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診療マル秘裏話 Vol.528 平成26年1月16日作成
作者 医療法人社団 永徳会 藤田 亨

 
 
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

 
 
 
 
 
目次
1) 統合失調症の発症や病態に関与する転写因子
2)変異があると精子無力症になる遺伝子の発見

 
 
 
 
 
 
 
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医療界のトピックスを紹介するこのメールマガジンは
1週間に1回の割合で発行しています。もっと回数を増や
して欲しいという要望もあるのですが、私の能力のなさ
から1週間に1回が限度となっています。これからも当た
り前の医療をしながら、なおかつ貪欲に、新しい知識を
吸収し読者の皆様に提供してゆきたいと思っております。
不撓不屈の精神で取り組む所存ですのでどうかお許し下
さい。

 
 
 
1】統合失調症の発症や病態に関与する転写因子

 
 
 
東京大学分子精神医学講座と理化
学研究所脳科学総合研究センターは
12月27日、統合失調症患者さんでは
脳の発達中、神経細胞ゲノム内に、
レトロトランスポゾンの「LINE-1」
が増えていると報告しました。LINE
-1はゲノムの約6分の1を占める反復
配列で、逆転写により転移すること
でゲノムの他領域を壊します。LINE
-1の転移が神経活動に関わる遺伝子
の働きに影響し、統合失調症の発症
や病態に関与していることが分かり
ました。東大の岩本和也氏、理化研
の加藤忠史氏らの成果です。

かねて発達過程にある、脳の神経
前駆細胞でLINE-1が活性化し、他の
ゲノム領域に転移する現象が知られ
ていました。研究グループは、統合
失調症の病態にLINE-1が関与してい
ると仮説を立てて実験を行いました。
健常者と比べ、患者さんの脳組織DN
A では有意にLINE-1が増えている事
を確かめました。

また、LINE-1の転移は環境因子と
遺伝因子の両方が原因となっている
ことも突き止めました。 胎性期の
ウイルス感染や周産期障害といった
環境因子を再現した動物モデルや、
22番染色体の欠失を持つ患者さんの
神経細胞でもLINE-1が増加している
ことを見出しました。LINE-1の転移
は、シナプス関連遺伝子や統合失調
症の発症に関連する遺伝子の近傍に
多く存在していました。

研究グループは、今回の知見が、
統合失調症の病態理解を深め、今後
の診断や、治療、発症予防の開発に
寄与できると期待しています。

統合失調症についての動画です。



 
 
 
 
地圏の治験で地検から有用な知見
が得られた。笑

 
 
 
 
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2】変異があると精子無力症になる遺伝子の発見

 
 
 
 
産業技術総合研究所を中心とする
研究グループは、男性不妊にあたる
精子無力症の原因となる、まったく
新しいタイプの糖転移酵素様遺伝子
を発見しました。「GALNTL5」
と呼ばれる遺伝子で、変異があると
精子無力症になるとの成果を得まし
た。簡便で、迅速に同遺伝子変異を
同定する技術を開発しており、適切
な不妊治療法を行う上で有力な手掛
かりを提供するものになりそうです。

産総研の糖鎖医工学研究センター
をはじめ、東京医科歯科大市川総合
病院、理研、千葉大が参画し成果が
得られました。

研究グループは産総研がその存在
を確認していましたが、機能不明だ
った、ヒトGALNTL5遺伝子に
着目しました。これと同じ役割と考
えられたマウスの「Galntl5」
遺伝子を対象に改変マウスを作成し
ました。改変マウスでは正常マウス
と比べ一対を成す対立遺伝子の一方
が欠損したヘテロにしています。そ
のため、Galntl5遺伝子がコ
ードし産生される蛋白質の生体内で
の働きを正常マウスと比較すること
ができました。

解析の結果、改変マウスの場合、
精子の中にある、運動するためにエ
ネルギーを生み出す解糖系酵素など
複数の蛋白質に異常がみられ、正常
な精子が著しく減少していることが
わかりました。

マウスの研究データを基に、男性
不妊症を発症している患者さん由来
の精子を試験管内で調べたところ、
GALNTL5の変異が原因とされ
る複数の蛋白質が減少していること
を突き止めました。

GALNTL5遺伝子は糖転移を
触媒するポリペプチドN-アセチル
ガラクトサミン糖転移酵素の遺伝子
によく似ていることから糖転移酵素
様遺伝子と分類されていました。

精子無力症に関する動画です。



 
 
 
 
 
 
男性不妊を解決するべく赴任した
教授です。笑

 
 
 
 
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編集後記

統合失調症の原因とされる、転写
因子が発見されたのは、画期的と言
ってよいでしょう。統合失調症では、
その多彩な病態から、原因の遺伝子
を突き止めるのは、難しいのではと
勝手に推測しておりましたが、転写
因子がその原因とするならば腑に落
ちます。

今回発見の遺伝子GALNTL5
の変異が適切な不妊治療法を行う上
で有力な手掛かりを提供するものと
なることを期待したいと思います。

転社することで、ようやく原因の
転写因子を発見した。笑

 
 
 
 
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