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2017-06-08 00:47:50

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診療マル秘裏話   号外Vol.620 平成28年8月6日作成
作者 医療法人社団 永徳会 藤田 亨

 
 
 
 
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目次

1)PACAPが涙の分泌を制御する仕組みを解明
2)興奮により痛みの感じ方が変わる仕組みを解明

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
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医療界のトピックスを紹介するこのメールマガジンは
1週間に1回の割合で発行しています。もっと回数を増や
して欲しいという要望もあるのですが、私の能力のなさ
から1週間に1回が限度となっています。これからも当た
り前の医療をしながら、なおかつ貪欲に、新しい知識を
吸収し読者の皆様に提供してゆきたいと思っております。
不撓不屈の精神で取り組む所存ですのでどうかお許し下
さい。

 
 
 
 
 
1】 PACAPが涙の分泌を制御する仕組みを解明

 
 
 
 
 
 
星薬科大学と富山大学の研究
グループは、涙の分泌を制御す
る仕組みを解明しました。下垂
体アデニル酸シクラーゼ活性化
ポリペプチド(PACAP)が
涙腺腺房細胞で発現する水チャ
ネル分子の一種であるアクアポ
リン5(AQP5)を細胞質か
ら細胞膜に移動させます。これ
により細胞膜上に水の通り道(
水チャネル)ができ涙液の分泌
が促進することをマウス実験で
確認しました。 ドライアイ(
眼球乾燥症)などの乾燥性疾患
の原因解明や涙液分泌促進因子
と考えられるPACAPによる
創薬展開が期待されます。

涙液分泌は、交感神経と副交
感神経からなる自律神経によっ
て制御され、副交感神経が活性
化すると分泌量は増加します。
また、PACAPは副交感神経、
その受容体PAC1-Cは涙液
を合成する腺房細胞に存在して
います。一方、AQPは細胞膜
を介した水輸送で重要な役割を
担っており、生体の多くの組織
で発現しています。

研究グループは、PACAP
遺伝子欠損マウスを作製しまし
た。その結果、若い時から涙液
の分泌量が低下、とくに高齢の
メスでは角膜障害が生じており、
PACAPノックアウトマウス
はドライアイに類似した症状を
起こすことを見いだしました。

正常なマウスにPACAPを
点眼したところ涙液量は約2倍
に増え、その効果は、45分間
持続しました。 ノックアウト
マウスでは涙液量が回復、3週
間の連続投与で角膜障害の進行
が抑えられました。

ただ、PACAPは水溶液中
で分解しやすいそうです。創薬
にあたってはより安定な低分子
化合物の探索と合成が、カギと
なることでしょう。

涙の分泌の異常で起こるドライ

アイについて解説している動画

です。



 
 
恒例の高齢者の行動の好例。


 
 
 
 
 
 
 
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2】 興奮により痛みの感じ方が変わる仕組みを解明

 
 
 
 
 
 
試合中にけがをしても気がつ
かないことがあるのはなぜでし
ょうか。名古屋大学を中心とし
た研究グループは、興奮によっ
て痛みの感じ方が変わる仕組み
を解明しました。 ペプチド性
神経伝達物質の、オレキシンを
産生するオレキシン神経の活動
が重要な役割を果たし、活性化
すると痛みを感じにくくなり、
落ち着くと痛みを感じ始めると
いうことです。痛みを感じるよ
うな刺激を受けると、この神経
が活性化して痛みを鎮めようと
する鎮痛作用があることも明ら
かにしました。オレキシン神経
を標的とした新たな痛み治療に
つながることが期待されます。

視床下部に、存在するオレキ
シン神経は、覚醒維持に重要な
神経です。 欠損すると覚醒が
維持できず、場所や時間を選ば
ずに眠ってしまう睡眠障害(ナ
ルコレプシー)を、引き起こし
ます。合成したオレキシンペプ
チドには鎮痛効果があることは
知られていましたが、オレキシ
ン神経活動と痛みの感覚(知覚)
との関係は十分に解っていませ
んでした。

今回、オレキシン神経を選択
的に、ノックアウトした遺伝子
改変マウスなどによってオレキ
シン神経と痛みの関係を調べま
した。 その結果、オレキシン
神経が欠損すると痛みを感じや
すくなり、普段は痛みとして感
じない刺激にも反応します。
一方、活性化させると痛みを感
じにくくなり、痛みを感じるよ
うな刺激にも平気になることが
分かりました。

オレキシンについて解説してい

る動画です。



 
 
伊丹空港で痛みを感じる。笑

 
 
 
 
 
 
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編集後記

 
 
 
涙の分泌を制御する仕組みを
解明したのは、偉大な業績です。
膠原病、とくに、シェーグレン
症候群では、唾液や涙液が出な
くなり、悲惨な生活を送らざる
を得ませんが涙液の分泌を制御
できれば、膠原病とくにシェー
グレン症候群に伴うドライアイ
等の患者さんにとっては大きな
福音となることでしょう。この
シェーグレン症候群は、未だに
有効な治療法が確立しておらず、
対症療法しかありません。
試合中にけがをしても気がつ
かないことがあるのは脳幹網様
体の働きと私は、理解していま
した。脳幹網様体は、その情報
が重要か否かを判断して、取捨
選択します。 例えば、雪山の
クレバスに落ちて、骨折してし
まった場合、当初は、痛みを感
じません。痛みを感じることよ
り、生きてクレバスを脱出する
ことの方が、重要だと判断する
訳です。クレバスから脱出して
ヘリコプターが舞い降りて救出
されると分かった途端に、骨折
の痛みを突然感じる様になると
いう訳です。覚醒維持に重要な
オレキシン神経も痛みの感じ方
に、重要な働きをしていたとは、
まさに寝耳に水の情報でした。

拡声器で覚醒を促す。笑

 
 
 
 
 
 
 
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藤田 亨
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