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診療マル秘裏話 Vol.211 平成19年12月13日作成
作者 医療法人社団 永徳会 藤田 亨

 
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目次
1)  マイコプラズマの脚
2) 人の皮膚から万能細胞

 
 
 
 
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医療界のトピックスを紹介するこのメールマガジンは
1週間に1回の割合で発行しています。もっと回数を増や
して欲しいという要望もあるのですが、私の能力のなさ
から1週間に1回が限度となっています。これからも当た
り前の医療をしながら、なおかつ貪欲に新しい知識を
吸収し読者の皆様に提供してゆきたいと思っております。
不撓不屈の精神で取り組む所存ですのでどうかお許し下
さい。

 
 
1】 マイコプラズマの脚

細菌の一種で肺炎などを起こす
マイコプラズマの細胞内に、
クラゲのような形をしたたんぱく
質の“骨組み”があることが分か
りました。発見した大阪市立大の
宮田真人教授(生物物理学)の
研究グループによると、マイコ
プラズマに数百本ある「足」の動
きを止めて病原性をなくす薬の
開発につながる可能性があると
いうことです。研究成果は近く、
米科学誌「米国科学アカデミー
紀要」のオンライン版に掲載され
ます。

マイコプラズマは長さ約1万分
の10ミリの病原体です。人間や
魚などの気管やえらの細胞に生え
た繊毛の先端に取り付き、繊毛の
根本まで移動して病気を起こす
ことが分かっています。

宮田教授らは魚のマイコプラ
ズマを使い、表面の細胞膜を薬品
で溶かし、電子顕微鏡で内部を
観察しました。その結果、直径約
1万分の2ミリのかさ状のたん
ぱく質に、約20本のひも状の
たんぱく質が取り付き、クラゲに
似た形を作っていました。

マイコプラズマは、ひょうたん
形のくびれ部分に数百本生えた
「足」を使って動くことが、宮田
教授らのこれまでの研究で知られ
ていました。宮田教授は「クラゲ
構造は、マイコプラズマを内部
から支えるフレームだ。この構造
には、体外に数百本ある足一本
一本を、タイミングを合わせて動
かす役目もあるのではないか」と
話しています。ほかの生物には、
ない構造で「生命現象を模した
微小モーター開発のヒントになる」
とも話しています。

マイコプラズマについて解説した

動画です。



 
 
 
 
 
もたもたする微小モーター。笑

 
 
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2】 人の皮膚から万能細胞

京都大の山中伸弥(やまなか・
しんや)教授らが世界に先駆け、
人の皮膚から万能細胞の作製
に成功しました。傷んだ臓器や
組織を修復する夢の再生医療の
実現に向け「ゴールが見えた」
(同教授)と話しています。この
細胞に関する研究競争が激化する
のは必至でしょう。ここまで
トップを走ってきた日本ですが、
研究規制などの政策次第では今後
劣勢に陥ると警戒する声も出始め
ています。

成果が世界でほぼ同時に発表さ
れた11月20日、米メディアは新た
な万能細胞の登場を「受精卵なし
で可能に」「飛躍的進展」と大々
的に報じました。

この細胞は「人工多能性幹細胞
(iPS細胞)」と名付られまし
た。これまで人体のどんな組織に
もなれる「万能細胞」は、育てば
赤ちゃんになる人の受精卵(胚
(はい))からつくる胚性幹細胞
(ES細胞)の代名詞でした。

このため研究には常に倫理問題
がつきまとい、キリスト教保守派
が支持基盤のブッシュ大統領は、
「反倫理的」とES細胞研究を目
の敵にしてきました。皮膚細胞
からの作製成功の報にホワイト
ハウスは「大統領は大変喜んで
いる」と歓迎の声明を発表しまし
た。カトリックの総本山バチカン
(ローマ法王庁)の影響が強い
イタリアでは、国営放送が「画期
的研究」として山中教授のインタ
ビューを大きく取り上げ、
新聞一面には「(胚を)殺す必要
なし」の見出しが躍りました。
山中教授のもとには国内外から
祝福のメールや電話が殺到しまし
た。患者さんから「自分の病気を
治せるか」との問い合わせも多く、
教授は「反響の大きさは予想以上」
と驚いています。

