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診療マル秘裏話 Vol.282 平成21年4月23日作成
作者 医療法人社団 永徳会 藤田 亨

 
 
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

 
 
 
 
目次
1)  肥満、糖尿病、心臓病が認知症を加速させる
2) 人の心筋細胞は生涯にわたり再生されている

 
 
 
 
 
 
 
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 
医療界のトピックスを紹介するこのメールマガジンは
1週間に1回の割合で発行しています。もっと回数を増や
して欲しいという要望もあるのですが、私の能力のなさ
から1週間に1回が限度となっています。これからも当た
り前の医療をしながら、なおかつ貪欲に新しい知識を
吸収し読者の皆様に提供してゆきたいと思っております。
不撓不屈の精神で取り組む所存ですのでどうかお許し下
さい。

 
 
 
1】 肥満、糖尿病、心臓病が認知症を加速させる

 
 
肥満や肥満が危険因子と
なる糖尿病、心臓病が一体
となって、認知症やその他
の脳疾患の進行を加速させ
るとの複数の知見が、医学
誌「Neurology」3月号に
掲載されました。

報告された研究のうち2
件は米カリフォルニア大学
サンフランシスコ校(UCSF)
教授で、サンフランシスコ
退役軍人医療センター記憶
障害クリニック所長の
Kristine Yaffe博士らが行
ったものです。肥満で高血
圧、HDLコレステロール
低値を示すメタボリック
シンドロームの高齢女性
4,895例を対象に、4年後の
認知障害(cognitive
impairment)発症の有無を
検討しました。その結果、
非メタボリックシンドロー
ム群の認知障害発症率が4
%であったのに対し、メタ
ボリックシンドローム群で
は7%と、発症リスクが23
%高まることが明らかにな
りました。

同氏らの別の研究では、
肥満の有無による認知低下
(cognitive decline)
リスクについて検討してい
ます。高齢の男女3,054例
のデータを用いて研究開始
時、3年、5年、8年後のス
コアを男女別に比較したと
ころ、男性の肥満群は、
非肥満群より認知低下の
傾向が高いことが判明しま
した。女性では肥満による
違いは認められなかったと
いうことです。

3つめは、米ワシントン
大学(シアトル)の研究者
らによる報告です。 平均
年齢75歳以上の男女2,798
例を5年以上追跡したとこ
ろ認知症(dementia)発症
リスクの上昇には中年期の
肥満が関連していることが
確認されました。ただし、
65歳超の世代になると肥満
者よりもやせた人のほうが
認知症リスクは高く、肥満
はむしろ予防的効果を示し
ていました。

4つめは、米コロンビア
大学(ニューヨーク)の
研究者らによる報告です。
アルツハイマー病患者156
例(平均年齢83歳)のデー
タを分析したもので、総
コレステロールやLDLコレ
ステロール高値者、あるい
は糖尿病患者では、アルツ
ハイマー病発症後の認知力
低下がより急速に進むこと
が確認されました。

同研究の筆頭研究者の
Elizabeth P. Helzner氏は
「今回の研究は、アルツハ
イマー病発症に血管リスク
ファクターが役割を果たし
ていることを示すものであ
り、これらの症状の治療や
予防がアルツハイマー病
の発症を遅らせる」と述べ
ています。

米アルツハイマー協会
医科学審議会委員長で、米
メイヨークリニック・アル
ツハイマー病研究センター
長のRonald C. Petersen
博士は「一連の知見は、心
疾患予防のためだけではな
く、認知症やアルツハイマー
病の進展予防のためにも、
生活習慣を改める必要性を
強調している」と述べると
ともに、「認知低下は受動
的にのみ認識されるべきで
はない。認知障害やアルツ
ハイマー病進展へのリスク
に影響を及ぼす、生活習慣
因子において、修正できる
ものはいくつもある」と述
べています。

生活習慣の見直しが大事

という趣旨の動画です。



 
 
 
 
 
任地で認知症になること
もある。笑

 
 
