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2015-01-23 20:02:46

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診療マル秘裏話 Vol.281 平成21年4月16日作成
作者 医療法人社団 永徳会 藤田 亨

 
 
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

 
 
 
 
目次
1)  インスリン抵抗性を改善するシグナル
2) 夜間交代勤務がもたらす、疾患リスク

 
 
 
 
 
 
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 
 
医療界のトピックスを紹介するこのメールマガジンは
1週間に1回の割合で発行しています。もっと回数を増や
して欲しいという要望もあるのですが、私の能力のなさ
から1週間に1回が限度となっています。これからも当た
り前の医療をしながら、なおかつ貪欲に新しい知識を
吸収し読者の皆様に提供してゆきたいと思っております。
不撓不屈の精神で取り組む所存ですのでどうかお許し下
さい。

 
 
 
1】 インスリン抵抗性を改善するシグナル

 
 
絶食(fasting)状態で役割を
果たすことが知られるCREB
(cAMP Response Element
Binding protein)と呼ばれる
シグナルが、2型糖尿病の進行
初期において肥満マウスの脂肪
組織で活性化されることが判明
しました。また、脂肪組織で
このシグナルを阻害することに
より、肥満マウスでインスリン
抵抗性を予防できることも明ら
かになりました。 インスリン
抵抗性とは、インスリンの効き
が悪くなる病態をいいます。

過去の研究からは、CREB経路
(pathway) は絶食状態におい
て、肝臓でのグルコース産生を
誘発することで、血糖値のバラ
ンスを保つこと、また、糖尿病
での過剰なCREB活性が高血糖と
インスリン抵抗性につながる事
が判明しています。

今回の研究は、米ソークSalk
生物科学研究所
(カリフォルニア州ラホヤ)の
Marc Montminy氏らが、CREBが
成熟した脂肪組織においても、
重要な役割をもつかどうかを
検討したものです。その結果、
肥満マウスの脂肪細胞でのCREB
活性は、アディポネクチンとい
うホルモンとインスリン感受性
グルコース搬送体4(GLUT4)の
産生を低下させ、インスリン
抵抗性を促進することがわかり
ました。

肥満細胞内でCREBが欠乏する
ように遺伝子操作された、肥満
マウスでは、インスリン感受性
がより高まり、脂肪肝への進展
や脂肪組織での炎症が防止でき
ました。CREBは、健常マウスで
は比較的重要性が低いといわれ
ていますが、肥満マウスでは
“より病理学的な役割”を担っ
ていることが示唆されたという
ことです。

Montminy氏らは「今回の知見
は、肥満というストレスがCREB
遺伝子を活性化し、インスリン
抵抗性に影響を与えていること
を示している」と述べるととも
に、「これらの結果をまとめる
と、脂肪組織、特にCREBシグナ
リングシステムを、標的とした
治療が、さまざまなインスリン
抵抗性の病態に対して有益であ
ることを示唆している」と結論
づけています。この研究は医学
誌「Cell Metabolism(細胞代謝)」
3月号に掲載されました。

インスリン抵抗性を低下する大腸

菌の動画です。



 
 
 
 
定稿に対する抵抗が認められ
た。笑

 
 
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2】 夜間交代勤務がもたらす、疾患リスク

 
 
夜間シフトワーク(交代勤務)
がホルモンと代謝系に変化を
もたらし、ひいては肥満や糖
尿病、心疾患リスクを増大さ
せる可能性があるとの知見が、
米国科学アカデミー発行の
「Proceedings of the
National Academy of
Sciences(PNAS)」
オンライン版に3月2日掲載さ
れました。

