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2015-03-27 09:54:59

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診療マル秘裏話 Vol.290 平成21年6月18日作成
作者 医療法人社団 永徳会 藤田 亨

 
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

 
 
 
 
目次
1)  薬剤溶出性ステントは、冠動脈再狭窄率のみ改善
2) 初回脳卒中発作後のスタチン服用で再発率が低下

 
 
 
 
 
 
 
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 
 
 
医療界のトピックスを紹介するこのメールマガジンは
1週間に1回の割合で発行しています。もっと回数を増や
して欲しいという要望もあるのですが、私の能力のなさ
から1週間に1回が限度となっています。これからも当た
り前の医療をしながら、なおかつ貪欲に新しい知識を
吸収し読者の皆様に提供してゆきたいと思っております。
不撓不屈の精神で取り組む所存ですのでどうかお許し下
さい。

 
 
1】 薬剤溶出性ステントは、冠動脈再狭窄率のみ改善

 
 
 
長期にわたる安全性と有効性
は疑問視されていた薬剤溶出
ステントについて、従来のベ
アメタル・ステントに比べ、
再狭窄リスクは低下しますが、
死亡率や心筋梗塞リスクには
両者に差がないことが報告さ
れました。スウェーデン・
ウプサラ大学病院循環器科の
Stefan K. James氏らが、
5万人弱の被験者について、
追跡し明らかにしたものです。

James 氏らは、スウェーデン
で2003〜2006年にかけて
冠動脈ステント挿入術SCAAR
(Swedish Coronary Angio
graphy and Angioplasty
Registry)に登録され、1〜5
年間(平均2.7 年)の完全な
追跡調査データが利用できた
患者さん47,967例について
解析を行いました。

主要解析の対象は薬剤溶出
ステントを1ヵ所のみ留置し
た10,294例と、ベアメタル・
ステントを1ヵ所留置した
18,659例でした。

おもな結果は以下の通りです。

●追跡期間中の死亡は2,380
件、心筋梗塞は3,198件でし
た。

●死亡と心筋梗塞の複合は、
薬剤溶出ステント群とベアメ
タル・ステント群に有意差は
ありませんでした。
・薬剤溶出ステント群の同
発症に関する相対リスク
:0.96(95%信頼区間:0.89
〜1.03)

●死亡についても、両群で有
意差はありませんでした。
・薬剤溶出ステントの死亡
に関する相対リスク:0.94
(95%信頼区間:0.85〜1.05)

●心筋梗塞の発症についても、
両群で有意差はありませんで
した。
・薬剤溶出ステントの心筋
梗塞発症に関する相対リスク
:0.97(95%信頼区間:0.88
〜1.06)

●再狭窄の発症率は薬剤溶出
ステント群が3.0/100 患者・
年だったのに対し、ベアメタ
ル・ステント群は、4.7/100
患者・年でした。
・補正後相対リスク:0.43
(95%信頼区間:0.36〜0.52)
・薬剤溶出ステントによる
治療39例につき、再狭窄発症
を1例予防できるという計算
になりました。

●ハイリスク群における再狭
窄については、薬剤溶出ステ
ントにより、同発症リスクが
74% も削減できることがわか
りました。10例を薬剤溶出ス
テントで治療することで、再
狭窄の発症を1 例予防できる
計算になりました。

●なお、2003年に薬剤溶出ス
テントを留置した群について
見てみたところ、同年にベア
メタル・ステントを留置した
群に比べ、術後ヵ月以降の
死亡・心筋梗塞発症率が有意
に高率でした。しかし、それ
以後は、そうした傾向は見ら
れませんでした。

薬剤溶出ステントに関する動画

です。



 
 
 
 
 
 
再狭窄は、最強策(薬剤
溶出性ステント)により
改善する。笑

 
 
 
 
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 
 
 
 
2】 初回脳卒中発作後のスタチン服用で再発率が低下

 
 
 
初回脳卒中発作後のスタチン
療法によって10年間の脳卒中
再発率が低下することが新し
い試験で明らかになりました。
また、スタチンの使用によっ
て血圧コントロール等の潜在
的交絡因子についての調整後
でも死亡リスクが低下すると
研究者らは報告しています。

「ほぼすべての人口集団に、
影響を及ぼしている、脳血管
障害の世界的な疾病負担を
考慮すると、スタチンの潜在
的利益を無視することはでき
ない」とDr Haralampos
Milionis (University of
Ioannina School of Medicine,
Greece)ら
は『Neurology』5月26日号に
記述しています。

