2015-05-17 09:57:41

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診療マル秘裏話　Vol.497 平成25年6月13日作成
作者　医療法人社団　永徳会　藤田　亨

 
 
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目次
1) 脳血管内治療に使う新デバイスの開発
2）美容と医療を融合した、毛髪再生医療

 
 
 
 
 
 
 
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医療界のトピックスを紹介するこのメールマガジンは
1週間に1回の割合で発行しています。もっと回数を増や
して欲しいという要望もあるのですが、私の能力のなさ
から1週間に1回が限度となっています。これからも当た
り前の医療をしながら、なおかつ貪欲に新しい知識を
吸収し読者の皆様に提供してゆきたいと思っております。
不撓不屈の精神で取り組む所存ですのでどうかお許し下
さい。

 
 
 
1】脳血管内治療に使う新デバイスの開発

 
 
 
テルモは、脳血管内治療
に使うデバイスの開発を
加速します。２０１６年度
を最終年度とする、新中期
経営計画の期間中に、血流
改変用脳血管ステント「フ
レッド」とステント型血栓
回収デバイス「エリック」
の臨床試験（治験）を日本
と米国でそれぞれ開始しま
した。
2017年度以降の発売を目
指しています。同社は脳血
管内治療の主力製品である
脳動脈瘤用塞栓コイルの
世界市場で大きなシェアを
持っています。ただコイル
市場はその代替となる血流
改変用ステントの登場によ
って成長が鈍化すると予測
されているため、コイルに
代わって高成長が期待でき
るステント型製品の開発を
急いでいます。

両製品とも米子会社マイ
クロベンション（カリフォ
ルニア州）が開発を進めて
います。　血流改変用ステ
ントのフレッドは、脳動脈
瘤の治療に使うステントで、
親動脈に留置し、瘤内に
流入する血流を少なくして、
瘤の血栓化を促します。
将来的には塞栓コイルを使
わないステント単独の治療
が可能になると期待されて
います。すでに欧州の販売
認証である、ＣＥマークを
取得しており、今年度から
欧州と、アジア地域の医療
機関に本格販売を開始しま
す。

ステント型血栓回収デバ
イスのエリックは、急性虚
血性の脳卒中の治療に使い
ます。球状の自己拡張型ス
テントで血栓で血管が閉塞
した部位に留置した後、ス
テントを開いたまま引き抜
いて血栓を回収します。試
作品を完成させており、
欧州では中期経営計画中に
もＣＥマークを取得して
発売できる見込みという事
です。

両製品とも日本と米国で
は中期経営計画中に治験を
開始する計画だそうです。
2017年度以降に日米市場で
薬事承認取得を見込んでい
ます。
テルモの脳血管内治療
事業は、脳動脈瘤の治療に
使う塞栓コイルが主力製品
です。世界のコイル市場で
は米ストライカー、米ジョ
ンソン・エンド・ジョンソ
ン（Ｊ＆Ｊ）に並んで３強
の一角を占めています。
従来、コイル市場は外科的
なクリッピング手術からの
移行で拡大してきました。
ただ、今後は血流改変用ス
テントの登場などによって
大きな成長は期待できない
ことから、各社とも、血流
改変用ステントや血栓回収
デバイスなど新規デバイス
の開発に力を注いでいるの
が現状です。

血管内治療の実例をレント

ゲンで確認した動画です。



 
 
 
 
 
 
塞栓コイルは、即戦力。
笑

 
 
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2】美容と医療を融合した、毛髪再生医療

 
 
資生堂は２９日、カナダ
のバイオベンチャー企業の
レプリセルと技術提携する
ことで基本合意したと発表
しました。　レプリセルの
毛髪再生医療技術（ＲＣＨ
－０１）を導入し、日本・
アジア全域で展開する予定
です。
契約金は、４億円という
ことです。資生堂の技術を
融合するとともに専門医と
連携します。５年後をめど
に、美容と医療を融合した
毛髪再生医療の事業化を目
指しています。

脱毛症や薄毛関連の市場
は、植毛やかつら、育毛サ
ポート、育毛料など日本国
内で、２０００億円程度の
規模と推定されています。
近年では医療機関におい
て男性ホルモンから派生し
たホルモンの抑制効果があ
る経口治療薬が実用化され
ています。また毛髪細胞に
対する成長因子の頭皮への
注入など新しい技術開発も
試みられています。ただ、
女性は経口治療薬が適用で
きない問題があります。
男性ホルモンから派生した
ホルモンは、胎生期の男性
の胎児にとって性器の形成
など重要な役割を果たして
います。そのため、妊娠中
の女性は、男性ホルモン
から派生したホルモンの
抑制効果のある薬を触れる
ことも許されないという事
です。

レプリセルの「自家細胞
移植技術」は、脱毛症や
薄毛に悩む患者の頭皮から
採取した特定の細胞を培養
した後、脱毛部位に移植
（注入）、脱毛部分の損傷
した毛包を再活性化させ、
脱毛部位の健康な毛髪の
成長を促します。１０年
以上の基礎研究や臨床研究
を経て安全性が担保されて
います。上記の薬と比較す
ると男女問わず応用が期待
できるということです。

植毛のように広範な頭皮
の切除は不要なため、外科
施術における身体的負担が
小さいことも、メリットの
一つです。患者自身の細胞
を移植するため、移植後の
拒絶反応などリアクション
のリスクが非常に小さいと
いえます。さらに、育毛料
と比べて１回の施術で効果
の持続が、期待できるそう
です。

国内の再生医療の市場
規模は９０億円程度ですが、
経済産業省の研究会は２０
５０年に２・５兆円規模に
なると予測しています。
再生医療は、政府の成長
戦略の１つに挙がっていま
す。こうした背景もあり、
同社は、再生医療分野への
本格参入を決断しました。

毛髪再生医療の資生堂の

取組みに関する動画です。



 
 
 
 
 
 
 
資生堂は、施政道でしょ
うか？笑

 
 
 
 
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編集後記

数年前に、このメルマガ
で、動脈瘤の塞栓コイル
療法についてお伝えしたと
記憶しております。しかし、
もうその上をいく治療法や
治療器具が実用化されてお
り、血流改変用ステントの
開発が急務となっています。
本当に日進月歩とは、この
ことだと思います。ただ、
この素材の安全性について
は、充分に議論して頂きた
いと思います。ついにあの
資生堂が、育毛ビジネス
（毛髪再生ビジネス）に乗
り出したかと色めきたちま
した。レプリセルの「自家
細胞移植技術」は、安全性
が担保されており男女とも
の脱毛症に有効ということ
ですから、本当に凄くシェ
アーを延ばすのではないか
と期待しております。

脱毛部位に、異色の移植
方法を考えました。笑

 
 
 
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