研究執筆者で、米ハーバー
ド大学医学部およびブリンガ
ム&ウイメンズ病院(ともに
ボストン)睡眠医学の Frank
Scheer氏によると、米国で
は工場労働者や病院スタッフ、
警官、消防士、パイロット、
道路作業員、トラック運転手
など約860万人が 9-17時の
日勤帯以外の時間に働くシフ
トワークに従事しています。
生来備わる概日(サーカディ
アン)リズム(24時間睡眠/
覚醒パターン)と、勤労の
ために要求される覚醒や食事
パターンの慢性的な不一致は、
消化管疾患や疲労、睡眠不良
と関連することが、従来から
指摘されています。WBCで
活躍したイチロー選手も胃潰
瘍になりました。 WBCでは、
東京ラウンドを日本で行って
からアメリカで戦うという、
過酷なものでした。イチロー
選手の胃潰瘍は、従来からの
指摘でも十分説明がつくでし
ょう。

Scheer氏らは、このような
不一致がもたらす深刻な健康
問題への影響を明らかにする
ために、男女各5人を対象に、
時差ぼけの影響、定期シフト
ワークの慢性的影響を10日間
にわたり研究室で、模擬的に
検査しました。

その結果、概日サイクルの
不一致は、体重調節ホルモン
であるレプチンレベルを低下
させました。この急激なレプ
チンレベルの低下は、食欲の
増進と活動性の低下をもたら
すことにより、肥満と心疾患
の発症を早めることに結びつ
き、さらに血糖値とインスリ
ンレベルの変動は、耐糖能
異常とインスリン感受性の低
下をもたらすことが考えられ
ます。

また特に、糖尿病既往歴の
なかった3人の被験者では、
サイクル不一致期間の食後に、
糖尿病前症(pre-diabetic)
の状態に似た血糖値の上昇が
認められました。 これらの
被験者では日中血圧値も上昇
していました。 ホルモンの
変動値は、正常な睡眠/覚醒
サイクルから12時間ずれた、
昼夜が逆転状態のときに最も
大きく現れました。

このような概日リズムと
夜間シフトワークにおける
サイクルの不一致のもたらす
悪影響が確認されたにもかか
わらず、Scheer氏は「多くの
結論を得るためには、更なる
研究が必要である」と指摘し
ています。その最大の理由と
して、同氏は、「今回の研究
結果は短期間の研究室での
検査結果にすぎず、概日リズ
ムの不一致が夜勤労働者の実
生活において長期的に同様の
影響を及ぼすかどうかは不明
である。人によって、異なる
反応性についても、分析する
必要がある」と話しています。

米ノースウェスタン大学
Feinberg医学部(シカゴ)助
教授のJoseph Bass氏は、
シフトワークと特異的な健康
リスクとの直接的な関連性を
結論づけるには時期尚早とし
ながらも、「今回の研究結果
は、仕事のパターンや旅行、
あるいは単に正常な生活サイ
クルを無視することによって
、特定の個人において,代謝
障害が起こりうることを、
信頼のできる生物学的メカニ
ズムによって示したものだ」
と評価しています。

夜間交代勤務の人が、鉄分

の多い食事をとると代謝障害

となる可能性があるという動画

です。



 
 
 
 
 
過酷な勤務は河谷にある。笑

 
 
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編集後記

インスリン抵抗性の治療は、
現在武田薬品のアクトス(一
般名:ピオグリタゾン)しか
ありません。 スルフォニル
尿素剤のアマリール(一般名
:グリメピリド)にもインス
リン抵抗性の改善は認められ
ますが、膵島が疲弊して、
インスリンの分泌がほとんど
なされなくなると意味がなく
なってしまいます。このよう
な基礎的研究が進めば、糖尿
病の治療も飛躍的に進歩する
ものと考えられています。
過酷な交代勤務が短期的であ
れ、肥満や糖尿病、心疾患
リスクを増やすということを、
今まで知りませんでした。
そういう点では、病院勤務を
止めて正解だったと思います。
どれだけお金が稼げても、
身体を悪くするなら、お金の
問題ではないでしょう。その
お金すら医療費抑制策で手に
入らなくなっています。

交替がいるから、後退せず
に、交代勤務ができる。笑
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藤田 亨
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