 
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2】 人の心筋細胞は生涯にわたり再生されている

 
 
ヒトの心筋細胞が再生され
ているかどうかは長い間謎
となっていました。今回、
スウェーデン、カロリンス
カ研究所(ストックホルム)
のJonas Frisen博士らによ
る研究で、ヒトの心臓が
生涯にわたり新しい細胞を
作り続けていることが示さ
れました。ただし、細胞の
再生速度は年齢とともに
低下し、心筋細胞再生率は
20歳では年間約1%であっ
たものが、75歳ではわずか
0.45%まで低下することも
判明しました。この知見は、
米科学誌「Science」4月3
日号に掲載されました。

「心筋細胞の再生を制御す
るメカニズムが解明されれ
ば例えば心臓発作後にこの
プロセスを促進させる薬剤
開発につながる可能性もあ
る」とFrisen氏は述べてい
ます。研究の共著者で同
研究所に所属するRatan
Bhardwaj博士は、「多数の
人が罹患する慢性心不全は
心筋細胞の死滅によって起
こる」と指摘しました。
「今回の知見によって新し
い治療法の可能性が開かれ
た」
と話しています。ただし、
「心筋細胞の再生速度を
死滅速度に上回るほど高め
る方法は不明であり、また
疾患のある心臓においても
健康な心臓と同じ速度で
細胞再生が行われているか
どうかもわかっていない」
ということです。

今回の研究では、生涯の
どの時期に細胞が生成され
たのかを炭素14(炭素の
放射性同位体)を用いて
測定しました。1950年代、
地上核実験の影響で地球上
のヒトや動物の細胞内に
炭素14が増加しましたが、
地上核実験が禁止されて
以降、細胞のDNA内の炭素
14は減少を来しています。
特定の細胞について炭素
14の値を測定することで、
その細胞が生成された年代
を特定することができます。
その結果、通常、50%弱の
心筋細胞がヒトの一生の
うちに交代することが分か
りました。

これまでは、心筋細胞
はいったん分化した後には、
心臓が損傷を受けても再生
されないと考えられていま
したが、最近の研究では、
再生の可能性が示唆されて
いました。「今回の知見は、
心筋細胞が再生できること
を示すものだが、安全かつ
有効に心筋再生を促進する
薬物療法ないし遺伝子治療
があるかどうかについては、
さらに研究を重ねる必要が
ある」と専門家は述べてい
ます。

医学誌「Cell Stem Cell
(細胞幹細胞)」4月3日号に
掲載された関連研究では、
幹細胞を用いてマウスの
心臓で血管新生を促進でき
ることが明らかにされまし
た。ドイツ、
Ludwig-Maximilians大学
(ミュンヘン)の研究チー
ムは、損傷された心臓
組織に幹細胞を導く、化学
物質であるSDF-1の分解を
遅らせると同時に、骨髄や
血液などのさまざまな場所
から幹細胞を誘導する顆粒
球コロニー刺激因子
(G-CSF)をマウスの心臓
に用いる二重療法を行い
ました。この方法により、
血管新生が行われ心臓発作
後の心機能の改善につなが
ったと、研究チームは述べ
ています。

拍動する心筋細胞の動画

です。



 
 
 
 
 
 
血管新生は、欠陥申請と
ならないようにしたいもの
です。笑

 
 
 
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編集後記

認知症の肥満の影響は、
年令によっても違うなんて
ほんとに微妙な研究の世界
であるような印象を受けま
す。生活習慣因子を改善し
ていけば、認知症になりに
くいというのは本当でしょ
うか?損傷された心臓組織
に、幹細胞を導く化学物質
の存在を初めて知りました。
確かにそういうものがあれ
ば、G-CSFとの二重療法を
したくなりますね。でもマ
ウスだから上手くいくとい
うことも考えられるので、
SDF-1の分解を遅らさせる
ことが臨床に実用化される
かどうかは、不明です。

20個の二重実験。笑

 
 
 
 
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