2014-08-19 19:41:13

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診療マル秘裏話　Vol.208　平成19年11月22日作成
作者　医療法人社団　永徳会　藤田　亨

 
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目次
1)　 麻疹ウイルスの進入経路
2）　食欲を低下させるタンパク質

 
 
 
 
 
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医療界のトピックスを紹介するこのメールマガジンは
1週間に1回の割合で発行しています。もっと回数を増や
して欲しいという要望もあるのですが、私の能力のなさ
から1週間に1回が限度となっています。これからも当た
り前の医療をしながら、なおかつ貪欲に新しい知識を
吸収し読者の皆様に提供してゆきたいと思っております。
不撓不屈の精神で取り組む所存ですのでどうかお許し下
さい。

 
 
1】 麻疹ウイルスの進入経路

九州大の柳雄介（やなぎ・
ゆうすけ）教授（ウイルス学）
と前仲勝実（まえなか・かつみ）
准教授（構造生物学）の共同
研究グループは11月6日はしかの
原因の麻疹（ましん）ウイルス
が細胞に侵入する際、ウイルス
の表面にあり、細胞側の受容体
と結合するタンパク質の立体
構造を「世界で初めて解明した」
と発表しました。

構造解明はウイルスの細胞
侵入を食い止める手法を究明す
ることにつながり、グループは
「エイズを含むさまざまなウイ
ルスの新ワクチン開発にも応用
できる可能性がある」と話して
います。論文が今週にも米国
科学アカデミー紀要（電子版）
に掲載されます。

研究グループによると、ヒト
の細胞を使い大量に精製した
タンパク質を結晶にして、エッ
クス線で解析しました。6つの
羽根を持つプロペラ状の構造
をし、大部分が鎖状の糖で覆わ
れていることが分かりました。

プロペラ状の先端の一部は糖
に覆われていない部分から突き
出ていて、細胞と結合し、ウイ
ルスが増殖していくメカニズム
も解明できました。

はしか予防に有効な麻疹ワク
チンは、抗体がこの結合部分を
覆ってウイルス侵入を防ぐ仕組
みになっており、エイズなど
ほかのウイルスにも応用可能と
いうことです。

ウイルスについて基本的な知識から

分かりやすく講義されている講義の

動画です。映像の解像度が悪いので

全画面表示にして動画をご覧下さい。

www.youtube.com/watch?v=wITWgHFIrOc

 
 
 
 
 
 
 

鷹揚とした気分で応用した。笑

 
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2】 食欲を低下させるタンパク質

オーストラリアのセント・
ビンセンツ病院などのチームは
11月7日までに、進行したガン
患者さんの食欲低下の原因とな
っているタンパク質を特定し、
それへの抗体を与えることで
食欲を回復させる動物実験に
成功したと発表しました。
研究は米医学誌ネイチャーメデ
ィシンにこのほど発表されまし
た。

チームはマウスに対する実験
で、進行したガン患者さんの
血液中に高い値でみられるＭＩ
Ｃ-１と呼ばれるタンパク質が
脳で食欲を低下させる働きをし
ていることを突き止めました。

このタンパク質に対する抗体
をマウスに与えたところ、食欲
が戻り体重減少が止まりました。
近い将来、ガン患者さんが化学
療法などの治療に耐える体力を
回復するのに使える可能性があ
ると推測しています。

一方、肥満のマウスにこの
タンパク質を与えたところ、
食欲が抑えられ、体重も減少し
ました。この手法で肥満患者
さんの食欲を抑え、減量する
治療も可能だということです。

ガン治療中の食事について栄養士

さんが解説した動画です。

www.youtube.com/watch?v=QWYQUfmiG-Q

 
 
 
 
 
 

食事の原料を考えて減量した。笑

 
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編集後記

ウイルスが体内に侵入する
仕組みが発見されたのは画期的
な発見と申し上げてよいでしょ
う。エイズウイルスやエボラ
出血熱のウイルスなどは、感染
してからの治療が非常に困難で
す。したがって、感染予防が
絶対に必要です。是非とも早期
の臨床試験が開始されることを
望みます。完全に感染予防がな
されるとすれば、ノーベル賞級
の発見と言えるのではないでし
ょうか？現代の飽食の時代肥満
に悩む人は多いと思われます。
ガンの患者さんの血液中に多い
というのは、何となく薄気味悪
い気もしますが、抗体治療に
より、食欲が回復したとのこと
ですので、非常に効果的である
ことが予想されます。ただし、
タンパク質は内服薬にするのは
難しいかもしれません。また
マウスでは上手くいっても、人
で副作用があるかもしれません。
マウスは、物を言わず、有害な
事象が出現していても分からな
い場合があるからです。まだ
肥満の治療に使えるということ
は確かめられていないのでこの
タンパク質の臨床試験の結果が
早く見たいものです。

幹線道路でウイルスに感染した。笑

 
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