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診療マル秘裏話 Vol.268 平成21年1月15日作成
作者 医療法人社団 永徳会 藤田 亨

 
 
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目次
1)  鳥インフルエンザにも効く新しい薬
2) 膝の半月板の再生医療

 
 
 
 
 
 
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医療界のトピックスを紹介するこのメールマガジンは
1週間に1回の割合で発行しています。もっと回数を増や
して欲しいという要望もあるのですが、私の能力のなさ
から1週間に1回が限度となっています。これからも当た
り前の医療をしながら、なおかつ貪欲に新しい知識を
吸収し読者の皆様に提供してゆきたいと思っております。
不撓不屈の精神で取り組む所存ですのでどうかお許し下
さい。

 
 
1】 新型インフルエンザにも効く新しい薬

インフルエンザ治療薬として
富山化学(本社・東京)が臨床
試験を進める「T−705」は、
既存の治療薬のタミフルなどと
は違った仕組みでウイルスの
増殖を抑えることがわかってき
ました。動物実験ではタミフル
より高い効果を示し、鳥インフ
ルエンザH5N1型から移行す
ると予想される新型インフルエ
ンザ対策の切り札として期待が
高まっています。

T−705は窒素やフッ素、炭素、
水素などからなる分子量157
の低分子化合物です。富山化学
が、インフルエンザウイルスの
増殖を抑える物質を各種化合物
で探し、見つけたものを、人工
合成しました。
富山大の白木公康教授
(ウイルス学)は、冬に流行す
るH1N1型ウイルスをマウス
に感染させ、タミフルとT−705
の効果を比べました。マウス14
匹に各300個ほどのウイルス
を感染させた場合、治療薬なし
だと20日目までに12匹が死
に、生存率は14%でした。
それが、感染1時間後から1
日に体重1Kgあたり200mgの
T−705を飲ませると、生存率
100%となりました。感染の
25時間後から服用を始めても
生存率7割を超えました。
同量のタミフルでは、感染1
時間後から服用させると生存率
は9割を超えましたが、25
時間後からだと5割に落ちまし
た。
感染させるウイルスを3万個
に増やすと、感染1時間後から
服用してもタミフルの生存率は
1割以下でしたが、T−705は
100%でした。
東南アジアを中心に200人
以上が死亡し、新型インフルエ
ンザへの変異が心配されている
H5N1型に対しても、同様の
結果が出ているということです。
米ユタ州立大のチームはマウ
スにH5N1型を感染させて、
治療効果を比べました。感染1
時間後から1日に体重1Kg
あたり20mgのタミフルを飲ま
せた場合の生存率は1〜2割で
したが、同33mgのT−705の
生存率は9割以上でした。
T−705の量を300mgに増や
すと、感染96時間後からの
服用でも生存率は9割を超えま
した。タミフルが効かない耐性
ウイルスや、H3N2型を使っ
た実験でも、同様の効果が報告
されています。

薬が効く仕組みも、わかり
つつあります。 インフルエン
ザウイルスは、表面のたん
ばく質「ヘマグルチニン」を使
って細胞に入り、自らの遺伝子
(RNA)を複製して増えます。
その際、酵素「ポリメラーゼ」
を使います。
富山化学の古田要介・事業
開発部担当部長(ウイルス学)
よると、T−705はこの酵素の働
きを抑えることが実験で確認で
きました。
また、RNAを複製する際に
細胞内のヌクレオチドの一種が
材料となります。
T−705が効く理由について、
古田さんは「RNA複製の際、
ポリメラーゼが誤って、T−705
をヌクレオチドだと認識してし
まうようだ」ということです。
既存薬の、タミフルやリレ
ンザは、細胞内で増えたウイ
ルスが外に出る際に必要な
たんばく質「ノイラミニダー
ゼ」の働きを抑えます。ウイ
ルスの増殖は防げず、ウイル
スが大量に増えた後では効果
があまり期待できません。
別の既存薬シンメトレルは、
ウイルスが細胞に入った直後に
必要なたんばく質「M2」を抑
えます。ただ、薬の効かない
耐性ウイルスができやすい欠点
があります。
これに対して、T−705はウイ
ルスの複製そのものを抑える上
に、これまでの実験では、耐性
ウイルスもほとんどできていな
いということです。
富山大の白木教授は「重症で、
しかも感染から時間が経過した
後でもタミフルより効果を発揮
するという特徴は、こうした
作用の仕組みの違いで説明でき
る」と話しています。

