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診療マル秘裏話   号外Vol.307 平成27年8月8日作成
作者 医療法人社団 永徳会 藤田 亨

 
 
 
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

 
 
 
 
 
 
 
目次

1)カルボニル化蛋白質が皮膚乾燥を誘導するメカニズム
2)アルツハイマー病態のオートファジー の新たな役割を解明

 
 
 
 
 
 
 
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医療界のトピックスを紹介するこのメールマガジンは
1週間に1回の割合で発行しています。もっと回数を増や
して欲しいという要望もあるのですが、私の能力のなさ
から1週間に1回が限度となっています。これからも当た
り前の医療をしながら、なおかつ貪欲に新しい知識を
吸収し読者の皆様に提供してゆきたいと思っております。
不撓不屈の精神で取り組む所存ですのでどうかお許し下
さい。

 
 
 
 
1】 カルボニル化蛋白質が皮膚乾燥を誘導するメカニズム

 
 
 
 
 
東京工科大学は、7 月14日、
角層細胞に存在するカルボニル
蛋白質が紫外線から活性酸素を
生成することでさらに増加し、
皮膚の乾燥を誘導するメカニズ
ムを明らかにしたと発表しまし
た。この研究は、同大応用生物
学部の正木仁教授らのチームに
よるものです。研究成果は、6
月に開催された、「第40回日本
香粧品学会学術大会」にて発表
されています。
太陽光線への慢性的な曝露は、
皮膚内の酸化ストレスを亢進し、
老人性色素斑やシワの顕在化と
いった光老化皮膚の形成を促進
することは知られています。
近年、露光部位の皮膚に酸化
蛋白質であるカルボニル蛋白質
が多く存在することが明らかに
なっていました。
また、疫学的な調査によって、
角層のカルボニル蛋白質と皮膚
表面の水分量および経表皮水分
蒸散量(TEWL)に相関がある事
や、冬季の乾燥性皮膚において
カルボニル蛋白質の増加が報告
されています。同研究チームで
も、再構築皮膚モデルを乾燥
条件下で培養することによりカ
ルボニル蛋白質が増加する事を
確認していたそうです。
このようにカルボニル蛋白質
と、皮膚の乾燥状態との関連が
示唆される一方、その誘導メカ
ニズムについての明確な知見は
ありませんでした。 そこで同
研究グループは、角層に存在す
るカルボニル蛋白質が、皮膚の
保湿機能を低下させるという
仮説のもと、検証に取り組みま
した。
研究グループは、紫外線照射
した剥離角層からの、活性酸素
生成を、活性酸素反応性の化学
発光プローブを用いた手法で、
確認しました。この発光は、ス
ーパーオキシド・ディスムター
ゼの添加により消失したことか
ら、活性酸素の一種のスーパー
オキシドアニオンラジカルであ
る可能性が示唆されました。更
に、紫外線照射により、カルボ
ニル蛋白質も増加したことから、
スーパーオキシドアニオンラジ
カルが角層細胞内タンパクのカ
ルボニル化を促進することも併
せて示されました。
実験では、ケラチンフィルム
および牛血清アルブミンをアク
ロレイン処理して、カルボニル
蛋白質を調製し、紫外線照射に
よる、活性酸素の生成を、化学
発光法とESR ピンストラップ法
で確認しました。その結果、カ
ルボニル化処理条件に依存した
化学発光プローブの、化学発光
強度の増強と、スーパーオキシ
ドアニオンラジカルに由来する
ESR スペクトルが確認されたと
いうことです。
これらの結果から、角層中の
カルボニル蛋白質が光増感反応
によりスーパーオキシドアニオ
ンラジカルを生成し、更に角層
細胞内タンパクのカルボニル化
を行う“ループ”の存在が確認
されたとしています。 また、
摘出したブタ皮膚を用いた実験
では、角層のカルボニル化度に
依存した皮膚表面水分量の低下
と経表皮水分蒸散量の増加を示
し、乾燥性皮膚の状態も再現さ
れています。
今回の研究によって得られた
結果は、太陽光線曝露時の皮膚
の乾燥メカニズムの一因を明ら
かにし、抗酸化によるスキンケ
アの重要性を改めて裏付けるも
のと言えます。研究グループは
今後、スキンケア化粧品や日焼
け止め化粧品の開発等への応用
が期待されると述べています。

パンに化粧品のジェルを塗って

カルボニル化・糖化反応を抑え

られるか試した実験です。



 
 
