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診療マル秘裏話 Vol.527 平成26年1月9日作成
作者 医療法人社団 永徳会 藤田 亨

 
 
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目次
1) 脚の筋肉量を増加させる漢方薬
2)光線力学的診断法(PDD )の開発

 
 
 
 
 
 
 
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医療界のトピックスを紹介するこのメールマガジンは
1週間に1回の割合で発行しています。もっと回数を増や
して欲しいという要望もあるのですが、私の能力のなさ
から1週間に1回が限度となっています。これからも当た
り前の医療をしながら、なおかつ貪欲に、新しい知識を
吸収し読者の皆様に提供してゆきたいと思っております。
不撓不屈の精神で取り組む所存ですのでどうかお許し下
さい。

 
 
 
1】脚の筋肉量を増加させる漢方薬

 
 
 
 
小林製薬と愛知学院大学薬学部の
井上誠教授らの研究グループは、漢
方薬「加味四物湯(かみしもつとう)」
に脚の筋肉量を増加させる効果があ
ることを突き止めました。

筋萎縮モデル動物を用い、筋肉の
重量が増えることを確認しました。
これまで加味四物湯は医療用医薬品
の分野で四肢の運動マヒなどの治療
に用いられてきましたが、有効性に
関する報告例はなく作用メカニズム
もわかっていませんでした。高齢化
が進むなか、ロコモティブシンドロ
ーム(運動器症候群)を引き起こす
筋力低下を防ぐのに、役立つ成果と
推測されています。

加味四物湯は当帰(トウキ)や、
芍薬(シャクヤク)など13種類の
生薬を組み合わせた漢方処方です。
2013年4月には、国内で初めて
小林製薬が一般用医薬品(大衆薬)
としての承認を取得しています。

実験では、筋肉量の仕組みを調べ
やすくするため、筋肉を萎縮させる
デキサメタゾンを投与したラットを
使って実験しました。加味四物湯を
4週間投与して定期的に足の周囲の
長さや走行試験を実施しました。

試験終了後に、解剖し、脚の筋肉
(ヒラメ筋など)の重量も測定しま
した。 加味四物湯を与えていない
ラットと比較すると、脚の周囲径と
筋肉量が有意に増加し、走行能力も
向上することがわかりました。

作用メカニズムを、明らかにする
検証も重ねました。 加味四物湯の
投与による筋蛋白質の合成や、分解
に関与している物質の変化を解析し
たところ、蛋白質の合成を促す酵素
「Akt」が5倍ほど活性化する
一方、分解につながる「Atrog
in-1遺伝子」と、「MuRF1
遺伝子」の発現は約2割抑制された
ということです。

今後も加味四物湯に関する分析を
進め、更なる作用メカニズムの解明
や有効成分の同定に取り組む予定で
す。例えばAktがどのように活性
化されているのか、13種類のなか
でどの生薬に効能があるのかといっ
た具合に追及していくそうです。

社会の高齢化を背景に、筋力の衰
えなどで運動機能が低下するロコモ
ティブシンドロームが広がっていま
す。筋力を高めることは将来の要介
護や寝たきりの予防にもつながり、
小林製薬は対策商品を手厚くしてい
く考えだそうです。

筋肉のつく食事についての動画です。



 
 
 
 
 
 
大作の寝たきり予防対策で鯛割く。


 
 
 
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2】光線力学的診断法(PDD )の開発

 
 
 
 
国立ガン研究センター 東病院の
矢野友規・消化管内視鏡科医長らの
研究グループは、レーザー光源搭載
の内視鏡システムを用いた、新しい
光線力学的診断法(PDD)を開発
しました。光感受性物質とレーザー
光線を使って、腫瘍組織を特定する
診断技術です。 レーザー光を照射
できる内視鏡システムを用いること
で体を傷つけることなく早期に腫瘍
を見つけることができると期待され
ています。内視鏡システムは富士フ
イルムが提供しています。 すでに
患者さんの組織標本を使った探索的
な臨床研究を終えています。今後は
患者さんの体内で、有効性を調べる
研究を開始して、早期の臨床応用を
目指すということです。

PDDは、ガン細胞に、集まる光
感受性物質を患者さんに投与した後、
病巣に光を照射し、ガン細胞のみを
蛍光発光させることで、腫瘍組織を
特定する診断法です。 腫瘍の早期
発見や、腫瘍組織と正常組織を見分
ける際に役立つそうです。

矢野医師らの研究グループは、レ
ーザー光源搭載の内視鏡システムを
用いたPDDを、早期の消化管ガン
などで臨床応用するための研究を進
めています。 内視鏡システムには
富士フイルムのレーザー光源を搭載
した次世代内視鏡システム「レザリ
オ」の改良版試作機、光感受性物質
にはコスモ石油が出資するSBIフ
ァーマのPDD用経口診断薬「5-
アミノレブリン酸」(5-ALA)
が使われています。

5-ALAは、ガン細胞に多く含
まれる発光物質の発光を促す、天然
アミノ酸で、これを投与した上で病
変部に特殊な光を照射すると、腫瘍
の部分が赤く光るそうです。

富士フイルムのレーザー光源搭載
の内視鏡システムは、様々な波長の
レーザー光源を組み込めるため、5
-ALAがちょうど反応する400
nmという波長の光を照射すること
が可能です。

矢野医師らはまず探索的臨床研究
を実施しました。中・下咽頭、食道、
胃、大腸の早期ガン患者さんに5-
ALAを服用してもらい、その患者
さんから採取した組織標本に、レー
ザー光線を当てることで、腫瘍部分
が光るかどうかを調べ、この程、有
用性を確認しました。

早ければ今年中にも、実際に患者
さんの体内に内視鏡を挿入してレー
ザー光を照射し、腫瘍部分を特定で
きるかどうかを、調べる臨床研究の
実施を予定しています。

消化器の中にある腫瘍は、表面か
らでは見つけにくい場合もあり、光
感受性物質で光らせることができれ
ば、深い部分にある腫瘍も見つけや
すくなると期待されています。お尻
や口から挿入する内視鏡を使うこと
で、患者さんの体を傷つけないとい
うメリットもあります。

光治療技術を研究している研究室

の動画です。



 
 
 
 
 
 
腫瘍の主要部分を修養により見分
け内視鏡に収容した。笑

 
 
 
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編集後記

筋力の衰えなどで運動機能が低下
する、ロコモティブシンドロームの
予防に加味四物湯が使われるように
なり、お年寄りの筋力が回復すれば
介護、看護の労力を減らすことが、
出来るかもしれません。ここでも、
大きなコールセンターを持つ、小林
製薬の大胆不敵な戦略を見て取る事
ができます。
レーザー光源搭載の内視鏡システ
ムを用いて、内視鏡で腫瘍の部位を
診断して治療につなげるというのは、
本当に、エレガントな手法だと思い
ます。

内視鏡担当医が「内視鏡無いし診断
できないし。」と言った。笑

 
 
 
 
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