T−705が治療薬として承認を
受けるには、薬事法に基づく
臨床試験が必要です。国内では
昨年1月から安全性を確かめる
「フェーズ1」の試験が始まり、
今年1月から実際の患者さんで
有効性を見極める「フェーズ2」
に進みました。
順調なら、次の冬のインフル
エンザのシーズンに数百人規模
の患者さんで最終段階の
「フェーズ3」の試験に入りま
す。ここで効果と安全性を確認
できれば承認申請となります。
同様の臨床試験は、米国でも
計画されています。同社では、
現在も、副作用や安全性につい
て、さらに慎重に検討を続けて
います。T−705とは、仮の名前
で、商品名アビガン錠(ファビ
ピラビル)で、現在エボラ出血
熱やノロウイルスに対しても、
有効ではないか?と考えられて
います。

アビガン錠の最新ニュースに関

する動画です。



 
 
 
 
 
 
 
早く戦車の名前のような薬T
−705が臨床試験を終え認可され
て欲しいものです。戦車を洗車。笑

 
 
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2】 膝の半月板の再生医療

ひざの半月板損傷を関節部分
から採取した間葉系幹細胞を
移植して治すことに、東京医科
歯科大などの研究チームが、ラ
ットで成功しました。米科学誌
「ステムセルズ」に発表され
ます。

半月板はひざの内部にあり、
大腿(だいたい)骨とすねの骨
の間でクッションの役割を担う
軟骨組織です。けがや加齢で、
半月板を損傷した場合、半月板
を切除する治療が一般的ですが、
関節症などを起こしやすいと言
われています。

チームは半月板を再生させる
ため、骨や軟骨になる性質が
ある間葉系幹細胞を使いました。
同細胞は骨髄から取るのが一般
的ですが、関節の滑膜という
組織から採取しました。

半月板を損傷させた14匹の
ラットの患部に幹細胞を移植す
ると、約12週間で半月板と同
じ性質の軟骨になりました。
小林英司・自治医科大教授
(移植・再生医学)らが開発
た、細胞を遺伝子改変によって
光らせる技術で調べたところ、
半月板が再生し関節を保護する
様子が確認できました。

また、半月板が再生した後の
間葉系幹細胞は過剰に増殖する
心配がないことも分かりました。
人工多能性幹細胞(IPS細胞)
や胚(はい)性幹細胞 (ES
細胞)を使う再生医療では、
目的の組織ができた後も増殖が
止まらず、腫瘍(しゅよう)に
なったり他の臓器に移動して
奇形を生む恐れがあり、課題と
なっています。関矢一郎・東京
医科歯科大准教授(軟骨再生学)
は「滑膜からの幹細胞は採取し
やすく取り扱いも簡単だ。数年
以内にヒトでの臨床応用を始め
たい」と話しています。

半月板損傷についての分かり

やすい動画です。



 
 
 
 
 
 
 
間葉系細胞を使うのが肝要。笑

 
 
 
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編集後記

今インフルエンザが流行して
いるため、臨床試験の最中であ
ると思われます。インフルエン
ザの臨床試験は、インフルエン
ザが流行している時でないと
できません。特に第3相試験は
人に投与するため、そういった
制約を受けるのです。半月板の
再生医療が成功したのは、素晴
らしい成果と言えます。特に
IPS細胞や、ES細胞を使わ
なかったと言う点で優れていま
す。

製薬会社が制約を受ける。笑

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