 
 
糖化と共にカルボニル化も、
皮膚の乾燥に寄与するという、
感想を述べた。笑

 
 
 
 
 
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2】 アルツハイマー病態のオートファジー の新たな役割を解明
 
 
 
 
東京医科歯科大学は7 月14日、
難治疾患研究所脳統合機能研究
センター・神経病理学分野の
岡澤 均教授の研究グループが、
生きた脳の中の神経細胞におけ
る、オートファジーを観察する
技術を世界で初めて開発し、ア
ルツハイマー病態におけるオー
トファジーの新たな役割を解明
したと発表しました。同成果は、
国際科学誌
「Scientific Reports」オンラ
イン版に7 月14日付で掲載され
ています。
今回の研究は「神経細胞にお
ける、誘導性オートファジーの
有無」を明らかにする事を第一
の目的としました。マクロオー
トファジーを特徴付けるオート
ファゴゾームのマーカー分子で
あるLC3 から作製した融合蛍光
タンパク質(LC3-EGFP)を脳内
に発現させて、生きたマウスの
脳内部で変化するオートファゴ
ゾームを2光子顕微鏡で観察す
る方法を開発しました。
これにより、脳における飢餓
誘導性オートファジーが、神経
細胞において実際に存在する事
を証明しました。さらに、マウ
ス脳の同じ場所を継続的に観察
することにより、脳内のオート
ファゴゾーム形成に概日リズム
(circadian rhythm)がある事
を発見したそうです。
さらにアルツハイマー病では、
オートファジーが病態を抑制す
るのかそれとも進行させるのか、
という特異的な問題点があった
ため、その点も調査しました。
その結果、アルツハイマーの
病態では飢餓による誘導性オー
トファジーが亢進しているもの
の、エンドサイトーシス亢進に
よって細胞外から取り込んだベ
ータアミロイドを、十分に分解
処理できず、細胞内にベータア
ミロイドを溜め込むこと、さら
には、この細胞内アミロイドの
増加はアルツハイマー病で侵さ
れやすい脳内の重要部位で起こ
ることが明らかになったという
ことです。
また、細胞内にベータアミロ
イドが増加した神経細胞を詳細
に観察すると、一部は、細胞が
膨張して破裂し、ベータアミロ
イドを周辺にまき散らす像も得
られたそうです。これらの結果
は、アルツハイマー病態に飢餓
状態が重なることによって引き
起こされる細胞内のベータアミ
ロイドの増加が細胞死につなが
り、病態の悪化を加速する可能
性を示しています。
今日では過度なカロリー摂取
などの生活習慣がアルツハイマ
ー病進行を早める要素である事
が、広く認められていますが、
脳内で細胞外のベータアミロイ
ド濃度がある程度高まった後で
は、むしろ、カロリー制限によ
ってオートファジーを過度に
活性化することがアルツハイマ
ー病態を悪化させるリスクとな
ることが、今回の研究成果から
想定されます。これは、食習慣
を通じた認知症予防・治療を今
後進める際に重要なポイントと
考えられるとしています。

オートファジーについて解説し

ている動画です。



 
 
 
 
オートファジーを過度に活性
化することで角が立つ。笑

 
 
 
 
 
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編集後記
糖化とともに、カルボニル化
も皮膚の乾燥に寄与することが
明らかになり、資生堂はじめと
する、化粧品業界がにぎわって
いるようです。糖化よりもカル
ボニル化の方が毒性が強いこと
も明らかになっているのですが、
カルボニル化の阻止には、抗
酸化物質を抑えることで達成で
きることが分かったのも偉大な
業績といえましょう。 カルボ
ニル化の阻止に水素吸引をまず
第一に挙げたいと思います。次
に栄養学上の抗酸化物質の摂取
を挙げたいと思います。そうし
たことから、化粧品によるカル
ボニル化の阻止は、抗酸化物質
の内服に較べ優先順位が非常に
低いことが分かります。
アルツハイマーの病態に飢餓
状態が重なることによって引き
起こされる細胞内のベータアミ
ロイドの増加が細胞死につなが
り、病態の悪化を加速する可能
性が示唆されたことで、認知症
治療における、断食療法は、逆
効果であることが示唆されまし
た。認知症治療の方向性が変わ
る要因となる研究であるとも言
えるでしょう。

仮足で加速することは不可能。


 
 
 
 
 
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