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2015-04-14 00:14:37

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診療マル秘裏話 号外Vol.89 平成26年12月6日作成
作者 医療法人社団 永徳会 藤田 亨

 
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目次

1)MPCは脂質二分子膜の細胞膜に類似した構造のポリマー素材
2)動物実験を用いずに化学物質のアレルギー性を調べられる方法

 
 
 
 
 
 
 
 
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医療界のトピックスを紹介するこのメールマガジンは
1週間に1回の割合で発行しています。もっと回数を増や
して欲しいという要望もあるのですが、私の能力のなさ
から1週間に1回が限度となっています。これからも当た
り前の医療をしながら、なおかつ貪欲に新しい知識を
吸収し読者の皆様に提供してゆきたいと思っております。
不撓不屈の精神で取り組む所存ですのでどうかお許し下
さい。

 
 
 
 
1】MPCは脂質二分子膜の細胞膜に類似した構造のポリマー素材

 
 
 
 
日油は、生体適合性素材(MPC)
を用いた事業の拡大を進めます。
アイケア分野や、化粧品分野の需要
拡大を図るとともに、診断薬や再生
医療など市場拡大が期待される新た
な分野への展開を強化します。
MPCの使用実績を拡充させなが
ら新規の用途拡大を目指していく
計画で、2016年度には13年度
比で15%増、20年には同50%
増の販売量を目指しています。

同社は、新中期経営計画でライフ
サイエンス事業を重点3分野の一つ
に掲げており、研究開発の充実によ
る新製品の投入、需要開拓などを進
めていく方針だそうです。ライフサ
イエンス事業で、特に注力する製品
の一つがMPCです。

MPCは脂質二分子膜で構成され
る細胞膜に類似した構造を持つポリ
マー素材で、化学名は2-メタクリ
ロイルオキシエチルホスホリルコリ
ンです。皮膚や細胞培養容器などの
表面に、MPCをコーティングする
ことで蛋白質や細胞など生体成分の
付着の防止、組織表面の保湿や刺激
物質から保護する作用が期待でき、
化粧品やアイケア、再生医療素材等、
幅広い応用が考えられます。
「Lipidure(リピジュア)」
ブランドで展開しています。

アイケア分野では、コンタクトレ
ンズ材料やパッキング液材料のほか、
点眼薬として角膜保護やドライアイ
の軽減、オーラルケア分野では口腔
内の乾燥を抑制する目的で洗口液や
うがい薬、細菌の付着・増殖抑制で
は歯みがきなどの用途で使用実績が
あります。化粧品分野では保湿性が
高いことから化粧水やクリーム、シ
ャンプーのほかボディーシャンプー
など用途拡大が進み、製品ラインア
ップの拡充を進めています。

今後は診断薬や再生医療材料など
医療分野への展開も加速します。
今夏にはiPS細胞(人工多能性幹
細胞)を利用した移植研究に着手し
ました。 さまざまな組織での応用
研究が広がっていくとみられており、
高品質な細胞培養を実現する製品と
して需要開拓を強化します。

現状ではMPC販売の90%が医
薬品・オーラルケア・アイケア分野
ですが、今後は医療・診断薬分野の
需要も高まっていくとみています。
全体の販売量も13年度比で15年
には15%増、20年には1・5倍
に引き上げるそうです。

化粧品で「Lipidure(リピジュア)」

ブランドのものです。ご購入は、

自己責任でお願いします。



 
 
 
 
 
 
脂質二分子膜の商品としての資質。


 
 
 
 
 
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2】動物実験を用いずに化学物質のアレルギー性を調べられる方法

 
 
 
資生堂は、動物実験を用いずに、
化学物質のアレルギー性を調べられ
る皮膚感作性試験代替法「h-CL
AT(エイチクラット)」の特許使
用を無償化します。同代替法は20
03年から花王と共同開発し、h-
CLATを含む基本特許は資生堂が
保有しています。従来は営利目的の
特許使用は有償としてきたましたが
早ければ15年にも、OECD(経済協力
開発機構)テストガイドラインに
収載される見通しとなったことから
h-CLATの無償化を決め、12
月1日から実施します。同社では
「これによって動物実験削減の一助
に向けた普及拡大を図ると同時に、
日本発の代替法として、業界全体の
国際競争力強化につなげたい」
(足利太可雄リサーチセンター
品質評価センター主任研究員)とい
う考えだそうです。

h-CLAT(human Cell Line
Activation Test)は、動物実験を
用いずにヒト由来の培養細胞(細胞
株)で、化学物質のアレルギー性を
正確に迅速・低コストで調べること
を可能とした試験法です。

安全性保証の試験項目は皮膚感作
性や経皮吸収性、光感作性など全11
項目あり、なかでも皮膚感作性評価
は、化粧品や医薬部外品の安全性を
確認する最重要項目の1つです。
一方、皮膚アレルギーは複雑な生体
プロセスを経て発生するため単一の
試験法で判別することは難しく、
複数の試験を組み合わせて1つの
試験項目を評価します。

化粧品や、医薬部外品を取り巻く
情勢として、欧州連合(EU)は、
動物実験を実施した化粧品などの
域内販売を13年3月に全面禁止し
ています。動物愛護の観点などから
も資生堂では同年2月に社内外での
動物実験の原則廃止を決定しました。

その後、厚生労働省や、国内外の
企業・研究機関の協力も得て、試験
法の妥当性検証が国内に続き欧州委
員会でも今年7月に終了されました。
OECDが定める世界共通のテスト
ガイドライン収載に向け8月に試験
法を公開し、最終協議の段階に現在
いたっています。

これを受け資生堂では営利を目的
とする安全性試験の受託機関に請求
していたロイヤルティー(09年下期
から日本動物実験代替法学会に寄付)
の無償化を決め12月1日から実施
に移行します。

h-CLATは、動物実験を用い
る方法に比べサンプル量が20~30分
の1、コストが50分の1、時間が14
分の1ですみ、高精度に感作性の
予測ができることから、化粧品や医
薬品をはじめとした一層の応用拡大
が期待されます。

化学物質過敏症についての動画です。

動画中であるように、北里大学のこの

分野での功績は、目覚ましく、私も患者

さんを紹介したこともあります。



 
 
 
 
 
一艘の船が一層熱心に魚雷の撤去
を行った。笑

 
 
 
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編集後記

表面に、MPCをコーティングす
ることで蛋白質や細胞など生体成分
の付着の防止、組織表面の保湿や
刺激物質から保護する作用が期待で
きるというのは、素晴らしい工夫で
あると思います。更に研究を発展さ
せて、化粧品やアイケア、再生医療
素材等、幅広い応用用途を開拓して
欲しいと思います。h-CLAT
(human Cell Line Activation
Test)は、動物実験を用いずにヒト
由来の培養細胞(細胞株)で、化学
物質のアレルギー性を正確に迅速・
低コストで調べることを可能とした
試験法ということですが、この技術
を無償化とは、大盤振る舞いという
感じがします。技術だけ盗みたいと
いう悪意のある外国に振り回されな
いようにして欲しいものです。何は
ともあれ、動物実験を減らすことが
できる訳ですから、動物にとっても
人間にとっても良い技術だと考えて
おります。動物は、命を奪われずに
済み、人間は、動物実験を行うこと
での不利益(動物から感染症をうつ
される等)が無くなります。

性格の正確な見抜き方。笑

 
 
 
 
 
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