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2015-04-01 01:38:00

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診療マル秘裏話 号外Vol.83 平成26年11月29日作成
作者 医療法人社団 永徳会 藤田 亨

 
 
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目次

1)食物アレルギー性の腸炎の制御メカニズム
2)骨粗鬆症が原因で骨折する50歳以上の男性

 
 
 
 
 
 
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医療界のトピックスを紹介するこのメールマガジンは
1週間に1回の割合で発行しています。もっと回数を増や
して欲しいという要望もあるのですが、私の能力のなさ
から1週間に1回が限度となっています。これからも当た
り前の医療をしながら、なおかつ貪欲に新しい知識を
吸収し読者の皆様に提供してゆきたいと思っております。
不撓不屈の精神で取り組む所存ですのでどうかお許し下
さい。

1】食物アレルギー性の腸炎の制御メカニズム

 
 
 
 
食物アレルギー性の腸炎の制御
メカニズムを東京大学大学院農学
生命科学研究科附属  食の安全
研究センターの八村敏志准教授、
足立はるよ特任研究員などの研究
グループが解明しました。モデル
マウスを用いてアレルゲンとなる
物質を摂食させ炎症を誘導し調べ
ました。その結果、腸管膜リンパ
節という免疫組織が必須の役割を
果たしていることが分かりました。
急激に発症して重篤な状況に陥る
場合もある、全身性のアナフィラ
キシー反応では、腸管を経由する
感作経路以外の感作経路が重要な
働きをする事が示されました。

研究に参画したのは東大の食の
安全研究センターと医科学研究所
の清野宏教授のグループです。
食物アレルギー患者は乳幼児中心
に各年齢層で増加傾向にあります
が、有効な治療法は限られていま
す。アレルギーを引き起こす原因
物質である、アレルゲンの除去食
療法では、子供の栄養不足が懸念
されています。食物アレルゲンの
侵入を受けた免疫組織の炎症と
免疫寛容の応答は生体レベルで
解析しにくく、複雑なメカニズム
のために全体像は解明されていま
せん。

八村准教授や足立特任研究員ら
は、先に卵白中のたん白質の主成
分であるオボアルブミン(OVA)
を食べるだけで食物アレルギー性
の腸炎を起こすトランスジェニッ
クマウスの開発に成功しています。
今回このマウスをモデルに用いて
解析を進めてきました。同マウス
はOVAを食べるとアレルギー性
の腸炎を起こしますが、食べさせ
続けると炎症状態が治まってくる
特徴を持っています。

同マウスは、腸炎の原因となる
細胞がOVA特異的CD4陽性T
細胞であり、それを産生するサイ
トカインであるインターロイキン
(IL)-4を必要とすることが
分かりました。また、研究グルー
プは腸管の局所の免疫器官である
腸管膜リンパ節とパイエル板に
着目するとともに、全身性の免疫
組織(脾臓と血中IgE抗体価)
を調べOVA摂食後の免疫応答、
炎症状態から免疫寛容にいたる
経過を追跡しました。

脾臓切除など各種臓器を欠損さ
せた5種類のマウスを作成し、
腸管の組織学的変化、OVA特異
的CD4T細胞の応答性などを
指標にして、どこの臓器がどのよ
うに炎症にかかわり、免疫寛容に
かかわるのか正常マウスと比較し
ました。

その結果、腸炎の誘導には腸管
局所の免疫応答する腸管膜リンパ
節が必須で、パイエル板もOVA
に対し迅速に反応して腸管膜リン
パ節と協調して働くことが分かり
ました。全身性の免疫器官である
脾臓では腸管の局所応答と異なり、
OVA摂取後から寛容状態になっ
て腸炎には関与しないことが確認
されました。さらに腸管膜リンパ
節にあるOVA特異的CD4陽性
T細胞には、OVAの継続摂取に
よって免疫寛容が強く誘導される
一方、他の組織に比べ若干の炎症
反応が残りアレルギー性炎症が、
再発する可能性もみられました。

