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2016-06-21 01:35:54

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診療マル秘裏話  号外Vol.319 平成27年8月22日作成
作者 医療法人社団 永徳会 藤田 亨

 
 
 
 
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目次

1)発熱に関わる脂質メディエーター産生の仕組を発見
2)多くの神経の病気で痛みが病状を悪化する事を実証

 
 
 
 
 
 
 
 
 
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医療界のトピックスを紹介するこのメールマガジンは
1週間に1回の割合で発行しています。もっと回数を増や
して欲しいという要望もあるのですが、私の能力のなさ
から1週間に1回が限度となっています。これからも当た
り前の医療をしながら、なおかつ貪欲に新しい知識を
吸収し読者の皆様に提供してゆきたいと思っております。
不撓不屈の精神で取り組む所存ですのでどうかお許し下
さい。

 
 
 
 
1】 発熱に関わる脂質メディエーター産生の仕組を発見

 
 
 
 
 
東京大学は7 月22日、発熱に
関わる脂質メディエーター産生
の仕組みを発見したと発表しま
した。この研究は、同大大学院
医学系研究科の北芳博准教授、
清水孝雄特任教授、狩野方伸
教授、新潟大学の崎村建司教授
らの研究グループによるもので
す。研究成果は、米科学誌
「PLOS ONE」に7月21日付で
掲載されています。
人間の体温は通常36~37℃に
保たれていますが、病原体に
感染したりケガをしたりすると、
体温の上昇(発熱)が起こる事
は、よく知られています。この
発熱応答は病原体の増殖や活動
を抑制する等、正常な生体防御
メカニズムの1つで、本来37℃
付近に保たれるように設定され
た「体温の設定値」(setpoint)
が、より38~40℃など高い値に
変更されることにより、起こる
現象であると考えられています。
体内でアラキドン酸の代謝に
より産生されるプロスタグラン
ジンE2(PGE2)は、発熱応答に
必須の脂質因子であることが知
られていますが、発熱時にPGE2
がどのような仕組みで産生され
るのかについて、完全には分か
っていませんでした。
今回、研究グループは、発熱
に関わるPGE2が、脳内マリファ
ナ様物質として知られる「2-ア
ラキドノイルグリセロール」
(2-AG)の分解により産生され
ることを発見しました。これま
で、PGE2を始めとする炎症性
脂質メディエーターの産生には、
リン脂質を分解する酵素である
細胞質型ホスホリパーゼA2α
(cPLA2α )が関わっていると
考えられていましたが、遺伝子
欠損マウスを用いて発熱応答お
よび脳内脂質代謝物の解析を行
ったところ、cPLA2α ではなく、
モノアシルグリセロールリパー
ゼ(MGL )の働きで、2-AGから
産生されるPGE2が発熱応答に
必要であることが明らかになっ
たそうです。
同研究により、発熱という、
よく知られた生命現象に関わる
新たな脂質代謝経路が明らかに
なりました。今後cPLA2αとMGL
による生理活性脂質産生経路が、
さまざまな病態や生理機能にお
いてどのように使い分けられて
いるかを明らかにしていくこと
で、副作用の少ない解熱剤や抗
炎症剤の開発が可能になること
が期待できるそうです。

生理痛を起こすプロスタグランジン

に関する動画です。



 
 
 
 
生理の記録を整理整頓する。


 
 
 
 
 
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2】 多くの神経の病気で痛みが病状を悪化する事を実証

 
 
 
 
 
北海道大学は7 月24日、同大
遺伝子病制御研究所の村上正晃
教授らの研究グループが、痛み
が神経の病気を悪化させること
を実証したと発表しました。
この研究成果は、生命科学の
専門オンライン誌「eLIFE」に、
7 月20日付けで、公開されてい
ます。
痛みは多くの病気に共通する
症状であり、慢性的な痛みは、
生活の質を大きく損ないます。
しかし、これまで痛みは単に
病気の副産物と考えられていて、
痛みが直接、病気を悪化する事
は知られていませんでした。
以前、同研究グループは地球
の重力がふくらはぎに存在する
抗重力筋であるヒラメ筋を刺激
することによって生じる神経ネ
ットワークが、交感神経の活性
化を誘導し、血管の状態を変化
させ、多発性硬化症の動物モデ
ル(EAE )の病気を発症させる
起点となるという現象「ゲート
ウェイ反射」を報告しました。
これは、感覚神経-交感神経
の活性化を介して神経ネットワ
ークが生じ、標的臓器の炎症
状態を変化させることを証明す
るものでした。今回は、多くの
病気に付随する「痛み」で始ま
る神経ネットワークを介して、
病気の症状にどのような影響が
生じるのかを調べたそうです。
今回、研究グループは「痛み」
を介する神経ネットワークが、
病気の症状にどのような影響を
与えるのかをEAE マウスを使っ
て検証しました。 その結果、
実験的に痛みを与えるとEAE の
症状が悪化し、逆に鎮痛剤を与
えるとその症状が改善したとい
うことです。このことは、痛み
が直接的に病気の進行に関与し
ていることを示しています。
次に、一過性に病気を発症す
るマウスを利用して、症状が落
ち着いたとき(寛解期)に痛み
を誘導しました。すると、EAE
の症状が再発しましたが、他の
ストレスではEAE は再発しなか
ったそうです。また、今回の痛
みによる再発は、以前報告した
「ゲートウェイ反射」と同じ
経路により起こることも判明し
ました。
ヒトの多発性硬化症は、再発
と寛解を繰り返し、痛みを伴う
ことが知られていますが、今回
の発見は、痛み自体が、多発性
硬化症の再発のきっかけとなる
ことを示唆しています。今後、
鎮痛剤等を用いた痛みの抑制や、
神経シグナルの抑制物質が病気
の再発を防ぐ新たな手段になる
ことが考えられます。また研究
グループでは、多発性硬化症
以外の病気と神経ネットワーク
の関係についても今後研究を進
めて行きたいとしています。

神経の痛みとストレスに関する

動画です。



 
 
 
沈痛な表情で鎮痛剤を飲む。


 
 
 
 
 
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編集後記
発熱に関わる脂質メディエー
ター産生の仕組みを発見という
のは、素晴らしい業績であると
言えます。これまで、なぜ熱が
出るのかという詳しいメカニズ
ムは、分かっていませんでした。
私が医学生であった時もイン
ターフェロンが産生されて熱が
出ると教わりましたが、詳しい
メカニズムまでは、教わること
がありませんでした。まさに、
コロンブスの卵と言えましょう。
痛みが神経の病気を悪化させ
ることが実証されたのは、驚く
べき業績であると言えましょう。
鎮痛剤で痛みを抑えるだけで、
神経の病気が改善に向かうなど
信じられない気もしますが実証
されたのなら間違いないでしょ
う。ただし、アスピリン喘息等
鎮痛剤を使えない体質の人も世
の中にいるということを忘れな
出で頂きたいと思います。

体質の違いで、ある群の人達
が退室する。笑

 
 
 
 
 
 
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