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2017-07-19 00:09:51

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診療マル秘裏話   号外Vol.655 平成28年9月16日作成
作者 医療法人社団 永徳会 藤田 亨

 
 
 
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目次

1)マイタケの脂質ラフトがインフルエンザウイルスの増殖を抑制
2)バグパイプ 奏者の過敏性肺臓炎の死亡例の報告

 
 
 
 
 
 
 
 
 
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医療界のトピックスを紹介するこのメールマガジンは
1週間に1回の割合で発行しています。もっと回数を増や
して欲しいという要望もあるのですが、私の能力のなさ
から1週間に1回が限度となっています。これからも当た
り前の医療をしながら、なおかつ貪欲に、新しい知識を
吸収し読者の皆様に提供してゆきたいと思っております。
不撓不屈の精神で取り組む所存ですのでどうかお許し下
さい。

 
 
 
 
 
1】 マイタケの脂質ラフトがインフルエンザウイルスの増殖を抑制

 
 
 
 
 
 
理化学研究所は、8月22日、
食用キノコのマイタケに脂質ラ
フトと呼ばれる動物細胞膜上の
脂質構造に結合する、蛋白質を
発見し「ナカノリ」と名付け、
このナカノリの存在下ではイン
フルエンザウイルスの増殖が抑
えられることを明らかにしたと
発表しました。 この研究は、
理研 小林脂質生物学研究室の
小林俊秀主任研究員(研究当時)
らの国際共同研究グループによ
るものです。研究成果は米国の
科学雑誌「The FASEB Journal」
オンライン版に8月11日付けで
掲載されています。

細胞膜は脂質と蛋白質の複合
体で、さまざまな組成の脂質・
蛋白質集合体からなる膜の微小
領域(ドメイン)が集合して形
作っています。細胞膜上の脂質
ラフトはスフィンゴ脂質とコレ
ステロールを主成分とした領域
(脂質ドメイン)で、細胞膜を
介した情報伝達、膜輸送、ウイ
ルスやバクテリアの感染におい
て重要な役割を果たしていると
考えられていますが、その実態
は、よく分かっていません。

研究グループは、動物細胞の
主要なスフィンゴ脂質であるス
フィンゴミエリンとコレステロ
ールを用いて人工的な脂質ラフ
トを作製し、さまざまな細胞(
キノコではマイタケ、エリンギ、
シイタケ、マツタケ、ブナシメ
ジ)の抽出液を用いて結合蛋白
質をスクリーニングしました。
その結果、マイタケ抽出液から
アミノ酸202 個からなる新しい
蛋白質を発見しました。様々な
生化学的、生物物理学的な実験
から、この蛋白質がスフィンゴ
ミエリンと、コレステロールの
複合体にのみ結合し、他の脂質、
蛋白質とは結合しないことが明
らかになりました。脂質ラフト
(ラフトは筏(いかだ)の意味)
に特異的に結合することから、
これを木曽の中乗り、筏乗りの
意味である「ナカノリ」と名付
けました。

ナカノリには毒性がないため、
生きた動物細胞での脂質ラフト
の解析が、可能となり、超解像
顕微鏡、電子顕微鏡による観察
で、脂質ラフトのサイズや脂質
ラフトに存在する蛋白質の分布
が明らかになるとともに、コレ
ステロール代謝異常の患者由来
の細胞で、細胞膜の脂質ラフト
が正常細胞と異なっていること
が分かりました。さらに、イン
フルエンザ感染における脂質ラ
フトの役割について、ナカノリ
を使って調べたところ、インフ
ルエンザウイルスは脂質ラフト
の縁から出芽する事、ナカノリ
存在下では、培養細胞でのウイ
ルスの増殖が抑えられることが
分かりました。

