最近の号外Vol.653メルマガ

2017-07-17 00:16:46

カテゴリー:ブログ



藤田のブログランキングアップにご協力お願いします。
以下のバナーをぽちっとクリックお願いします。



美白·美肌ブログランキングへ

 
 
診療マル秘裏話   号外Vol.653 平成28年9月13日作成
作者 医療法人社団 永徳会 藤田 亨

 
 
 
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

 
 
 
 
 
 
 
目次

1)DNAメチル化と、筋肉の発生との関係を解明
2)気管支喘息を制御する、新しい分子機構を発見

 
 
 
 
 
 
 
 
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 
 
 
医療界のトピックスを紹介するこのメールマガジンは
1週間に1回の割合で発行しています。もっと回数を増や
して欲しいという要望もあるのですが、私の能力のなさ
から1週間に1回が限度となっています。これからも当た
り前の医療をしながら、なおかつ貪欲に、新しい知識を
吸収し読者の皆様に提供してゆきたいと思っております。
不撓不屈の精神で取り組む所存ですのでどうかお許し下
さい。

 
 
 
 
 
1】 DNAメチル化と、筋肉の発生との関係を解明

 
 
 
 
 
 
東京医科歯大学大学院の浅原
弘嗣教授らの研究グループは、
DNAメチル化と筋肉の発生と
の関係を突き止めました。DN
Aメチル化制御遺伝子「Dnm
t3a」が筋肉の幹細胞である
サテライト細胞のほかの遺伝子
発現に作用して筋肉再生を調節
する仕組みを解明しました。筋
損傷や加齢による筋肉量の低下
(サルコペニア)の病態解明や
新規治療法開発への応用が期待
できるとしています。

遺伝子のオン・オフを行うス
イッチ一つにDNAメチル化と
いう機構があり、筋肉の細胞が
形成されるためには、DNAメ
チル化が重要であることは以前
から知られています。

今回の研究では、まずDNA
メチル化をつかさどるDnmt
3aという遺伝子を筋において
特異的に欠損したマウス(Dn
mt3aノックアウトマウス)
を作製しました。筋が損傷を受
けた後の筋再生を観察したとこ
ろ、ノックアウトマウスは再生
能力が著しく障害されており、
筋肉の元となる細胞(幹細胞)
である筋サテライト細胞の増殖
が障害されていることが分かり
ました。

バイサルファイト法という、
DNAメチル化部位を解析する
手法を用いて検討したところ、
ノックアウトマウスから得られ
た筋サテライト細胞の「p57
Kip2」遺伝子近傍では本来
あるべきDNAメチル化修飾が
有意に減少していることを確認
しました。さらに、p57Ki
p2遺伝子の異常な発現上昇を
抑えてやると、サテライト細胞
の増殖が一部回復することも明
らかになったということです。

今回の研究でDNAメチル化
は筋肉の幹細胞の増殖を調節し
て十分な筋肉の再生を行う役割
を担っていることが分かりまし
た。この成果を応用することで、
筋の損傷時の十分かつ早い回復
や、加齢による筋肉量の低下を
抑えるような薬剤が開発できる
ほか、高齢者の転倒や寝たきり
を減らすことが期待できるとし
ています。

DNAメチル化について解説して

いる動画です。



 
 
 
 
開腹手術で回復する。笑

 
 
 
 
 
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 
 
 
 
 
2】 気管支喘息を制御する、新しい分子機構を発見

 
 
 
 
東京大学の研究グループは、
気管支喘息を制御する、新しい
分子機構を発見しました。RN
A結合蛋白質Mex‐3Bがイ
ンターロイキン(IL)‐33
発現を促進することが気道炎症
の要因であり、Mex‐3Bに
対する核酸(アンチセンス核酸)
の噴霧・吸入を行うとMex‐
3Bの働きを抑え、気道炎症を
抑制することを突き止めました。
Mex‐3B遺伝子を欠損させ
たマウスは正常に発育し、成体
でも異常が認められなかった事
から、Mex‐3Bを標的とし
た薬剤は副作用が少ない新たな
治療薬になり得ると期待されて
います。

