最新号より100号前のメルマガ

2016-03-28 00:50:36

カテゴリー:ブログ

エベレスト

藤田のブログランキングアップにご協力お願いします。
以下のバナーをぽちっとクリックお願いします。



美白·美肌ブログランキングへ

 
診療マル秘裏話 Vol.542 平成26年4月24日作成
作者 医療法人社団 永徳会 藤田 亨

 
 
 
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

 
 
 
 
 
 
 
目次

1) 進行難治血液腫瘍に効く臨床活性と高い忍容性
2)不眠症は脳卒中リスクを顕著に増大の可能性有

 
 
 
 
 
 
 
 
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 
 
 
医療界のトピックスを紹介するこのメールマガジンは
1週間に1回の割合で発行しています。もっと回数を増や
して欲しいという要望もあるのですが、私の能力のなさ
から1週間に1回が限度となっています。これからも当た
り前の医療をしながら、なおかつ貪欲に、新しい知識を
吸収し読者の皆様に提供してゆきたいと思っております。
不撓不屈の精神で取り組む所存ですのでどうかお許し下
さい。

 
 
 
 
1】進行難治血液腫瘍に効く臨床活性と高い忍容性

 
 
 
 
 
米国ガン学会(AACR)は
4月6日、イソクエン酸脱水
素酵素(IDH)2 変異代謝
酵素を阻害する新規開発薬
「AG-221」が、IDH2変異を
有する、進行難治血液腫瘍
患者さんに有望な臨床活性
と高い忍容性(薬に副作用
が少なく飲みやすいこと)
を持つ事を示した、第1相
試験の初期結果を紹介しま
した。AACR年次集会(4月5
-9日開催)で発表されまし
た。

代謝酵素IDH1とIDH2遺伝子
の変異体は、ガン代謝物で
ある2-ヒドロキシグルタル
酸(2-HG)を蓄積し、正常
で健康な骨髄細胞の成熟を
妨げ、ガン化を招くと考え
られています。AG-221は、
IDH2変異型酵素を阻害し、
2-HG値を下げることで未熟
な骨髄腫瘍細胞を成熟させ
正常に分化させる事が期待
されています。

本研究の用量漸増試験では、
IDH2変異陽性の急性骨髄性
白血病(AML )患者さん21
人と骨髄異形成症候群患者
さん1人を、30 mg(1日2回)、
50 mg(1日2回)、75 mg
(1日2回)、100 mg(1日1
回)の4群に分け、AG-221
を経口投与しました。最初
の2群(前治療を1回から4
回受けていたAML 患者さん
10人でした。8人にR140Q、
2人にR172Kの2種類のIDH2
変異を確認)に臨床活性が
見られました。

客観的奏効は、評価可能
患者さん7人中6人に見られ、
現在も続いています。完全
寛解(CR)が3人、血小板
の回復が不完全なCRが2人
でした。 奏効患者さんの
血液を薬力学的評価すると、
薬物取り込みの確認ととも
に2-HG値の90%以上減少、
骨髄ガン細胞の成熟と血球
数正常化も見られ、これら
は、観察された臨床反応と
一致していました。本薬剤
の忍容性は一般的に高く(
薬に副作用が少なく飲みや
すいこと)重度の薬物関連
有害事象は、白血球数高値
と錯乱(各1人)でした。

研究者は「現在、特に60
歳を超えるAML 患者さんの
全生存率は、従来の治療で
は5%から10%に過ぎない。
今後の研究より、IDH2変異
AML 患者さんのAG-221によ
る治療が成功すれば、QOL
は著しく改善するだろう」
と述べています。

進行難治血液腫瘍の一つで

ある多発性骨髄腫に関して

大先輩の木崎教授が講演し

ている動画です。



 
 
 
 
自称の事象は、次章から
始まった。笑

 
 
 
 
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 
 
 
 
 
2】不眠症は脳卒中リスクを顕著に増大の可能性有

 
 
 
 
 
米国心臓学会(AHA )は、
4月3日、不眠症は脳卒中リ
スクを顕著に増大させる可
能性があるとの研究結果を
紹介しました。 同学会の
Stroke誌オンライン版で、
発表されたものです。

台湾で実施された研究で
は、無作為に選択した2万1
000 人超の不眠症患者さん
および6万4000 人超の非不
眠症患者さんの健康記録を
確認しました。その結果、
不眠症は、その後4年間の
脳卒中による入院の可能性
を54%増加させること、18
-34 歳の不眠症患者さんで
は、脳卒中の発症が8倍に
増大することなどが確認さ
れました。

研究では、過去に脳卒中
の診断も、睡眠時無呼吸の
診断も受けていない対象者
を、不眠症の種類によって
分類しました。大まかには、
不眠症は、入眠障害および
睡眠維持障害、1-6 カ月間
継続した慢性または持続性
不眠症、不眠症再燃(4年
の研究期間中のいずれかの
評価時点で6カ月を超えて
症状がない状態と診断され
た後に再燃したもの)寛解
(不眠症の診断が後に非不
眠症に変化したもの)に、
分類されました。4年間の
追跡期間中、不眠症患者さ
ん583 人、非不眠症患者さ
ん962 人が脳卒中のために
入院しました。持続性不眠
症患者さんでは、寛解群の
対象者と比較して3年間の
脳卒中累積発症率が高値で
した。

不眠症を脳卒中と関連付
ける機序はまだ十分に把握
されていませんが、全身性
の炎症、耐糖能障害、血圧
上昇、または交感神経活動
亢進を通じて、不眠症が心
血管の健康状態を変化させ
る可能性があるとのエビデ
ンスが示されています。行
動的要因や心理的要因の中
にも、
両者間に認められた関連性
に影響を与えるものが存在
する可能性があります。

研究の著者は、「不眠症
を大きな健康上のリスクを
生じることのない、良性の
病態として片付けず、脳卒
中に寄与する恐れのある他
の要因がないかどうか医学
的に評価すべき」と述べて
います。

脳卒中の症状についての動画

です。



 
 
 
 
 
大阪府民対象の不眠外来。


 
 
 
 
 
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 
 
 
 
 
編集後記

血液疾患(白血病、悪性
リンパ腫など)は私の専門
分野ですが、忍容性に優れ
るこの手の薬の臨床応用が
すすみ、沢山の血液疾患の
患者さんが救われることを
期待したいと思います。不
眠症が脳卒中リスクを上昇
するということは、全く知
りませんでした。不眠症を
単なる眠れない病気と位置
づけず脳卒中になる可能性
のある病態と考えて、脳卒
中に寄与する恐れのある他
の要因がないかどうか医学
的に評価するべきだと考え
ました。

キヨさんが寄与した清い
証。笑

 
 
 
 
 
************************

このメールマガジンは以下の配信システムを利用して
発行しています。
解除の手続きは下記ページよりお願い致します。
「まぐまぐ」www.mag2.com/m/0000121810.html
(イジニイワト)

発行者名  医療法人永徳会 皿沼クリニック院長
藤田 亨
職業    医師の箸くれ(はしくれ)
運営サイト www.eitokukaisalanuma.or.jp/ ご意見・ご感想・励ましのお便りお待ちしております。
sara2162@atlas.plala.or.jp このマガジンの掲載記事を無断で転載・使用すること
を禁じます。
ただしお友達への転送はご自由はご自由です。
このエントリーをはてなブックマークに追加 
 

コメント