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診療マル秘裏話 Vol.254 平成20年10月9日作成
作者 医療法人社団 永徳会 藤田 亨

 
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目次
1)  スタチン開発の歴史
2) HIVウイルスの増殖を妨げる強力な助っ人

 
 
 
 
 
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医療界のトピックスを紹介するこのメールマガジンは
1週間に1回の割合で発行しています。もっと回数を増や
して欲しいという要望もあるのですが、私の能力のなさ
から1週間に1回が限度となっています。これからも当た
り前の医療をしながら、なおかつ貪欲に新しい知識を
吸収し読者の皆様に提供してゆきたいと思っております。
不撓不屈の精神で取り組む所存ですのでどうかお許し下
さい。

 
1】 スタチン開発の歴史

コレステロール低下薬の販売は、
スタチン開発の20年以上前に
さかのぼります。その頃の薬は、
コレステロールの腸管吸収を抑制
したり、体外排出を促す作用を用
いるしかなく、スタチンのように、
コレステロール合成を調節する
酵素の働きを直接抑える薬では
ありませんでした。

スタチンの効果を検証する研究
はこの10年余りで急速に進みま
した。

北欧5カ国の医師は94年、
心臓発作経験者を対象に、
スタチンの一種「シンバスタチン」
の効果を調べた調査結果を公表し
ました。投与されたグループは、
偽薬使用のグループに比べ、
総コレステロール値は25%、
LDLコレステロール値は35%
下がりました。心臓発作の発症率
も34%低くなりました。

00年までに欧米で公表された
五つの臨床試験をまとめると、
LDLコレステロール値は25-
35%、心臓発作の発症率は24
-37%、総死亡率は9-30%
低下することが分かりました。
07年に発表された日本の大規模
臨床試験でもほぼ同様の結果が得
られました。

脳卒中発症の危険性も、LDL
コレステロール値の低下に伴い低
くなりました。東京慈恵会医科大
の多田紀夫教授(代謝・栄養内科
学)は「スタチンは脂質を下げる
だけでなく心臓発作の発症率低下
に役立つ。ただ、薬に頼る姿勢で
はなく、バランスの取れた食事や
運動の大切さを認識してほしい」
と話しています。

コレステロールは食事で体内に
取り込まれるほか、主に肝臓で
合成されます。

製薬会社「三共」(現・第一
三共)の研究者だった遠藤さんは、
犬やサルに比べて人は体内で作ら
れるコレステロールの割合が高い
ことに着目しました。人のコレス
テロール値を下げるには、肝臓で
の合成を抑えることが重要と考え
ました。

米国留学から帰国した68年、
カビやキノコから酵素の働きを妨
げる微生物探しに着手しました。
約6000種類の微生物を調べ、
73年、コメから分離された青
カビから、コレステロール合成を
抑える物質「コンパクチン」を見
つけました。その5年後、コンパ
クチンの臨床試験は軌道に乗り、
三共を退社しました。

コンパクチンをもとに、現在、
世界で7種類のスタチンが販売さ
れています。先駆けて製品化した
のは米製薬会社「メルク」です。
コンパクチンの類似物質「ロバス
タチン」を見つけ、87年に発売
しました。三共がコンパクチンの
構造を一部変えた「プラバスタチン」
の販売にこぎ着けたのは、その2
年後でした。

遠藤さんは「日本はスタチン
開発で8-9合目まで行ったが、
最後の壁を打ち破ろうとする底力
が米国にはあった」と述懐してい
ます。

悪玉コレステロールは実は悪玉

ではなかったという研究に関する

動画です。

www.youtube.com/watch?v=s6sUFxSXVU4

 
 
 
 
 
 
 
 































豪勢な米のカビから合成された。笑

 
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2】 HIVウイルスの増殖を妨げる強力な助っ人

人の細胞にあってエイズウイルス
(HIV)の増殖をじゃまする
「APOBEC」というタンパク
質が、特定の酵素の働きでより強
いウイルス増殖抑止力を得ること
を、京都大の高折晃史(たかおり・
あきふみ)講師らの研究チームが
突き止め、米科学誌の電子版に
10月6日発表しました。

酵素は「Aキナーゼ」と呼ばれ、
HIV感染した細胞に加えると
増殖の勢いが弱まりました。

HIV治療では、既存の薬が効
かない薬剤耐性ウイルスの拡大が
世界的な脅威となっています。
高折講師は「新たな治療薬の手掛
かりにしたい」と話しています。

APOBECはHIVの遺伝子
を変異させて増殖をじゃまする働
きを持っています。ただ通常は
HIVがつくるタンパク質に逆に
分解され、十分なウイルス増殖
抑止力が発揮できないでいると
されています。

研究チームは人の細胞を使った
実験で、Aキナーゼの働きで
APOBECが分解されにくい
性質に変わることを発見しました。
HIV増殖の勢いを弱める効果を
確かめました。

HIVのウイルスの身体への悪影響を

示した動画です。

www.youtube.com/watch?v=3zohoxz-0Hs

 
 
 
 
 
 
 
 

































高祖が公訴され、酵素を作った。笑

 
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編集後記

病気を治す薬の開発のために6000
種類の微生物を調べ、たった一つの
物質を見つける情熱は、素晴らしい
といえるでしょう。遠藤さんには、
米国版ノーベル賞の「ラスカー賞」
が9月末、贈られました。HIVの
増殖を根本的に改善する新薬の登場
を期待して止みません。
24時間戦えますか!三共リゲイン
のテーマ。笑

 
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