2015-01-25 14:08:22

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診療マル秘裏話　Vol.481 平成25年2月14日作成
作者　医療法人社団　永徳会　藤田　亨

 
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目次
1) 腎保護作用の硫化水素合成を促すD-システイン
2）カテキンと男性のＥＤ治療薬の併用でガン駆逐

 
 
 
 
 
 
 
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医療界のトピックスを紹介するこのメールマガジンは
1週間に1回の割合で発行しています。もっと回数を増や
して欲しいという要望もあるのですが、私の能力のなさ
から1週間に1回が限度となっています。これからも当た
り前の医療をしながら、なおかつ貪欲に新しい知識を
吸収し読者の皆様に提供してゆきたいと思っております。
不撓不屈の精神で取り組む所存ですのでどうかお許し下
さい。

 
 
 
1】腎保護作用の硫化水素合成を促すD-システイン

 
 
 
国立精神・神経医療研究
センターは１月２３日、
神経保護因子としての作用
がある硫化水素について、
従来分かっていた、生合成
経路とは、別の経路を発見
したと発表しました。脳と
腎臓内は、この新経路を用
い効率的に硫化水素を生成
していることも分かりまし
た。神経薬理研究部の木村
英雄氏らの研究グループに
よる成果ということです。

今まではアミノ酸の一つ
である、L-システインから
のみ生合成されると考えら
れていましたが、今回、D-
システインからも合成され
ることが分かりました。D-
システインは本来、体内に
存在しませんが、人体への
毒性が低いため、内服薬と
して投与することで、硫化
水素合成を促せると見られ、
神経保護因子としての作用
を含めた応用領域が広がる
可能性があります。

硫化水素は、一般的に毒
ガスの一つとして知られて
いますが、近年、体内でも
微量に生成されており神経
保護因子、組織保護機能、
神経伝達調節機能といった
作用があることが分かって
きました。硫化水素の合成
経路は3種類があり、全て
L-システインを起点として
いました。今回発見された
のは「第４の経路」となり
ます。特に腎臓内では第４
の経路からは、それ以外の
経路の80倍の効率で生成さ
れていました。

ある実験では、D-システ
インをマウスに経口投与し
たところ、腎臓の虚血再灌
流障害を顕著に軽減しまし
た。木村氏らは今後の展開
として、硫化水素を介して
腎不全の重症化を防止でき
る可能性を考えています。
そのほか、パーキンソン病、
糖尿病、ガン、心筋梗塞、腎
障害や臓器移植への応用も
あり得ると説明しています。

地中海ダイエットの腎保護

作用についての動画です。



 
 
 
 
転回して新たな展開をめ
ざす。笑

 
 
 
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2】カテキンと男性のＥＤ治療薬の併用でガン駆逐

 
 
緑茶の成分カテキンと、
男性のＥＤ（勃起不全）
治療薬を併用することで、
ガン細胞を駆逐できる
可能性があることを九州
大大学院・農学研究院の
立花宏文（たちばな・ひ
ろふみ）教授がマウスを
使った実験で確かめ、米
医学誌電子版に１月２５
日（現地時間）、掲載さ
れました。

緑茶には抗ガン作用が
あるという研究結果があ
る一方で、効果を否定す
る研究者もおり、緑茶と
ガンの関係には分かって
いない点が多いと言われ
ています。

立花教授は２００４年、
緑茶カテキンの一種ＥＧ
ＣＧが、ガン細胞に入り
込み、増殖を抑えている
ことを明らかにしました。

さらに立花教授は今回、
ＥＧＣＧが取り込まれて
も、体内にある酵素の一
つ「ＰＤＥ５」が邪魔を
するため効果が落ちるの
ではないかと予測しまし
た。ＰＤＥ５の働きを
阻害する効果があるバイ
アグラなどのＥＤ治療薬
を、ＥＧＣＧと同時に
血液ガンのマウスに注射
すると、ガン細胞が増え
ないことが分かりました。

さらに、人間の乳ガン
細胞を移植したマウスに
注射すると、ガン細胞は
なくなりました。試験管
内で膵臓（すいぞう）
ガンに試すと、既存の抗
ガン剤よりも効果が高か
ったほか、胃ガン、前立
腺ガンへの同様の実験で
も、有効であるとの結果
が出ました。

立花教授によると、
年内にも米国の研究所が
人体への臨床実験を始め
る予定ということです。
緑茶１杯（１００ミリ
リットル）にはＥＧＣＧ
が３０～４０ミリグラム
含まれ、効果を発揮する
には１日１０杯程度が
必要な計算ですが、副作
用がある可能性もあり、
立花教授は「家庭で試す
のはやめてほしい」と話
しています。

緑茶の効能についての

動画です。



 
 
 
 
 
家庭での、仮定の話は、
教養課程が住んでからに
しましょう。笑

 
 
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編集後記

腎不全の重症化から、
透析患者さんの増加が
社会問題となっています。
透析をしないと尿毒症で
亡くなってしまうので、
透析は、お金がかかって
もつづけなければ、なり
ません。透析患者さんは、
障害者です。腎不全が
進行して、障害者となる
前に、透析導入を遅らせ
ることが重要です。
緑茶カテキンが、ガンに
効果がないという背景に
は、体内にある酵素の一
つ「ＰＤＥ５」が邪魔を
するということが分かっ
ただけでも大きな進歩だ
と思います。早く臨床
試験が望まれるところで
す。
拝啓と手紙で書く
背景。笑

 
 
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