン転移の新しい診断
法や治療法の開発が期待される
と研究グループは述べています。

ガンの転移の仕方について解説

している動画です。



 
 
臨床検体の検査に倦怠感を覚
える。笑

 
 
 
 
 
 
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2】 研究用試薬が川崎病の治療法選択に有効と発表

 
 
 
 
 
 
三重大学などは十日、循環器
疾患などに使う研究用試薬が、
川崎病の治療法を選択するのに
有効であると発表しました。後
遺症を防ぐことができ患者さん
の体質に合った治療法が分かり
ます。三重大は二年後をめどに、
企業と共同でこの薬の実用化を
目指す予定です。

川崎病は、全身の血管に炎症
を起こす疾患です。一歳前後に
発症しやすく、発熱や発疹、目
の充血等の症状が出ます。日本
で最初に報告された病気で日本
をはじめ東アジアに多いとされ
ています。原因は解明されてい
ません。平成二十六年には国内
で年間約一万五千人が発症しま
した。

後遺症として、心臓の血管に
冠動脈瘤(りゅう)ができる可
能性があり、心筋梗塞などの恐
れがあります。発症から九日ま
でに治療するのが望ましいとさ
れています。血液製剤「ガンマ
グロブリン」での治療が一般的
ですが、約15%の患者さんには
効かないという問題がありまし
た。

現在の治療法では、最初にガ
ンマグロブリンを投与し、二十
四時間以内に発熱が解消されな
い患者さんに追加治療をしてい
ます。初回治療の効かない患者
さんには最初の二十四時間がタ
イムロスとなり、後遺症のリス
クが高まるため、治療法を確実
に選択可能な手段が求められて
いました。

三重大を中心とした、六つの
研究機関でつくる厚生労働省の
研究班は、発症時に体内で作ら
れる蛋白質「テネイシンC」に
着目しました。患者さん百十一
人の血液を調べ、テネイシンC
の値が高い患者さんはガンマグ
ロブリンが効きにくく、合併症
が起こりやすいことを解明しま
した。

この研究結果から、テネイシ
ンCの数値が高い患者さんは、
ガンマグロブリンによる治療を
省き、初期段階で別の治療法を
選択できます。研究に関わった
国立国際医療研究センター小児
科大熊喜彰医師(36)は「早期に
診断と治療を行い後遺症をゼロ
にしたい」と語りました。

三重大は、約十年前に、心筋
梗塞や心不全などの重症度を測
るためテネイシンCの血中濃度
を測る研究用試薬を、免疫生物
研究所と開発しました。 この
研究用試薬は保険適用外で専門
機関で診断するのに一―二週間
かかるため、すぐに診断できる
試薬の量産化が必要となります。

津市栗真町屋町の三重大で、
記者会見した三重大大学院医学
系研究科の今中恭子教授(56)は
「一刻も早く実用化したい」と
意気込んでいます。

川崎病について、解説している

動画です。



 
 
 
書記が初期段階を見誤る。笑

 
 
 
 
 
 
 
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編集後記

 
 
 
ガン細胞で産生されるオンコ
メタボライトD-2HG が大腸ガン
の転移を促進する事を発見した
のは、偉大な業績です。これま
でガン細胞が作る物質について
は、無頓着でした。しかし作ら
れた物質が転移を促進すること
が分かったからには、無頓着で
いられません。今後は遺伝子の
変異に加え、ガンの代謝メカニ
ズムにも焦点を当てる事により、
ガン転移の新しい診断法や治療
法の開発を期待したいと考えて
います。
循環器疾患などに使う研究用
試薬が、川崎病の治療法を選択
するのに有効ということが分か
り、喜ぶべきであると思いまし
た。川崎病のような原因の分か
らない病気に対しては、経験的
に効果のある治療法を選択する
必要があります。しかしテネイ
シンCの値が高い患者さんは、
ガンマグロブリンが効きにくい
ことがあらかじめ分かっていれ
ば、効きにくい、ガンマグロブ
リンの治療をスキップすること
ができます。その後の治療が次
の段階に進めることができると
いうことですから、早く実用化
することが不可欠であると思い
ました。

家庭科で洗濯を選択した。笑

 
 
 
 
 
 
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