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2017-05-31 01:02:27

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診療マル秘裏話   号外Vol.613 平成28年7月29日作成
作者 医療法人社団 永徳会 藤田 亨

 
 
 
 
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目次

1)遺伝子の異常で腱の病的な骨化のメカニズムを解明
2)IgA 抗体が悪玉菌の増殖を抑え腸内フローラを制御

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
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医療界のトピックスを紹介するこのメールマガジンは
1週間に1回の割合で発行しています。もっと回数を増や
して欲しいという要望もあるのですが、私の能力のなさ
から1週間に1回が限度となっています。これからも当た
り前の医療をしながら、なおかつ貪欲に、新しい知識を
吸収し読者の皆様に提供してゆきたいと思っております。
不撓不屈の精神で取り組む所存ですのでどうかお許し下
さい。

 
 
 
 
 
1】 遺伝子の異常で腱の病的な骨化のメカニズムを解明

 
 
 
 
 
東京医科歯科大学は6月28日、
ノックアウトラット(遺伝子を
改変したラット)を作製すると
いう世界的にも先進的な手法を
用いて、Mohawk (Mkx)という
遺伝子の異常が腱の病的な骨化
に至るメカニズムを見出したと
発表しました。
この研究は、同大大学院医歯学
総合研究科システム発生・再生
医学分野の浅原弘嗣教授、伊藤
義晃助教らの研究グループと、
同大学大学院医歯学総合研究科
整形外科学分野、生体材料工学
研究所物質医工学分野、医歯学
研究支援センター、医学部附属
病院高気圧治療部および米国ス
クリプス研究所との共同研究に
よるものです。研究成果は国際
科学誌「Proc Natl Acad Sci U
SA」オンライン版に6月27日付
けで発表されました。
腱・靭帯は身体の各組織を繋ぐ
ロープのようなものでこの組織
が全身の動きを支え、力を伝え
ることで、“動く”ことが可能
になりますが、この発生・再生
のメカニズムはまだ不明の点が
多く、腱・靭帯の損傷や疾病の
完全かつ早期の治癒は、未だに
困難とされています。研究グル
ープは腱・靭帯の再生の要とな
る遺伝子Mkx を同定していまし
たが、遺伝子改変マウスでは、
サイズが小さいため十分な生理
学的、分子生物学的、組織学的
な研究が行えず、さらなる研究
では、マウスより大型の動物で
の遺伝子改変動物の作製が必須
となっていました。
研究グループは、CRISPR/Cas9
システムという、新しい遺伝子
編集技術を導入することで、ラ
ットの遺伝子を改変し、ノック
アウトラットを作製することに
成功しました。このマウスは、
今まで主に研究されていたマウ
スに比べ数倍の大きさがあり、
マウスでは困難であった研究を
進める事ができるとしています。
ノックアウトラットを、さらに
詳細に解析すると、出生後まも
なくアキレス腱が骨化しており、
改変された遺伝子Mkx は、腱・
靭帯の中心的な遺伝子で、この
欠損で、ラットのアキレス腱の
骨化を引き起こすことが分かり
ました。このメカニズムとして、
腱細胞に対する、機械的な伸展
刺激(メカノ刺激)が、Mkx と
いう遺伝子スイッチを押すこと
で、腱・靭帯を守り、骨化を妨
げることが明らかになったとし
ています。さらに、このノック
アウトラットから得られた十分
量の腱細胞を用い、クロマチン
免疫沈降と次世代シークエンサ
ーを組み合わせた研究手法によ
って、腱を再生し維持する遺伝
子のプログラムを詳細に明らか
にする事ができたとしています。
遺伝子Mkx を用いた腱・靭帯の
傷害や疾病の診断・治療の開発
や人工靭帯の作製など再生医療
への応用が期待されると、研究
グループは述べています。

前十字靭帯の再建術について、

解説している動画です。



 
 
人体での靭帯の働き。笑

 
 
 
 
 
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2】 IgA 抗体が悪玉菌の増殖を抑え腸内フローラを制御

 
 
 
 
 
 
奈良先端科学技術大学院大学、
ヤクルト本社中央研究所などの
研究グループは、イムノグロブ
リンA(IgA)抗体が悪玉菌
の増殖を抑え、腸内フローラ(
腸内細菌叢)を制御することを
発見しました。IgA抗体の中
でも、多くの種類の腸内細菌に
結合するW27IgA抗体をマ
ウスに経口投与すると、大腸菌
など悪玉菌と結合して、増殖を
抑制しました。乳酸菌やビフィ
ズス菌といった善玉菌の増殖は
妨げずに腸内フローラを改善し、
腸炎を抑制する効果があるとい
うことです。

奈良先端科学技術大学院大学、
長浜バイオ大学、理化学研究所、
東京工業大学、ヤクルト本社中
央研究所、熊本大学の研究グル
ープが、マウスを使った実験で
明らかにしました。

腸内細菌と免疫との関係につい

ての動画です。



 
一兆円で、腸炎を抑制する薬
を開発する。笑

 
 
 
 
 
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編集後記

 
 
 
遺伝子の異常が、腱の病的な
骨化に至るメカニズムを解明し
たのは、偉大な業績です。遺伝
子Mkx を用いた腱・靭帯の傷害
や疾病の診断・治療の開発や、
人工靭帯の作製など再生医療へ
の応用を期待したいものです。
マウスより大型の動物での遺伝
子改変動物の作製が、最もこの
研究の成果に直結したものだっ
たことが分かったのも、非常に
意外な感じがしました。
イムノグロブリンA(IgA)
抗体が悪玉菌の増殖を抑え、腸
内フローラ(腸内細菌叢)を、
制御することを発見したのは、
画期的な研究と言えましょう。
IgA抗体の中でも、多くの
種類の腸内細菌に結合するW2
7IgA抗体を、マウスに経口
投与すると、大腸菌など悪玉菌
と結合して増殖を抑制し、乳酸
菌やビフィズス菌といった善玉
菌の増殖は妨げずに、腸内フロ
ーラを改善し、腸炎を抑制する
効果があることが分かったのは、
腸炎の患者さんにとっては、大
きな福音となることでしょう。

長円型の細胞が出現する腸炎。


 
 
 
 
 
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