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診療マル秘裏話 Vol.209 平成19年11月29日作成
作者 医療法人社団 永徳会 藤田 亨

 
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目次
1)  ガン幹細胞の研究
2) 記憶障害を起こさせるタンパク質

 
 
 
 
 
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 
医療界のトピックスを紹介するこのメールマガジンは
1週間に1回の割合で発行しています。もっと回数を増や
して欲しいという要望もあるのですが、私の能力のなさ
から1週間に1回が限度となっています。これからも当た
り前の医療をしながら、なおかつ貪欲に新しい知識を
吸収し読者の皆様に提供してゆきたいと思っております。
不撓不屈の精神で取り組む所存ですのでどうかお許し下
さい。

 
 
1】 ガン幹細胞の研究

分化して将来、どんな細胞にも
なる万能性を持つ細胞を幹細胞と
呼びます。これになぞらえて、
どんなガンにもなる幹細胞がある
との考えから、「ガン幹細胞」説
ができました。自分と同じ細胞を
増やし、分化してガン細胞になる
性質を持つと言われています。
ここ数年、集中的に治療への有効
性が議論されています。

ガン幹細胞は97年、カナダ・
トロント大のジョン・ディック
教授が白血病で見つけました。
その後、脳腫瘍(しゅよう)や乳
ガン、前立腺ガンなどでも相次い
で見つかりました。

慶応大の須田年生教授(発生・
分化生物学)は特別講演で、ガン
幹細胞を取り巻く環境「ニッチ」
の発見について解説しました。
ニッチとは細胞が生きるのに適し
た環境のことをいい、ガン幹細胞
の「隠れ家」といえる場所のこと
です。ガンの転移に関係している
と考えられるということです。

白血病で調べたところ、ニッチ
は酸素濃度のかなり低い場所に
あることが分かってきました。
ガン幹細胞にはミトコンドリアが
少なく、エネルギー合成に酸素を
必要としないためと考えられてい
ます。細胞周期はほとんど回って
いないといえるほど、ゆっくりと
いうことです。

抗ガン剤への耐性も、この性質
から説明がつくと考えられます。
抗ガン剤は細胞周期のうち、
DNA合成と細胞分裂のどちらか
を抑制することで効果を発揮しま
す。しかし、細胞周期の遅いガン
幹細胞では、効果を発揮するタイ
ミングが少なくなってしまうと
いうことです。

ガン幹細胞の研究を、どのよう
に治療に結びつけていくかがこれ
からの課題でしょう。シンポジウ
ムでは、これが焦点になりました。
例えば、特徴を特定できれば、
それをターゲットに治療できます。
具体的には、ニッチに囲まれた
ガンが栄養を取り込めないよう、
血管を作らせず「兵糧攻め」
(須田教授)にする抗ガン剤が考
えられています。

ただ現状では、ガン幹細胞研究
は治療に反映されていないよう
です。今後の可能性として、神戸
大病院の片山義雄助教(造血幹
細胞移植学)は「ガン幹細胞が動
くという性質に注目し、この動き
を抑え転移を防げないか」と提案
しました。さらにニッチからガン
幹細胞をおびき出すという方向性
も提案しました。片山助教は
「ゆっくり回っているガン幹細胞
を活性化させ、抗ガン剤でたたく
という方法も考えられる」と話し
ました。

金沢大ガン研究所の平尾敦教授
(幹細胞生物学)はガン細胞と
ガン幹細胞の両方に発現している
分子を、白血病のマウスで見つけ
る取り組みを紹介しました。平尾
教授は「ガン幹細胞の発現を制御
する部分(プロモーター)を可視
化し、ガン幹細胞がどういう信号
に依存しているかを突き止め、
治療への応用につなげたい」と語
りました。

ガン幹細胞を具体的に死滅させる

方法が語られている動画です。

www.youtube.com/watch?v=lequupRyXSI
 
 
 
 
 
 
 






























血管を作らせない治療に欠陥は
ありません。笑

 
 
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2】 記憶障害を起こさせるタンパク質

理化学研究所(埼玉県和光市)は、
アルツハイマー病の発症に関与す
る異常タンパク質の脳への蓄積が、
老化に伴う記憶障害の原因にもな
っていることを高島明彦(たかし
ま・あきひこ)チームリーダーら
がマウスの実験で、11月16日まで
に確認したと発表しました。

記憶障害を手掛かりに、異常
タンパク質の蓄積を早期に見つけ
られれば、将来はアルツハイマー
病の予防にもつながり得るという
ことです。欧州の専門誌に論文が
掲載されました。

このタンパク質は「タウ」と呼
ばれ、記憶障害や認知障害が起き
るアルツハイマー病では、過剰に
リン酸化された異常な形で、記憶
をつかさどる脳の海馬や大脳皮質
の神経細胞に沈着します。一方、
通常の老化でも「嗅内野(きゅう
ないや)」と呼ばれる、記憶の
形成にかかわる脳の特定部位に
異常なタウが沈着することが知ら
れていましたが、記憶障害との
直接の関連は未解明でした。

高島さんらは、遺伝子操作で
人間のタウを持たせ、老化すると
記憶障害を起こすマウスに対し、
深いプールを繰り返し泳がせ足場
の場所を探させる記憶力テストを
実施しました。生後20カ月以上の
老齢マウスは場所をなかなか覚え
られず、記憶力の低下が起きて
いることが分かりましたが、この
マウスの脳には、完全な沈着まで
はいかないものの異常なタウが
蓄積しており、それで神経活動が
低下していたと推測されました。

高島さんは「異常タウは、沈着
する前なら薬などで元に戻せる。
いかに早期に発見できるかが課題
だ」と話しています。

タウタンパク質とβ-アミロイドに関する

動画です。

www.youtube.com/watch?v=u0xtizjUCIs

 
 
 
 
 
 
 
 
 



























タウは老荘思想のタオではありません。笑
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編集後記

白血病の腫瘍細胞(以下、白血
病細胞)では、細胞周期が遅いも
のが多く、抗ガン剤が効きにくく
なるとその傾向が顕著となりまし
た。白血病の末期は、白血病細胞
が骨髄と末梢血を埋め尽くし全く
抗ガン剤が効果がないというお手
上げの状態でした。つまり、腫瘍
幹細胞で埋め尽くされていたわけ
です。したがってガン細胞を活性
化して(細胞周期を短くして)
ガン細胞を抗ガン剤でたたくとい
うのは、非常に難しいと考えられ
ます。活性化する方法が難しいの
と、ニッチに潜んでいる腫瘍幹
細胞をたたくこと自体も難しい
わけです。それは、骨髄移植を行
ってもさらに再発する患者さんが
いるという事実からも支持されま
す。莫大な量の抗ガン剤と放射線
を組み合わせてもニッチにいる幹
細胞はびくともしない構図が見え
てきます。現実的には、腫瘍幹
細胞をニッチから追い出すことを
考えたほうが臨床応用が利く気が
します。異常タウの早期治療には、
非常に興味があります。診断が
正確なら、沈着前に治療を開始で
きるでしょう。

タウの沈着は、冷静沈着に行わ
れる。笑
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藤田 亨
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