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診療マル秘裏話 Vol.313 平成21年12月3日作成
作者 医療法人社団 永徳会 藤田 亨

 
 
 
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

 
 
 
 
 
 
 
目次
1)  情報の太さをコントロールする蛋白質
2) 分化を誘導する蛋白質「アクチビン」

 
 
 
 
 
 
 
 
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 
 
 
医療界のトピックスを紹介するこのメールマガジンは
1週間に1回の割合で発行しています。もっと回数を増や
して欲しいという要望もあるのですが、私の能力のなさ
から1週間に1回が限度となっています。これからも当た
り前の医療をしながら、なおかつ貪欲に、新しい知識を
吸収し読者の皆様に提供してゆきたいと思っております。
不撓不屈の精神で取り組む所存ですのでどうかお許し下
さい。

 
 
 
 
1】 情報の太さをコントロールする蛋白質

 
 
 
 
 
京都大の西 英一郎准教授
(循環器内科学)と大学院生
の大野美紀子さんのグループ
が、マウスを使った実験で、
神経細胞から伸びる「情報の
通り道」の太さをコントロー
ルする蛋白質を見つけました。
これを欠損させると通り道が
細くなり、認知症の初期に似
た短期的記憶の低下が見られ
ました。認知症の治療法開発
の手がかりになることが期待
されています。11月23日
の米科学誌ネイチャー・ニュ
ーロサイエンス(電子版)に
掲載されます。

神経細胞からの情報の通り
道は「軸索」と呼ばれる長い
突起とその表面を覆う「髄鞘」
(ずいしょう)」という絶縁
体から成り、神経細胞同士を
結んでいます。太いほど情報
伝達が速いとされています。

グループは以前から、神経
細胞に、多く見られる蛋白質
「ナルディライジン」を研究
していました。この蛋白質を
欠損させたマウスの特徴を調
べ、軸索が細くなり、髄鞘も
薄くなることを、突き止めま
した。

更に、ナルディライジンの
ないマウスが餌の場所をどの
程度記憶しているかを実験し
ました。 その結果、長期的
記憶力は正常なマウスと変ら
ないのに、短期的記憶力は落
ちることが確認されました。

栄養と薬の関係についての

動画です。



 
 
 
 
 
短気は、短期で損気。笑

 
 
 
 
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2】 分化を誘導する蛋白質「アクチビン」

 
 
 
 
私たちの体は約60兆個の
細胞で構成されます。たった
1個の受精卵から、どのよう
にして心臓や神経、皮膚など
の組織、器官がつくられるの
か-。 東京大の浅島誠特任
教授は発生生物学の根本的な
謎に挑み、1988(昭和63)
年に、細胞の分化を誘導する
蛋白質「アクチビン」を発見
しました。未分化細胞から望
みの臓器を作り出せることを、
カエルやマウスを使った実験
で示し、再生医療の扉を開け
ました。

哺乳(ほにゅう)類や両生
類等の脊椎(せきつい)動物
では、初期の胚にできる
「形成体」(オーガナイザー)
という部分が中心となり組織
形成が促されます。1924
年にドイツの生物学者、シュ
ペーマンが発見しました。
形成体では細胞の分化を誘導
する物質が働いているとみら
れています。

浅島さんが研究者として歩
み出したころには、形成体の
発見から半世紀近くが経過し
ていましたが、分化誘導物質
は未発見でした。

東大大学院の博士課程を
修了した72年、ドイツの
ベルリン自由大に留学した
浅島さんは、指導教授と
協力して、分化誘導物質の
探索に取り組みました。
ニワトリの胚から誘導物質
が含まれるはずの溶液を
精製し、約半年分を集めて
一滴ずつ試験管に分けて、
反応を調べたのは、ちょう
どクリスマスイブ。朝方ま
で低温室にこもり、分析に
用いた器具まで調べました
が“プレゼント”は見つか
りませんでした。

「2人の男が明け方まで
シャーレなどを振っている
姿は、鬼気迫るものだった
でしょう」と苦笑していま
す。

その翌年、心残りのまま
帰国しました。横浜市立大
の助教授に就任しましたが、
配下の助手や院生はいませ
んでした。胚から見つけた
物質が入った溶液で未分化
細胞を培養し、顕微鏡で、
のぞく作業に一人で没頭し
ました。網の目状の構造を
した「脊索」が形成されて
いれば誘導物質の発見につ
ながります。

カエルやフナなどから取
り出した100種類以上の
物質を使い、カエルの未分
化細胞で培養実験を続けま
した。学会では、「そんな
ことをやっても無駄だ」等
と冷ややかな反応もありま
したが、浅島さんは「引き
金となる物質がなければ、
細胞分化は誘導されない。
発生学の分野ではこの問題
を解かねばならない」との
執念が勝りました。

帰国から14年後の88
年9月頃、ヒトの培養細胞
の上澄みから苦労して取り
出した物質を精製しました。
「今度こそ」と調べました
が、反応はありませんでし
た。 気落ちしましたが、
ドイツ時代と似た状況に
気付きました。「ここで、
あきらめたら二の舞いだ。
必ずどこかにあるはず」。
試しに牛の血清から採った
蛋白質を溶液に加えてから
カエルの未分化細胞を培養
しました。

その後、切片にして顕微
鏡でのぞくと、飛び込んで
きたのは探し求めていた網
の目状の構造でした。一滴
ずつ分けたとき、アクチビ
ンには試験管にへばりつい
てしまう性質があるという
ことです。血清の蛋白質で、
へばりついたアクチビンが
はがされて培養に使う容器
内で未分化の細胞と反応し
ました。

「やっとできたかと本当
にうれしかった。牛の血清
に注目したのは長年の勘で
す」。追試を重ね、翌89
年9月にオランダで開かれ
た国際学会で発表しました。

未分化細胞をアクチビン
入りの溶液に浸すと、アク
チビン濃度のわずかな違い
でさまざまな組織に導かれ
ます。これまでマウスの
ES(胚性幹)細胞から
筋肉や神経、軟骨など13
種類の組織を作製しました。
膵臓(すいぞう)へと誘導
した細胞を糖尿病のモデル
マウスに注射し、血糖値を
下げることにも、成功しま
した。

思い通りの組織に細胞を
分化させる技術は再生医療
の根幹となります。現在は
ヒトのiPS(人工多能性
幹)細胞を使った再生医療
への応用に目を向けていま
す。今年3月には国際宇宙
ステーションに、滞在中の
若田光一さんと協力し、
宇宙実験も実施しました。

再生医療の多様なアプローチ

についての動画です。



 
 
 
 
 
血清から結成した。笑

 
 
 
 
 
 
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編集後記

短期記憶が失われた認知
症の人の治療に、この発見
が役にたつ可能性は高いと
思いますが、まだまだ時間
がかかるものと思われます。
認知症の治療はまったなし
です。βアミロイドを消失
させる薬(現在臨床試験中
とのこと)とともに早く
実用化してほしいと思いま
す。アクチビンの濃度を変
えることで13種類もの組織
ができたのは、素晴らしい
と思います。iPS 細胞の
ガン化の問題が解決されれ
ば一気に再生医療が進むと
考えられます。

分化から文化が生まれる。


 
 
 
 
 
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