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2015-09-21 10:40:41

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診療マル秘裏話 号外Vol.161 平成27年2月22日作成
作者 医療法人社団 永徳会 藤田 亨

 
 
 
 
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目次

1)抗生物質の過剰使用が治療困難な薬剤耐性菌拡大の一因
2)65歳以上の成人に対する肺炎球菌ワクチン接種の考え方

 
 
 
 
 
 
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医療界のトピックスを紹介するこのメールマガジンは
1週間に1回の割合で発行しています。もっと回数を増や
して欲しいという要望もあるのですが、私の能力のなさ
から1週間に1回が限度となっています。これからも当た
り前の医療をしながら、なおかつ貪欲に新しい知識を
吸収し読者の皆様に提供してゆきたいと思っております。
不撓不屈の精神で取り組む所存ですのでどうかお許し下
さい。

 
 
 
 
 
1】 抗生物質の過剰使用が治療困難な薬剤耐性菌拡大の一因

 
 
 
 
 
旅行者下痢症(travelers’
diarrhea)に対する抗生物質の
過剰使用が治療困難な薬剤耐性
菌であるスーパーバグ
(superbug)拡大の一因となり
うるとの報告が「Clinical
Infectious Diseases」オンラ
イン版に1月22日掲載されまし
た。研究を実施したフィンラン
ド、ヘルシンキ大学病院感染症
科准教授のAnu Kantele氏らは、
重症の場合のみ抗生物質を使用
すべきだとしています。

Kantele氏らが,国外旅行前後
のフィンランド人430人を調べ
たところ、熱帯・亜熱帯地域に
旅行した人のうち約5人に1人が、
気づかないままに抗生物質耐性
腸内細菌を保有して帰国してい
ました。 耐性菌の保有リスク
因子として国外での旅行者下痢
症の既往、それに対する旅行中
の抗生物質による治療を受けて
いることが明らかになりました。

特に、旅行中に下痢を生じて
抗生物質を使用した場合、3分
の1超が帰国時に抗生物質耐性
菌を保有していました。特に南
アジアへの旅行者では、80%が
耐性菌を保有していました。他
の高リスク地域は東南アジア、
北アフリカ、中東でした。

旅行者下痢症の大多数は軽度
で自然消失します。しかし抗生
物質耐性菌を保有していても、
顕著な症状が出現しない場合が
あり、知らぬ間に今も自国でス
ーパーバグを拡大させている可
能性があります。

Kantele氏は、「毎年3億人超
が高リスク地域に渡航します。
その約20%でスーパーバグが、
コロニーを形成するとすれば、
深刻な事態だ。 ただし幸いな
ことに、コロニー化は通常、一
過性である」と述べ、下痢にな
った旅行者は水分を多量に摂取
し、抗生物質ではない市販の
下痢止めを使用すべきだとアド
バイスしています。

耐性菌に関する講演動画です。



 
 
 
 
 
 
渡航の後の下痢の原因を解こ
う。笑

 
 
 
 
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2】65歳以上の成人に対する肺炎球菌ワクチン接種の考え方

 
 
 
 
 
日本呼吸器学会呼吸器ワクチ
ン検討ワーキンググループ委員
会と日本感染症学会ワクチン委
員会の合同委員会はこのほど、
「65歳以上の成人に対する肺炎
球菌ワクチン接種に関する考え
方」を表明しました。2014年は
65歳以上の高齢者を対象に23価
肺炎球菌莢膜ポリサッカライド
ワクチン(PPSV23)の定期接種
が始まり、任意接種の13価肺炎
球菌結合型ワクチン(PCV13)
が65歳以上に適応拡大された事
から、医療従事者には両ワクチ
ンの使い分けや連続接種に関す
る判断が要求されるようになり
ました。同委員会は米国の予防
接種の実施に関する諮問委員会
(ACIP)の推奨は、参考意見に
とどめており、各ワクチンの
接種状況に応じた接種パターン
を複数示しています。

同委員会の考え方によると、
2014年度はPPSV23未接種高齢者
のうち65歳から5歳おきに100歳
までが定期接種の対象となり、
再接種は5年後以降、続けてPCV
13を接種(連続接種)する場合
は1年後以降であれば、安全性
に問題はないということです。
PCV13接種後にPPSV23を連続
接種する場合は、6カ月―4年後
が適切との考えを示しています。
定期接種開始以前の、PPSV23既
接種者は、定期接種対象外とな
りますが、今後も任意でPPSV23
接種から5年後以降の再接種が
可能としています。

ACIPはPPSV23とPCV13の接種
について、接種歴がないか不明
の65歳以上には、PCV13の初回
接種後6‐12カ月での、PPSV23
連続接種を推奨しています。
しかし、同委員会は両ワクチン
の連続接種に対する安全性が、
国内で確認されていないこと等
から、今回は参考意見に位置付
けました。その一方で、同委員
会の考え方も3年以内に見直し
を検討するということです。
厚生労働省のQ&Aのサイトをご
紹介します。

urx2.nu/h7pp
肺炎球菌ワクチンに関する動画

です。



 
 
 
 
 
 
ワーキンググループ委員会も
そこまで行っていいんかい。笑

 
 
 
 
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編集後記

旅行者下痢症(travelers’
diarrhea)に対する抗生物質の
過剰使用が治療困難な薬剤耐性
菌の拡散に、一役買っていると
いうことは、知りませんでした。
ただ、薬剤耐性菌については、
免疫機能がしっかりしている人
では、ほとんど症状を出して来
ないことが、分かっています。
問題なのは、免疫不全を呈し
ている患者さんに感染する際で
す。副腎皮質ステロイドホルモ
ンや免疫抑制剤を内服している
膠原病の患者さんや、エイズウ
イルスに感染し、かつ発病して
いる患者さん、白血病など悪性
腫瘍の抗ガン剤治療の患者さん
などは、要注意と言えましょう。
肺炎球菌には 93 種類の血清
型があり、平成26年10月からの
定期接種で使用される「ニュー
モバックスNP (23価肺炎球菌
莢膜ポリサッカライドワクチン)」
は、そのうちの23種類の血清型
に効果があります。また、この
23種類の血清型は成人の重症の
肺炎球菌感染症の原因の約7割
を占めるという研究結果があり
ます。

23種類の血清型の肺炎球菌に
対して、有効なワクチンの会社
が、タッグを結成。笑

 
 
 
 
 
 
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