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診療マル秘裏話 Vol.549 平成26年6月12日作成
作者 医療法人社団 永徳会 藤田 亨

 
 
 
 
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目次

1) 赤血球からミトコンドリアが除去されるメカニズム
2)遺伝子性疾患マルファン 症候群のモデル動物

 
 
 
 
 
 
 
 
 
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医療界のトピックスを紹介するこのメールマガジンは
1週間に1回の割合で発行しています。もっと回数を増や
して欲しいという要望もあるのですが、私の能力のなさ
から1週間に1回が限度となっています。これからも当た
り前の医療をしながら、なおかつ貪欲に、新しい知識を
吸収し読者の皆様に提供してゆきたいと思っております。
不撓不屈の精神で取り組む所存ですのでどうかお許し下
さい。

 
 
 
 
1】赤血球からミトコンドリアが除去されるメカニズム

 
 
 
 
 
東京医科歯科大学の難治疾患
研究所と愛媛大学の共同研究グ
ループは、赤血球から細胞内小
器官ミトコンドリアが除去され
るメカニズムを解明しました。
古くなった蛋白質などを分解す
る機能であるオートファジー
(細胞の自食作用)が関わって
いました。今回の研究からミト
コンドリアが取り除かれないと
赤血球が脆弱となり、貧血にな
る新知見を得られたとしていま
す。 赤血球が成熟化する基本
原理の理解につながり、貧血等
の血液疾患について、高精度な
病態解析、治療法の開発につな
がる成果といえます。

赤血球は通常の細胞と異なり、
細胞核とミトコンドリアが存在
しません。分化する過程で取り
除かれることが知られており、
細胞核についてはどうして起こ
るのかが、研究報告されていま
した。

今回、共同研究グループが、
解明に挑戦したのは除去の仕組
みがわからなかったミトコンド
リアです。これまでオートファ
ジーはAtg5と呼ばれる蛋白
質分子が必要とされてきました
が、ミトコンドリアの除去に関
わる仕組みでは同蛋白質が不要
な新タイプのオートファジーが
働いていることがわかりました。
新タイプのオートファジーは、
Ulk1蛋白質などの制御を受
けて行われる仕組みだそうです。

新しいオートファジーが起き
ないULK1欠損マウスを作製
し、調べると、赤血球中にミト
コンドリアが大量に残されてい
ることが分かりました。 また
Atg5欠損マウスも作り観察
しましたが、こちらはミトコン
ドリアが正常に取り除かれてい
ました。

オートファジーについて解説し

ている動画です。



 
 
 
 
 
芙蓉の花を浮揚させたが不用
となった。笑

 
 
 
 
 
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2】遺伝子性疾患マルファン 症候群のモデル動物

 
 
 
 
 
明治大学と、慶応義塾大学の
研究グループは遺伝子改変技術
の1つ、ジンクフィンガーヌク
レアーゼと、体細胞核移植法を
組み合わせ、フィブリリン1(
FBN1)遺伝子を破壊させた
実験用ノックアウト(KO)ブタ
の作出に成功しました。同遺伝
子に変異があると、心臓や血管
組織などに病変の現れるマルフ
ァン症候群と呼ばれる遺伝子性
疾患になると報告されています。
同疾患の大型動物モデルが確立
できたことで今後、病因の解明
に向けた研究や、新規治療法の
開発への利用が見込まれます。

マルファン症候群は、5000~
1万人に1人の確率で発症する
身体の結合組織に影響を与える
疾患で、日本に2万人の患者さ
んがいると推定されています。
多岐にわたる臓器で病変が現れ
ます。疾患を引き起こす原因と
して、結合組織の構成要素のF
BN1蛋白質を産生する遺伝子
の変異が報告されています。

研究グループは、生理学的、
血液学的にヒトに近いとされる
実験動物であるブタに着目しま
した。作出手法では、まずFB
N1遺伝子を切断し、人工酵素
ジンクフィンガーヌクレアーゼ
を蛋白質へと翻訳するmRNA
を合成し、これを体細胞である
ブタ 皮膚由来の線維芽細胞へ
導入しました。線維芽細胞に入
ったmRNAは、同酵素を産生
しFBN1遺伝子を切断します。
KOさせた細胞株からクローン
株を樹立しました。さらにその
中から固体作出に適したドナー
細胞株をみつけ出し、体細胞核
移植法によって胚を作製、仮腹
のブタへ胚を移植させました。

その結果8頭のFBN1遺伝
子KOクローンブタが誕生しま
した。これまでにも、FBN1
遺伝子をノックアウトしたマウ
スは作出されていますが心臓・
血管組織、骨格に病変の現れる
場合に対処する、新たな外科的
療法の開発には不十分でした。

作出したKOブタは、クロー
ンのため同一の遺伝子変異を持
っていますが、その病態につい
ては均一ではありません。これ
は、同変異の同じ家族性のマル
ファン症候群の病態の個人間で
も起こり得ることで、KOブタ
によりヒトのマルファン症候群
の病態に類似した表現型を引き
起こすことがわかりました。
研究グループでは、各個体に、
エピジェネティック (遺伝子
修飾による化学的変化)な因子
が関与し、FBN1蛋白質の発
現量に違いが出たと考えられる
としています。

今後、解析対象とするブタの
頭数を増やし、どのような病態
を現す固体が誕生するのかを調
べ、病態の発現部位、重症度を
制御する因子の解析など進める
ということです。

マルファン症候群について解説して

いる動画です。



 
 
 
 
 
就職試験で試験官の個人見解
を修飾した。笑

 
 
 
 
 
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編集後記

赤血球からミトコンドリアが
除去されるメカニズムが解明さ
れたのは、素晴らしいことです。
ミトコンドリアが、除かれない
貧血の遺伝子治療にもつながる
成果だと私は、考えております。
マルファン症候群は本当に難し
い病気だと思います。昔ダイエ
ーのバレーボールの選手で、こ
の病気の方がおられて、大動脈
解離を起こし急死された例があ
った事を思い出しました。また、
阪神大震災の直前に私と同級生
が見つけたこの病気の少年が、
手術を受けたけれど助からなか
ったという話を、ボランティア
で同行した外科の先生から聞い
た記憶があります。先生の話で
は、動脈の割けた所を縫合して
も、縫合してもまた割けてくる
という難しい状態だったそうで
す。

200 海里の排他的経済水域の
解釈が、国によって乖離してい
た。笑

 
 
 
 
 
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