今回の研究成果により脂質ラ
フトの構造、動態、機能の理解
がさらに進むものと考えられて
います。研究グループは、ナカ
ノリの脂質結合部位を特定する
など解析が進めば、より小分子
量の抗ウイルス薬の設計につな
がることが期待できるとしてい
ます。今後、エイズウイルスや
エボラウイルスのウイルス感染
にも効果があるかなど、研究を
進める予定だそうです。

インフルエンザ対策にマイタケ

を食するという動画です。



 
 
昨日、脂質ラフトの、資質と
機能を考える。笑

 
 
 
 
 
 
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2】 バグパイプ 奏者の過敏性肺臓炎の死亡例の報告

 
 
 
 
 
英国の医師のグループが61歳
男性の過敏性肺臓炎による死亡
例の報告を発表しました。男性
はバグパイプ奏者で、楽器内に
増殖した複数の真菌が疾患の引
き金となったと見られています。
研究グループによると、「バグ
パイプ肺」の症例報告は初めて
だそうです。 酵母菌やカビが
生息する可能性のある他の吹奏
楽器でも同様のリスクが考えら
れるため、医師や演奏者に注意
を呼びかけています。BMJ によ
る関連誌Thorax 8月22日オンラ
イン版の掲載論文紹介リリース
です。

報告者らによると、男性は20
09年に過敏性肺臓炎と診断され、
7年にわたり免疫抑制薬を使用
していました。男性には喫煙歴
がなく鳩の飼育歴や住居のカビ
や浸水歴もない等、疾患の原因
は不明でした。男性の乾性咳嗽
と進行性の呼吸困難は改善せず、
歩行距離が20メートルを切り、
呼吸困難がさらに増悪したため
緊急入院しました。

男性は趣味で毎日バグパイプ
を演奏していましたが、2011年、
海外旅行に出かけ楽器を演奏し
なかった3カ月間は症状が急速
に改善していたことが分かりま
した。医師らはすぐにバグパイ
プの各種部品から採取した検体
を培養したところペシロマイセ
ス属やフサリウム属など多種の
真菌が見つかりました。

男性は、治療のかいなく亡く
なり剖検の結果、急性呼吸窮迫
症候群(ARDS)と組織線維化を
伴う進展性の肺損傷が認められ
ました。当該男性の疾患の直接
の原因は明らかにできませんで
したが、報告者らは「他にもト
ロンボーンや、サックス奏者の
過敏性肺臓炎に関する報告があ
った」と述べています。

夏型過敏性肺臓炎について解説

している動画です。



 
 
操車を巧みにすることで音楽
隊奏者の機嫌をとった。笑

 
 
 
 
 
 
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編集後記

 
 
食用キノコのマイタケに脂質
ラフトと呼ばれる動物細胞膜上
の脂質構造に結合する、蛋白質
を発見し「ナカノリ」と名付け、
このナカノリの存在下ではイン
フルエンザウイルスの増殖が抑
えられることを解明したのは、
偉大な業績と言えましょう。今
現在、ウイルス性疾患の治療法
がなくて困っていることが多い
訳で、エイズウイルスやエボラ
ウイルス、デングウイルス、ジ
カ熱ウイルス等のウイルス感染
がその具体例となります。これ
らのウイルス性疾患の治療に「
ナカノリ」が効果があるか否か
を至急調べて頂きたいものです。
バグパイプ奏者で、楽器内に
増殖した複数の真菌が疾患の引
き金となったというのは、恐ろ
しい病気であると感じました。
私の知人の女性も間質性肺炎
に罹ってしまい、ある時期入院
を与儀なくされたことがありま
した。他にもトロンボーンや、
サックス奏者の過敏性肺臓炎に
関する報告があった訳ですから
これらの吹奏楽器の演奏者につ
いて、至急、疫学的調査をする
ことが必要であると感じました。
楽器の内部は、カビが生えやす
いものであるという前提に立っ
て、楽器を入念に掃除するしか
予防法は、ないと考えています。

水槽に吹奏楽器を入れては、
いけない。笑

 
 
 
 
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