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診療マル秘裏話 Vol.543 平成26年5月1日作成
作者 医療法人社団 永徳会 藤田 亨

 
 
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

 
 
 
 
 
 
目次

1) ガンの迅速病理診断支援システム の臨床研究
2)骨格筋に直接作用するインスリン抵抗性改善薬

 
 
 
 
 
 
 
 
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医療界のトピックスを紹介するこのメールマガジンは
1週間に1回の割合で発行しています。もっと回数を増や
して欲しいという要望もあるのですが、私の能力のなさ
から1週間に1回が限度となっています。これからも当た
り前の医療をしながら、なおかつ貪欲に、新しい知識を
吸収し読者の皆様に提供してゆきたいと思っております。
不撓不屈の精神で取り組む所存ですのでどうかお許し下
さい。

 
 
 
 
 
1】ガンの迅速病理診断支援システム の臨床研究

 
 
 
 
 
島津製作所は、日本赤十字
医療センター、横浜市立大学
と、ガンの迅速病理診断支援
システムの臨床研究を開始し
ます。両施設に月末、プロト
タイプ機を設置し、データの
蓄積などを図ったうえで改良
を図り、3年後の製品化を目
指しています。

同システムは、患者さんか
ら採取した組織片から取り出
したごく微量の試料に高電圧
をかけてイオン化します。そ
こに含まれる成分の質量分析
を行います。既知のマススペ
クトルデータからガン特有の
潜在的パターンを学習した、
統計的学習機械が、得られた
未知データに対して、ガンの
存在する確率を自動判定しま
す。従来の術中迅速病理診断
では診断まで30分程度かか
るところ、このシステムでは
分析開始から約2分で結果を
得ることができます。複雑な
前処理が不要で操作も簡単な
ため、専門の医師やオペレー
ターでなくても分析が可能で
す。 島津製作所の持つ質量
分析技術、山梨大学が開発し
た新しいイオン化技術、早稲
田大学が開発した統計的学習
機械を組み合わせてシステム
化しました。

日本赤十字社医療センター
とは肝臓ガン、横浜市立大学
とは、腎臓ガンについて共同
研究します。これによりシス
テムの安定性や判定速度を更
に高めます。ガンの有無の他、
ガンの進行度や、組織型に応
じたものへと細分化させ化学
療法の方針決定への応用も、
検討します。

ガンの病理診断に関する動画

です。



 
 
 
 
手術中に、術中診断のシス
テムの術中にハマる。笑

 
 
 
 
 
 
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2】骨格筋に直接作用するインスリン抵抗性改善薬

 
 
 
 
東レと東京大学医学系研究
科は、新規の糖尿病治療薬の
開発に取り組みます。 血中
ブドウ糖の70%を取り込む
骨格筋に直接作用するインス
リン抵抗性改善薬で、上市で
きれば世界初の快挙です。
インスリンの血糖降下作用の
低下が、血管内皮細胞の機能
低下に、結び付いている作用
機序に着目し、血管内皮細胞
保護作用を有する東レの慢性
動脈閉塞症(PAD )治療薬「
ベラプロスト」(製品名・ド
ルナー)の適用拡大を目指し
ます。既存のインスリン抵抗
性改善薬に比べて副作用が少
なくなると期待されています。
医師主導の臨床研究を実施中
です。
既存薬と比較して、有効性が
確認できれば、3年後にも東
レが、薬事承認を目的とした
臨床試験(治験)を開始する
計画です。

インスリンは骨格筋、肝臓、
脂肪組織などに作用し、ブド
ウ糖の細胞内への取り込みを
促進させます。骨格筋は血中
のブドウ糖の70%を取り込
む最大消費臓器といわれてい
ます。

東レと東大が開発している
のは、骨格筋でのインスリン
抵抗性を改善する薬剤です。
両者は基礎研究で骨格筋イン
スリン抵抗性のメカニズムを
世界で初めて解明しました。
肥満状態でインスリン抵抗性
を持つマウスでは、血管内皮
細胞のインスリン受容体基質
「IRS」の作用が低下、内
皮型一酸化窒素合成酵素(e
NOS)の活性化が不十分に
なり、毛細血管の拡張機能が
働きにくく、骨格筋へインス
リンが移行しづらくなってい
ることを突き止めました。

この基礎研究の成果から、
血管内皮細胞の保護作用を持
つベラプロストが新規インス
リン抵抗改善薬になる可能性
があると考え医師主導の臨床
研究によって効果を確かめて
います。

2009年に開始した1回
目の医師主導臨床研究では、
ベラプロストの保険適用が認
められているPADを合併症
に持つ2型糖尿病患者さんに
同剤を投与したところ、イン
スリン抵抗性の改善傾向が示
されたということです。

12年からはベラプロスト
のインスリン抵抗性作用をよ
り精度高く評価するため2回
目の医師主導臨床研究を開始
しました。肥満を合併した2
型糖尿病患者を対象とした、
ランダム化二重盲検クロスオ
ーバー試験で、既に患者登録
を終了しています。

現在、実施中の第2次臨床
研究で、既存薬を上回る有効
性が示されれば、東レが薬事
承認を目的とした治験を開始
します。

インスリン抵抗性改善薬に
は肝臓に作用するビグアナイ
ド薬と、脂肪組織に作用する
チアゾリジン薬があります。
ビグアナイド薬は、乳酸アシ
ドーシス、チアゾリジン薬は
体重増加、膀胱ガンなどの副
作用リスクがあるほか、同2
剤では、インスリン抵抗性を
十分にコントロールできない
患者さんもいらっしゃるため、
新たな薬剤の開発が求められ
ています。

ベラプロストはPADや肺
動脈性肺高血圧の適用で20
年以上の臨床実績があるため、
重篤な副作用がない薬になる
ことが見込まれています。既
存の2薬剤とは作用機序が異
なるため併用効果も期待でき
ます。

インスリン抵抗性改善薬の治療

効果についての動画です。



 
 
 
 
ドルナーが、インシュリン
抵抗性に絡んどるなー。笑

 
 
 
 
 
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編集後記

ガンの迅速病理診断支援シ
ステムが2分で結果を出すな
んて信じられない思いです。
ガンの手術は手術中に得られ
た検体の病理診断で、手術の
内容が変わる可能性が、あり
ます。手術内容の変更を迅速
にできることが現実化すれば、
外科系の先生にとっては本当
に福音となる事だと思います。
廻り廻って患者さんにもその
恩恵が得られる事を期待した
いと思います。インシュリン
の抵抗性を改善する薬を既存
の別の作用を持つ薬から、選
び出したのは本当にエレガン
トな手法だと思います。なお
かつその薬が副作用が少なか
ったことも幸運と言えるでし
ょう。糖尿病の治療は待った
なしです。早く適応追加がな
され、臨床に使えるようにし
て欲しいと思います。

臨床医が輪唱した。笑

 
 
 
 
 
 
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