この細胞の研究の衝撃は早くも、
世界の研究界に”地殻変動”を起こ
しているようです。

「クローン胚研究はもうやら
ない」。世界初の体細胞クローン
羊ドリーを誕生させた英国の
イアン・ウィルムット博士は、
山中教授らの研究の進展を知り、
万能細胞づくりの本命とされてき
た研究の放棄を発表しました。

クローン胚は皮膚など患者さん
の体細胞を、核を抜いた卵子に入
れてつくります。これを基にした
ES細胞は、患者さんに移植して
も拒絶反応がなく理想的とされま
したが、多数の卵子が必要なのが
難題でした。

山中教授らはそれを、皮膚細胞
にわずか4種類の遺伝子を組み込む
方法で解決しました。発ガンの
危険があるウイルスを使うなど
安全性には問題が残っていますが
「いずれは解決できる」との見方
が強くなっています。クローン
技術に詳しい阿久津英憲
(あくつ・ひでのり)・国立成育
医療センター室長は「多くの研究
者が取り組みやすく、人類に役立
つ成果が出る可能性も高い。世界
に与える影響はクローン技術を上
回る」と話しています。

山中教授らは昨年、世界で初めて
マウスのiPS細胞づくりに成功
しました。追随したのが米ハーバ
ード大とマサチューセッツ工科大
でした。「人の細胞で先を越され
るとしたら彼らだと思っていた」
が、今回、京大と同着で同じ成果
を発表したのは、ウィスコンシン
大でした。米国の研究層の厚さと
底力に、教授は舌を巻いています。
競争が激化する中、日本の研究
規制がどうなるかも大きな関心事
です。iPS細胞は、受精卵や
卵子を使う倫理問題は回避できま
すが、万能性がES細胞と全く同
じなら生殖細胞の精子や卵子も
つくれることになります。男性の
皮膚から精子と卵子の両方をつく
ることも理論的には可能で、受精
させれば、親は父だけという
子どもが生まれる可能性もあり
ます。しかし万能性には、限りが
あるのではと考えるのが普通でし
ょう。同一人物からの精子と卵子
の授精には倫理的にも、遺伝学的
にも問題があると思われます。
「どこまでなら自由な研究が許
されるか、規制の議論は今から始
めるべきだ」と位田隆一(いだ・
りゅういち)京大教授(生命倫理)
は指摘しています。一方、京大の
中辻憲夫(なかつじ・のりお)
教授(再生医学)は「ES細胞
研究で日本は、厳し過ぎる規制の
ため後れを取った。それを繰り返
せば、せっかくの画期的成果を
活用できなくなる」と強く警戒し
ています。

iPS細胞に関する動画です。



 
 
規制改革で、奇声をあげた。笑

 
 
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編集後記

マイコプラズマは、厄介な細菌
です。細胞の中に寄生するので、
細胞の中に浸透する抗生物質を
投与して治療します。写真で
マイコプラズマの脚をみましたが、
まさにクラゲの脚に細かい節をつ
けたような形をしていました。脚
の動きを止める薬の開発には、
まだ時間がかかるでしょうが、
この細菌の移動のメカニズムが、
形態から明らかになったことは
事実です。今後の研究に注目した
いと思います。iPS細胞の作成
は、再生医療にとって画期的進歩
と言えますが、どの程度の万能性
をもっているかによって再生医療
の正否が分かれると思われます。
たとえば、髪の毛や筋肉などの
皮膚から解剖学的に近い部位は
再生できても、その他の細胞は
再生できないという事実がある
と仮定すると非常に制限された
再生医療となってしまいます。
また万能性が完全であるとする
ならば上記のように男性の皮膚
から精子と卵子の両方をつくる
ことも理論的には可能で、受精
させれば、親は父だけという子
どもが生まれる。などという
奇妙なことが想定される訳です。

再生医療が採精によって、
最盛となる時代は、終わっ
た。笑
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