気管支喘息モデルのマウスで
は、Mex‐3BがIL‐33
RNAに直接結合して相補的な
メッセンジャーRNA(mRN
A)の分解を促進しました。こ
れにより、翻訳を阻害するマイ
クロRNA (miRNA)の
機能が妨げられ気管支喘息発症
の要因となるIL‐33を増加
させることが分かりました。

研究グループは、Mex‐3
Bを標的とした、RNAと相互
作用して遺伝子の発現を調節す
る、アンチセンス核酸を開発、
細胞レベルで、Mex‐3Bの
発現を抑制することを明らかに
しました。

Mex‐3Bの標的遺伝子で
あるIL‐33は通常の気管支
喘息だけでなくステロイド耐性
の重篤な喘息の発症にも重要な
役割を担います。 この他リウ
マチや大腸ガンなどでも関与し
ておりMex‐3Bは喘息以外
の疾患でも創薬ターゲットとな
る可能性があるとしています。

気管支喘息について解説してい

る動画です。



 
 
 
 
全速力で、喘息の人を走らせ
る。笑

 
 
 
 
 
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 
 
 
 
編集後記

 
DNAメチル化と筋肉の発生
との関係を突き止めて、DNA
メチル化制御遺伝子「Dnmt
3a」が筋肉の幹細胞であるサ
テライト細胞の他の遺伝子発現
に作用して、筋肉再生を調節す
る仕組みを解明したのは、偉大
な業績です。筋損傷や加齢によ
る筋肉量の低下(サルコペニア)
の病態解明や新規治療法開発へ
の応用を期待したいと思います。
サルコペニアとは、加齢と関連
して筋肉量が低下し筋力や身体
機能の低下が起こる症候群です。
もともと筋肉量は、40歳ごろか
ら徐々に、低下していきます。
筋肉量が低下する年齢になった
のにもかかわらず、適切な栄養
摂取や運動をせずにいると年齢
を重ねるごとにその速度は加速
していきます。筋肉は、脂肪に
置き換わってしまいます。
気管支喘息を制御する新しい
分子機構を発見したのは、素晴
らしい業績です。現在の気管支
喘息の治療は、吸入ステロイド
または、ステロイド+長期作用
型β2促進薬です。しかしなが
ら、ステロイド薬は、感染症が
ある時は、使えません。上記の
長期作用型β2促進薬は、アド
レナリンのβ2受容体を促進す
る薬です。しかし、大量に頻回
吸入すると、受容体の数が減り、
効かなくなり(ダウンレギュレ
ーションという)使うのが難し
いと言われています。そこで、
内服薬のキサンチン製剤を加え
たり、ロイコトリエン拮抗薬を
加えたり、トロンボキサンA2の
受容体拮抗薬を加えたりします。
RNA結合蛋白質Mex‐3B
がインターロイキン(IL)‐
33発現を促進することが気道
炎症の要因であり、Mex‐3
Bに対する核酸(アンチセンス
核酸)の噴霧・吸入を行うとM
ex‐3Bの働きを抑え、気道
炎症を抑制できたので、このア
ンチセンスまたは、RNA 干渉の
手法を用いて、Mex‐3Bを
阻害してあげると、気道炎症が
収まるので、上記の様な使いに
くい薬を使わなくとも良くなる
ということでしょう。

勢力が拮抗して、勝敗を亀甲
で占う。笑

 
 
 
 
************************

このメールマガジンは以下の配信システムを利用して
発行しています。
解除の手続きは下記ページよりお願い致します。
「まぐまぐ」www.mag2.com/m/0000121810.html
(イジニイワト)

発行者名  医療法人永徳会 皿沼クリニック院長
藤田 亨
職業    医師の箸くれ(はしくれ)
運営サイト www.eitokukaisalanuma.or.jp/ ご意見・ご感想・励ましのお便りお待ちしております。
sara2162@atlas.plala.or.jp このマガジンの掲載記事を無断で転載・使用すること
を禁じます。
ただしお友達への転送はご自由はご自由です。
このエントリーをはてなブックマークに追加 
 

コメント