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診療マル秘裏話 Vol.536 平成26年3月13日作成
作者 医療法人社団 永徳会 藤田 亨

 
 
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目次

1) 子宮内の殺精子因子から精漿蛋白質が精子を保護
2)多様な神経細胞を生み出す神経幹細胞の時間形質

 
 
 
 
 
 
 
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医療界のトピックスを紹介するこのメールマガジンは
1週間に1回の割合で発行しています。もっと回数を増や
して欲しいという要望もあるのですが、私の能力のなさ
から1週間に1回が限度となっています。これからも当た
り前の医療をしながら、なおかつ貪欲に、新しい知識を
吸収し読者の皆様に提供してゆきたいと思っております。
不撓不屈の精神で取り組む所存ですのでどうかお許し下
さい。

 
 
 
 
1】子宮内の殺精子因子から精漿蛋白質が精子を保護

 
 
 
 
国立成育医療研究センターは3月4日、
子宮内には精子を殺す因子があり、
精液内の精漿蛋白質
「Seminal vesicle secretion 2
(SVS2)」がこの因子から精子を保護
している事を発見したと報告しました。
子宮内での攻防を勝ち抜いた精子のみ
が授精可能となる仕組みがあると考え
られ「精漿には授精能を抑制する因子
がある」という従来の知見が覆りまし
た。これはマウスを用いた実験で生殖・
細胞医療研究部の河野菜摘子氏ら研究
グループによる成果です。

研究グループは、精漿に多量に含ま
れている精嚢分泌タンパク質「SVS2」
に着目し、この分泌能を欠損させたマ
ウスを作製しました。 体外受精では、
野生型マウスと同等の受精率を示した
ものの、自然交配では低下しほとんど
産仔が得られませんでした。SVS2を加
えると受精率が戻ったことから、「SV
S2は体内受精に必須の因子」と考えら
れました。

次に、研究グループはSVS2の機能を
検討しました。SVS2がないと子宮内で
精子の細胞膜が破壊されていることが
分かりました。子宮内液を取り出して
精子に加えると死滅して凝集しました。
この結果から「子宮内には精子を殺す
液性因子があり、SVS2が精子を保護し
ている」と結論づけました。 「ヒト
ではsemenogelin-I、IIがマウスSVS2
に相当し、男性不妊の一因に関わって
いるのではないか」と述べています。

動物の受精について分かりやすく

解説している動画です。



 
 
 
 
 
至急、子宮内液の液性因子を取り除
き、精漿に含まれる精嚢分泌蛋白を与
えないと精子の生死に関わる。笑

 
 
 
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2】多様な神経細胞を生み出す神経幹細胞の時間形質

 
 
 
 
国立精神・神経医療研究センターは
3月6日、神経幹細胞が多様な神経細胞
を生み出す新たな「時間形質」という
仕組みを明らかにしたと報告しました。
小脳脳室帯の神経幹細胞は、時間経過
によって「プルキンエ細胞産生型」か
ら「インターニューロン産生型」に、
変化しており、変化の速度は2つの遺
伝子が制御していました。同センター
神経研究所病態生化学研究部の、星野
幹雄氏ら研究グループの成果です。

神経幹細胞は数千種類の神経細胞を
生み出します。従来は、神経幹細胞の
存在位置によってどの神経細胞を産生
するかが決まるという「空間形質」と
いう概念で説明されていました。しか
し、同じ場所にある神経幹細胞から異
なる神経細胞が産生されることもあり、
空間形質だけでは説明が付きませんで
した。

研究グループは、小脳脳室帯の神経
幹細胞に着目しました。転写因子「Ol
ig2」もしくは「Gsx1」を発現する2群
に分けられることを発見し、Olig2 発
現群はプルキンエ細胞を、Gsx1発現群
はインターニューロンを生み出してい
ることが分かりました。脳発達の初期
では大部分の神経幹細胞がプルキンエ
細胞産生型であり、細胞分裂を繰り返
し、次第にインターニューロン産生型
に変化します。このように神経幹細胞
が時間経過とともに性質を変化させる
現象を「時間形質」と名付けました。
更に、遺伝子改変マウスを用いて詳細
に調べたところ、時間形質による変化
がOlig2 により減速され、Gsx1により
加速されていることも発見しました。

研究グループは今回、神経細胞の数
のコントロール機構を明らかにした事
で、小脳運動失調や、一部の自閉症、
認知障害などの病態理解につながると
説明しました。将来は小脳変性疾患や
小脳梗塞等への細胞移植治療への応用
できる可能性もあると期待を述べてい
ます。

神経幹細胞を用いての神経再生医療

についての動画です。



 
 
 
 
気候の悪化のため寄港した船の機構
を調査し、聴こうとする意識を寄稿し
た。笑

 
 
 
 
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編集後記

子宮内での攻防を勝ち抜いた精子のみ
が授精可能となる仕組みを完全に解明
して、不妊症の治療に役立ててもらい
たいと思いました。ガリレオの地動説
と同じで思い込みでものを言うのは、
危険であるとしみじみ実感しました。
概念自体が、コペルニクス的転回をし
てしまったのが、神経幹細胞の分化に
関するコントロール機構でした。難治
性の小脳変性疾患や小脳梗塞等の細胞
移植治療に応用できる可能性を追求し
てもらいたいと思います。

定説を曲げても、貞節は曲げません。


 
 
 
 
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