食物アレルギーの治療には、
ごく少量のアレルゲンを積極的に
食べさせ患者さんに免疫寛容を
誘導させる経口免疫療法が新たな
方法として期待されています。
この療法ではターゲットとする
臓器を決定することで治療の安全
性をより高め、効率的な取り組み
ができます。食物アレルギー性の
腸炎では腸管膜リンパ節が有力な
候補になり得る可能性が高まりま
した。またパイエル板もターゲッ
トになり得ることが示されました。
食物アレルギーによって起こる、
アナフィラキシー反応では腸管
以外の感作経路を制御することの
重要性が見いだすことができまし
た。

食物アレルギーの治療法に関する

動画です。



 
 
 
 
 
 
長官の腸管。笑

 
 
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2】骨粗鬆症が原因で骨折する50歳以上の男性

 
 
 
米国整形外科学会(AAOS)は
11月5日、主に高齢者女性の疾患
と考えられている骨粗鬆症が原因
で骨折する50歳以上の男性が25%
に上ることを示した研究を紹介し
ました。その原因として、女性に
比べて男性では、骨折前に骨密度
(BMD)検査施行率や手首骨折後
の骨粗鬆症評価受診率が低い実態
が浮き彫りになりました。Journal
of Bone & Joint Surgery誌 11
月号に掲載されました。

研究グループは、2007-2012年
の間に単一の三次医療施設で手首
骨折を治療した50歳以上の男性95
人と女性344人のカルテから、
年齢、受傷機転、骨折重傷度、
関連共存症、および治療などにつ
いて収集したデータを後ろ向きに
検討しました。骨折を評価し
(分類はAO Foundation and
Orthopaedic Trauma Association
(AO/OTA) 分類による)、骨折
前に骨粗鬆症検査を受けていたか、
また、手首骨折から6カ月以内に
2重エネルギーX線吸収測定(DXA)
スキャンを受け骨粗鬆症治療を
開始したかを確認しました。なお、
共存症については、Charlson
comorbidity index(CCI)を用
いて、予測される短期的および
長期的転帰をスコア化しました。

その結果、BMD検査を受けて
いた者の割合は、男性が18%
(17人)、女性が53%(184人)
でした。また、手首骨折(橈骨
遠位端骨折)後にカルシウムおよ
びビタミンDサプリメントを使用
した患者さんは男性21%、女性55
%で、ビスフォスフォネート療法
を初期治療として、開始した患者
さんは男性3%、女性22%だった
ことが分かりました。男性、骨折
重症度の低さ、高エネルギーの
受傷機転が、カルシウムやビタミ
ンDによる初期治療未実施の独立
した予後因子でした。一方、BMD
検査を受けていた男性が骨折から
10年以内に再度骨折する割合は50
%で、男性の方が総じて深刻な
骨折を負う可能性が低いことも
示唆されました。

研究者は「根底にある疾患を
放置して骨折だけを治療しても、
男性が再度骨折したり関連合併症
を発症するリスクが増大する」と
注意喚起しています。「骨折した
高齢男性には骨密度検査を実施す
るとともにFRAXアルゴリズムに
より評価して、より適切に再度
骨折するリスクが高い者や治療の
効果が期待できる者を特定すべき」
と述べています。

骨粗鬆症の疫学に関する動画です。



 
 
 
 
 
 
法治国家が報知しないで放置さ
れた。笑

 
 
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編集後記

食物アレルギー性の腸炎の制御
メカニズムが解明されたのは画期
的な発見だと思います。アナフィ
ラキシーを起こさないように注意
してアレルギー性の腸炎を治療す
る道筋もはっきりしたと考えられ
ます。男性の再骨折の割合が高か
ったのは、骨粗鬆症は女性の病気
という慢心が原因ではないかと考
えられます。ただし男性の方が、
深刻な骨折は、少なかったことで
慢心さえ改めてリスクが高い男性
を特定したのちに適切な治療をす
れば、再骨折が防ぐことができる
ということでしょう。女性は深刻
な骨折が多かった訳ですから骨粗
鬆症について深く理解する必要が
あるものと思われます。

深刻な税務申告。笑

 
 
 
 
 
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