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2017-03-03 03:04:24

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診療マル秘裏話  号外Vol.536 平成28年5月1日作成
作者 医療法人社団 永徳会 藤田 亨

 
 
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目次

1)血液悪性腫瘍細胞を新機序で、死滅させる抗体
2)妊婦血液で胎児の病気を調べる新型出生前検査

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
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医療界のトピックスを紹介するこのメールマガジンは
1週間に1回の割合で発行しています。もっと回数を増や
して欲しいという要望もあるのですが、私の能力のなさ
から1週間に1回が限度となっています。これからも当た
り前の医療をしながら、なおかつ貪欲に、新しい知識を
吸収し読者の皆様に提供してゆきたいと思っております。
不撓不屈の精神で取り組む所存ですのでどうかお許し下
さい。

 
 
 
 
1】 血液悪性腫瘍細胞を新機序で、死滅させる抗体

 
 
 
 
 
順天堂大学は4月6日、悪性リ
ンパ腫細胞や成人T細胞白血病
(ATL )細胞を、これまで知ら
れている仕組みとは、異なった
機序で死滅させる「4713モノク
ローナル抗体」(mAb4713 )を
樹立したと発表しました。この
研究は、同大医学部病理・腫瘍
学講座の松岡周二助教と理化学
研究所統合生命医科学研究セン
ターの石井保之氏(ワクチンデ
ザイン研究チームリーダー)ら
研究グループによるものです。
同研究成果は、米科学雑誌
「PLOS ONE」に、3月31日付け
で掲載されています。
悪性リンパ腫は、血液腫瘍の
なかで最も頻度の高い疾患で、
日本では年間1万人以上が発症
するといわれています。非ホジ
キンリンパ腫の一種である、B
細胞リンパ腫や成人T細胞白血
病において有意な治療効果を示
す抗体医薬が開発されています
が、一部の効果が、みられない
患者さんや一度寛解しても標的
分子を欠失した耐性株が出現し、
再発する患者さんも多くなって
います。そのため、多くの種類
の悪性リンパ腫に対して、傷害
活性を有し、悪性リンパ腫や白
血病細胞に選択的に有効で、耐
性株の出現しにくい、分子標的
治療薬の開発が望まれています。
今回、研究グループは、多く
の悪性リンパ腫を傷害する抗体
を樹立することを目的に実験を
開始しました。まず、通常行わ
れているように標的分子のペプ
チドを免疫したり、1種の悪性
リンパ腫で免疫するのではなく、
複数の悪性リンパ腫で免疫した
マウスの抗体産生細胞を用いて
融合細胞を作製しました。悪性
リンパ腫細胞への細胞傷害活性
を指標にスクリーニングしまし
た。その結果、複数の分子(HL
A クラスII分子群のDP、DQ、DR)
に結合し、多くの悪性リンパ腫
に傷害活性を有する抗体を得た
ということです。
この抗体は、ごく短時間で、
巨大な穴を血液ガン細胞に直接
あけるという特徴的な作用を持
ち、補体非依存性に傷害活性を
示したそうです。また、mAb471
3 を注射することにより、悪性
リンパ腫細胞を移植したマウス
の生存を有意に延長しました。
更に、正常な細胞に対しては
傷害活性が無いことも確認され
たため、この抗体は血液のガン
細胞だけを攻撃することが判明
しました。
同抗体は、HLA クラスII分子
群のDP、 DQ、DR のいずれにも
反応することから、ガン細胞に
生じた1つの遺伝子変異では、
ガン細胞はこの抗体の攻撃から
回避することができません。つ
まり同抗体存在下では、従来の
分子標的薬に比べて、耐性ガン
細胞の出現を抑えることができ
るそうです。また、この抗体は
補体やADCC(抗体依存性細胞傷
害)活性に頼らず、腫瘍細胞に
直接巨大な穴を開けて破壊する
(アナポコーシス)新たな作用
機序をもっています。そのため
再発例も含めた悪性リンパ腫や
白血病の患者さんに対して効果
的な治療効果を発揮できると考
えられることから、これまでの
抗ガン剤や分子標的薬で治療で
きなかった患者さんや再発した
患者さんに対し、効果的な治療
薬の開発が見込まれるとしてい
ます。

正常の血液と血液の悪性腫瘍に

ついて解説している動画です。



 
高価だが、効果的な分子標的
薬の治療。笑

 
 
 
 
 
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2】 妊婦血液で胎児の病気を調べる新型出生前検査

 
 
 
 
妊婦の血液で胎児の病気を調
べる新型出生前検査を実施して
いる米国の検査会社「シーケノ
ム」は、すべての染色体にある
異常を検出できる新しい検査法
を開発したと、7日まで京都市
で開かれた国際人類遺伝学会で
報告しました。
報告された新検査は「マタニ
ティ・ゲノム」です。 妊婦の
血液中に流れこんだ胎盤のDN
Aの断片から胎児の病気を調べ
ます。従来の検査では、ダウン
症など一部の染色体が3本ある
疾患や特定の染色体の欠損など
しか調べることができませんで
した。新しい検査では、すべて
の染色体について、一定の長さ
以上のDNA配列の欠損や重複
の可能性を調べることができる
ということです。

米国では昨年夏に実用化され
ており、約1100人の妊婦の
検査では、おなかに針を刺して
行う従来の羊水検査でもわから
なかった、複雑な染色体異常が
検出できた例もあるとしていま
す。

日本での新型出生前検査は、
ダウン症などを対象に2013
年から臨床研究として実施して
います。約3万人の妊婦が検査
を受けました。

同社によると、新検査は米国
以外の複数の国で実用化が検討
されているということです。し
かし、必ずしも重くない疾患も
対象になるため、日本への導入
が検討された場合、倫理的な面
で議論を呼びそうです。

新型出生前診断について解説し

ている動画です。



 
 
見当違いの献灯を行い、謝罪
を検討した。笑

 
 
 
 
 
 
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編集後記

 
 
悪性リンパ腫細胞や、成人T
細胞白血病(ATL )細胞を、こ
れまで知られている仕組みとは、
異なった機序で死滅させる「47
13モノクローナル抗体」(mAb4
713 )を樹立したというのは、
偉大な業績です。まだ臨床試験
が完遂されていないので、本当
に臨床で使えるかどうか分かり
ませんが、もし臨床で使える、
すなわち副作用がそれ程なく、
患者さんの忍容性も良いならば、
こんないい薬は、ありません。
私がもしまだ病院勤務でこの
薬が実用化されていたとすると
真っ先に、難治性の血液疾患に
使ってみたいと思ったに違いあ
りません。
妊婦の血液で胎児の病気を調
べる新型出生前検査が存在する
というのは、聞いていましたが、
おなかに針を刺して行う従来の
羊水検査でも、分からなかった、
複雑な染色体異常が検出できた
例もあるというのを聞いてびっ
くり仰天です。おなかに針を刺
さずに、血液検査だけで、羊水
検査より感度が、良いとなると、
これは、本当に驚天動地です。
侵襲性の少なさ、感度の良さか
ら考えると当然この検査を妊婦
さんは、受けるべきでしょう。
ただし、胎児の異常を知りた
くない妊婦さんの場合にどうす
るのかという事も考えなければ
なりません。また生命に関わる
病気とは、言えない病気が見つ
かる可能性に対して、検査を受
けるか否かの判断が難しい事は、
事実なようです。

肩鎖関節を検査する。笑

 
 
 
 
 
 
 
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