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診療マル秘裏話 号外Vol.255 平成27年6月8日作成
作者 医療法人社団 永徳会 藤田 亨

 
 
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目次

1)ヒトのウイルス糖尿病リスク遺伝子を同定した
2)繊維状アミロイドβ蛋白質の新立体構造を発見

 
 
 
 
 
 
 
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医療界のトピックスを紹介するこのメールマガジンは
1週間に1回の割合で発行しています。もっと回数を増や
して欲しいという要望もあるのですが、私の能力のなさ
から1週間に1回が限度となっています。これからも当た
り前の医療をしながら、なおかつ貪欲に新しい知識を
吸収し読者の皆様に提供してゆきたいと思っております。
不撓不屈の精神で取り組む所存ですのでどうかお許し下
さい。

 
 
 
 
1】 ヒトのウイルス糖尿病リスク遺伝子を同定した

 
 
 
 
 
九州大学は,5月18日、同大大
学院医学研究院の永淵正法教授
が、九州大学病院、松山赤十字
病院、福岡赤十字病院、南内科、
岡田内科、福岡大学医学部附属
病院、佐賀大学医学部附属病院、
大分大学医学部附属病院との共
同研究で、ヒトのウイルス糖尿
病リスク遺伝子を同定したと
発表しました。
糖尿病は、個人の習慣に起因
するものと思われがちですが、
ウイルス感染の関与も注目され
ています。とくに、インスリン
をつくる膵臓β細胞が破壊され
て発症する1型糖尿病の20%、
急性の劇症タイプでは70%に、
ウイルス感染が深く関与してい
ると推測されます。オタフクカ
ゼウイルス、風疹ウイルス、水
痘帯状ウイルス、エンテロ
(腸管)ウイルスが候補として
挙げられており、近年では、エ
ンテロウイルスが糖尿病誘発性
のある主要な原因ウイルスであ
ると考えられています。
研究グループは2015年3 月に、
マウスでは、特定の系統で脳心
筋炎ウイルス(EMCV)による
膵臓 β 細胞破壊によって糖尿
病が誘発される場合、糖尿病に
かかるかどうかを制御している
のが、インターフェロン(IFN)
シグナル分子であるTyrosine
kinase2(Tyk2)遺伝子である
ことを見出していました。そこ
で、その知見がヒトにも応用で
きるのか、ヒトTYK2遺伝子多型
と糖尿病リスクについての検討
を行ったのが今回の研究です。
研究では、ヒトのTYK2遺伝子
多型を健常人331名、1型糖尿病
患者302名、2 型糖尿病患者314
名を検討しました。その結果、
多型が見られた割合は、健常人
4.2%に対し、1型糖尿病患者 9.
6%、2 型糖尿病患者8.6%であ
り、さらに1型糖尿病患者さん
の内、風邪(インフルエンザ様)
症状の後発症した1型糖尿病患
者さんでは、13.7%でした。つ
まり、糖尿病患者さんでは、1
型2型に関わらず全ての群で、
統計的にこの多型の保有率が高
い結果が得られたそうです。
一方、ランゲルハンス島自己
抗体を有する1型糖尿病患者さ
んでは7.4 %と、自己抗体のな
い患者群12.8%と比較して、む
しろ低い保有率だったことが、
判明しました。また、この多型
と関係する2型糖尿病のリスク
は、肥満とは関連していない事
も明らかとなりました。この事
は、この遺伝子多型が自己免疫
1型糖尿病と関連する可能性は
乏しく、ウイルス誘発糖尿病の
リスクであること、さらにその
リスクは、1型糖尿病のみなら
ず、非肥満の2型糖尿病におい
ても、重要であることを示唆し
ているそうです。
今後は、糖尿病誘発性ウイル
スワクチン開発による1型糖尿
病の予防や2型糖尿病のリスク
低下に向けた研究の進展に期待
が寄せられます。なお、同研究
成果は、「Science Direct」オ
ンライン速報に5月9日付で掲載
されており、今後は、
「EBioMedicine」に確定版で
掲載されます。

2型糖尿病のモデルマウスの動画

です。



 
 
 
 
親展の手紙に、研究の進展の
期待が寄せられた。笑

 
 
 
 
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2】 繊維状アミロイドβ蛋白質の新立体構造を発見

 
 
 
 
 
京都大学は,5月18日、アルツ
ハイマー病の患者脳において、
老人斑の中でも特に疾患初期に
蓄積すると考えられるタイプに、
固有と考えられる繊維状アミロ
イドβタンパク質の新たな立体
構造を発見したと発表しました。
この成果は、同大学医学研究
科の星美奈子特定准教授(先端
医療振興財団客員上席研究員)
とUniversity of Illinois at
ChicagoのYoshitaka Ishii教授、
National Cancer Institute at
FrederickのRuth Nussinov
主任研究員の共同研究によるも
のです。英科学誌「Nature
Structural & Molecular Bio
logy」電子版に、5月5日付で
掲載されています。
アルツハイマー病は、40から
43残基の長さを持つ Aβペプチ
ドが集合し、毒性を持つことで
発症すると考えられています。
Aβは、ペプチド自身が複数の
種類があること、環境に応じて
さまざまな集合体を作り、その
機能が異なることから、構造
解析が最も必要とされている
一方で、最もハードルが高い
領域の1つと考えられていまし
た。
今回、研究グループは、サンプ
ル調製を工夫することで、Aβ
の中でも、42残基のものだけが
形成できる、トリプルβシート
という新たな立体構造を、固体
NMR によって明らかにすること
に成功しました。このトリプル
βシート構造は、Aβ1-42 だけ
が形成でき、Aβ1-40 では形成
できないだけではなく、この
構造をAβ1-42 に加えればこれ
を鋳型に同じ構造体を作るのに
対して、Aβ1-40 ではこの構造
を鋳型にはできないことが分か
ったそうです。
この研究成果はこれまで構造
生物学にとってハードルが高か
った42残基Aβ の繊維状凝集体
に対してNMR 構造解析に成功し
ただけではなく、アルツハイマ
ー病の初期過程において、プリ
オン病で認められるような構造
の伝播が、配列に依存して起き
ている可能性を示しており、未
だほとんど解明されていないア
ルツハイマー病発症の初期過程
に迫る手かがりを拓いた成果だ
と研究グループは述べています。
今後は、実際に、患者脳由来の
試料を使って構造解析を進める
予定だそうです。

アルツハイマー病の予防法に関

する動画です。



 
 
患者脳にノーを突きつけた。


 
 
 
 
 
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編集後記

ヒトのウイルス糖尿病リスク
遺伝子を同定したというのは、
偉大な研究成果であると思いま
す。糖尿病誘発性ウイルスワク
チン開発による、1型糖尿病の
予防や2型糖尿病のリスク低下
に向けた研究の進展に期待した
いと考えています。
アルツハイマー病の患者脳に
おいて、老人斑の中でも、特に
疾患初期に蓄積すると考えられ
るタイプに、固有と考えられる
繊維状アミロイドβ蛋白質の新
たな立体構造が発見されたのは、
素晴らしい業績といえましょう。
これを突破口に、未だほとんど
解明されていないアルツハイマ
ー病発症の、初期過程に迫る勢
いを後世の研究で見せて欲しい
と思いました。

初期過程は、暑気仮定では、
ありません。笑

 
 
 
 
 
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