この新しい試験は入院記録
と死亡記録とを関連付けた
後ろ向き観察的分析で、
Athenian Stroke Registryに
おける初発の急性虚血性脳卒
中患者を対象としました。
分析は1997年1月以降の期間
を対象としました。この期間
には脳卒中後のスタチン療法
は、一般的ではありませんで
した。

研究者らは、それ以来、「
冠動脈疾患患者を対象とした
介入試験からのスタチン療法
によって脳卒中発現率が低下
するという説得力のあるエビ
デンス」が現在では存在する
と指摘しています。しかし、
再発性脳卒中のリスクファク
ターは「初発脳卒中と同様で
あるとは限らず」、脳卒中の
二次的予防に関するデ-タは、
不足していると研究者らは、
指摘しています。

初発虚血性脳卒中のために
入院した患者さん794 例の
経過観察中の再発率は14.1%
でした。
このうち、退院後にスタチン
療法を受けた脳卒中患者では
再発率が7.6%であったのに対
し、スタチン療法を受けなか
った患者さんでは再発率は16
.3% でした。
経過観察までの期間の中央値
はスタチン療法を受けた患者
さんでは44ヵ月、脂質低下薬
の投与を受けなかった患者で
は40カ月でした。

回帰分析から、再発性脳卒
中の独立予測因子は、初発脳
卒中発作による入院後に処方
されたスタチン療法のみであ
ることが明らかになりました。
血圧コントロールの有効性及
び初発脳卒中後12ヵ月の脂質
値について調整した後でも、
スタチン療法は引き続き長期
再発に関する強力な予測因子
でした。

退院後のスタチン療法が脳卒
中再発と死亡リスクに及ぼす
影響

退院後のスタチン療法
ハザ-ド比 (95% CI)

1年間の脳卒中再発
0.61 (0.35-0.92)

死亡
0.22 (0.12-0.40)
Kaplan-Meier法による推定
では、スタチン投与患者では
初発脳血管イベント後の10年
間の死亡リスクも有意に低い
という結果がでました。Cox
回帰分析では、年齢、冠動脈
・末梢動脈疾患の既往歴、
心房細動、心不全は、死亡リ
スク上昇と関連があり、スタ
チン療法は、総死亡のリスク
低下に関連があることが明ら
かになりました。

Milionis博士らは、Stroke
Prevention by Aggressive
Reduction in Cholesterol
Levels (SPARCL)試験は、
脳卒中患者さんにおける再発
性脳卒中等の心血管系エンド
ポイントを検討したもので、
高用量アトルバスタチンによ
り5年間の再発リスクが16%
低下したと指摘しました。男
女別および高齢・若齢別のサ
ブグループでも効果が認めら
れたにもかかわらず、SPARCL
は心血管系疾患がない患者を
対象とし、スタチンが最高用
量で投与されたことから、こ
れらの結果を一般化すること
はできません。それよりもむ
しろ、本試験は、再発予防と
死亡率の改善という薬剤の
class effectを示すものであ
ると研究者らは、指摘してい
ます。

研究者らは本試験において
高脂血症は脳卒中再発および
死亡のリスクファクターでは
なかったと付言し、この一因
はスタチンのコレステロール
に依存しない作用(抗血栓、
抗酸化、抗炎症、血管拡張、
プラーク安定化等の様々なメ
カニズム)にあると思われま
した。しかし、脳卒中におけ
るスタチンの作用機序を完全
に解明するにはさらなる試験
が必要です。

脳卒中と心臓との関係をわかり

やすく解説している動画です。



 
 
 
 
 
 
普賢菩薩が付言した。笑

 
 
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 
 
編集後記

冠動脈の再狭窄が予防でき
るなら、薬剤溶出性ステント
はこれからもっと使われるよ
うになるでしょう。狭心症の
治療で心臓カテーテルは、
回数が多いほど、患者さんに
肉体的負担がかかります。
回数が減らせるなら患者さん
も納得して治療が受けられる
のではないでしょうか?高脂
血症は脳卒中再発および死亡
のリスクファクターではなか
ったというのは意外でした。
スタチンはまだ知られていな
い未知の再発予防のメカニズ
ムをもっているようです。
一宿一飯の恩義は、一般的
に返します。笑

 
 
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