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診療マル秘裏話 Vol.205 平成19年11月1日作成
作者 医療法人社団 永徳会 藤田 亨

 
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目次
1)  ピロリ菌による胃ガンの発症機序
2) アルツハイマー病の新診断法

 
 
 
 
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医療界のトピックスを紹介するこのメールマガジンは
1週間に1回の割合で発行しています。もっと回数を増や
して欲しいという要望もあるのですが、私の能力のなさ
から1週間に1回が限度となっています。これからも当た
り前の医療をしながら、なおかつ貪欲に新しい知識を
吸収し読者の皆様に提供してゆきたいと思っております。
不撓不屈の精神で取り組む所存ですのでどうかお許し下
さい。
1】 ピロリ菌による胃ガンの発症機序

抗生物質を使ってピロリ菌を
除菌することで、ガンを予防
できるかどうかは、現在も結論
が出ていません。国際会議では
香港大のベンジャミン・ウァン
教授が大規模調査の結果を紹介
しました。

ウァン教授らは、胃ガンや胃
かいようがないピロリ菌感染者
計1630人(35-65歳の
中国人男女、平均年齢42歳)
を、無作為に除菌群と非除菌群
に分け、7年半、胃ガンの発症
状況などを追跡しました。

その結果、萎縮(いしゅく)
性胃炎などの「前ガン病変」が
ない人に絞った解析では、
非除菌群から6人が発症したの
に対し、除菌群では0人でした。
しかし、全体では除菌群
(817人)から7人、非除菌
群(813人)から11人が
発症し、統計学的に有意な差は
つきませんでした。

さらに詳細な解析からは、
年齢が若く、ピロリ菌を持って
いても先行病変がない人は、
除菌によって発症が非常に強く
抑えられることが判明しました。
一方、胃の中に少し変化が起き
ている人は、除菌によって一部
は発症を抑えられますが、
あまり効果はないことが分かり
ました。

国際会議の座長を務めた
北海道大の畠山昌則教授は
「長い間ピロリ菌が胃の中に
存在すると、胃の粘膜に変化が
起きる。変化がどの状態まで
なら、除菌によって胃ガンを抑
えることができるのか、疫学的
な調査が今後の課題だ」と指摘
しています。

畠山教授は国際会議でピロリ
菌が胃全体の粘膜を「ぼこぼこ
にしてしまう」メカニズムを
発表しました。

畠山教授によると、胃粘膜に
は、上皮細胞が石畳の敷石の
ような状態で並んでいるという
ことです。ピロリ菌に感染する
と、菌が「CAGA」と呼ばれ
るたんぱく質を細胞内に注入し、
この敷石間のつながりを壊して
しまいます。これが胃炎の状態
で、さらに症状が進んで穴が大
きく開けば胃かいようになり
ます。

胃などの器官の中に並んだ
細胞は、一つが傷ついた場合で
も隣り合う細胞同士で修復し
合う働きがあります。しかし、
ピロリ菌は細胞間のつながりを
壊すため、この働きを邪魔し
ます。ピロリ菌が注入したCA
GAは、体内の酵素によって
活性化したんぱく質「SHP2」
と結びついて細胞のガン化を
促進するということです。

ピロリ菌は、胃かいようや
十二指腸かいようなどを引き起
こすことも分かっています。
ピロリ菌は胃酸に弱いのですが、
胃粘液の下に潜り込むことで
胃酸から逃れています。
ピロリ菌はウレアーゼという
酵素を持ち、この酵素で胃の中
の尿素からアンモニアを作り出
し、周辺の酸を中和することに
よって生き延びているという
ことです。
名古屋大の浜島信之教授
(予防医学)などのグループは、
日本人などの東アジア人に多い
遺伝子のタイプが、ピロリ菌
感染による胃ガンの発症に関連
していることをうかがわせる
疫学調査結果を発表しました。

浜島教授らは、日本人と、
遺伝的に日本人と変わらない
ブラジルに住む日系人計約15
00人の遺伝子を解析しました。
SHP2を作る遺伝子
「PTPN11」にあるSNP
(スニップ、一塩基多型)を調
べました。

その結果、SNPが「AA」
型の人では、1-2割しか胃ガン
を引き起こす胃粘膜萎縮が起き
ていませんでした。一方、
「GA」や「GG」型の人は、
5-6割で萎縮が起きていました。

さらに、今回の調査対象者の
約96%は「GA」「GG」型
であることも判明しています。
日本人はピロリ菌感染による胃
ガン発症の危険性が高い恐れが
あることをうかがわせる結果だ
ということです。

浜島教授は「PTPN11の
遺伝子型分布によって、胃ガン
の発症頻度の分布が説明できる
かもしれない。今後、生物学的
な研究を進めて遺伝子治療に
つなげることも期待できる」と
話しています。

ピロリ菌について分かりやすく

解説した動画(音声)です。

www.youtube.com/watch?v=mpcEEuLXhF4
 
 
 
 
 
 
 
 

































ピロリ菌のCAG-Aは、情報誌の
フロムAでも、ギャグええでも
ありません。笑

 
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2】 アルツハイマー病の新診断法

アルツハイマー病の初期症状
や将来の発症について、血液
検査で診断・予測する方法を
発見したと、米スタンフォード
大などの国際チームが米医学誌
ネイチャーメディシン(電子版)
に10月14日発表しました。

アルツハイマー病は健忘症状
などを初期症状としますが、
初期段階や発症前の診断は困難

いわれています。早期診断に
成功すれば、進行を遅らせる
治療が効力を発揮する可能性が
あります。

チームは、脳が信号を伝達す
るタンパク質の放出を通じて体
の機能を制御していることに
着目しました。信号伝達に関す
る既知のタンパク質120種類に
ついて、アルツハイマー病患者
さんとそうでない人の血液試料
を調べたところ、患者さんには
18種類のタンパク質が多く含ま
れていることが判明しました。

これら18種類のタンパク質を
指標に、92人の血液を調べると、
約90%の確率で患者かどうか
を判別できました。また軽度の
健忘を示した47人を追跡調査し
た結果、約80%の確率で、
2〜6年後の発症を予測すること
ができました。さらに症例を
増やして数年後の実用化を目指
すということです。

アルツハイマー病の血液診断の

ニュース動画です。

www.youtube.com/watch?v=kHrfcsVR-FY

 
 
 
 
 
 
 
 




































権謀術数を尽くした権力者が
健忘した。笑

 
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編集後記

ピロリ菌の悪さを食い止める
ために、ピロリ菌による潰瘍や
胃ガン(MALT Lymphomaを含む)
の発生機序が明らかになること
は有用であると思います。いま
まで細胞内伝達機構のCAG-Aの
関与は指摘されていましたが、
その後の機序が分かっていませ
んでした。早く全貌が明らかに
なることを祈っています。
アルツハイマー病が血液検査で
分かるようになれば素晴らしい
ことです。ただ90%の確率では、
残りの10%が分からないという
ことです。偽陰性、偽陽性が
極端に少なくなるようにして
もらいたいものです。

任地で認知症になった。笑

 
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