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診療マル秘裏話 Vol.239 平成20年6月26日作成
作者 医療法人社団 永徳会 藤田 亨

 
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

 
 
目次
1)  慢性骨髄性白血病の画期的治療
2) 心筋の分化に関するタンパク質

 
 
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医療界のトピックスを紹介するこのメールマガジンは
1週間に1回の割合で発行しています。もっと回数を
増やして欲しいという要望もあるのですが、私の能力の
なさから1週間に1回が限度となっています。これからも
当たり前の医療をしながら、なおかつ貪欲に新しい知識
を吸収し読者の皆様に提供してゆきたいと思って
おります。不撓不屈の精神で取り組む所存ですので
どうかお許し下さい。

1】 慢性骨髄性白血病の画期的治療

慢性骨髄性白血病の根治につながる
治療法を、日米伊の研究チームが開発
しました。ガン細胞を生み出す幹細胞
を、薬が効く活性化状態にして攻撃
するというものです。肺ガンなど他の
ガンに応用できる可能性もあり、注目
されています。6月19日付の英科学誌
「ネイチャー」で発表されます。

慢性骨髄性白血病の幹細胞は通常、
ほとんど増殖しない「静止期」にあり、
薬が効きにくいとされています。米
ハーバード大医学部の伊藤圭介研究員
らは、日米の患者80人以上から骨髄
を採取し分析しました。9割以上の
患者でPMLという遺伝子が強く発現
し、強く発現している患者は薬が効き
にくいことが分かりました。

人工的にPMLをなくしたマウスは
幹細胞が一時的に活性化しました。
この点などから「PMLは白血病
幹細胞の活動を抑え、幹細胞の機能を
長持ちさせている」と結論付けました。

一方、白血病のマウスにPMLを抑
える亜ヒ酸を投与後、抗ガン剤を与え
ました。白血病細胞が幹細胞も含めて
消失し再発しませんでした。ヒトの
白血病細胞でも効果がありました。

白血病に限らず、ガンの幹細胞は
「静止期」にあるなどの性質を持つと
されています。研究チームは、亜ヒ酸
を投与してPMLの発現を抑え幹細胞
を活性化させてから、抗ガン剤を投与
する新治療法について、日米伊で臨床
試験の準備を進めています。

亜ヒ酸とは、ヒ素のことです。ヒ素
と言えば和歌山毒入りカレー事件が
有名ですが、中国では慢性骨髄性白血
病の治療に使われていました。当然
濃度が問題で急性ヒ素中毒を起こす量
のヒ素を投与することはありません。
適切な量を使うと完全寛解に持ち込む
ことができることは分かっていました。
ただそのメカニズムについては不明
でした。今回そのメカニズムが明らか
になったことは重要な発見で、白血病
以外の悪性腫瘍にも応用可能でしょう。

ガン幹細胞に関する研究者のインタビュー

動画です。

www.youtube.com/watch?v=wvjz4p1ZChM
 
 
 
 
 
 
 
 
 



























ヒソヒソ話で、カレーにではなく
治療にヒ素を使う。笑

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2】 心筋の分化に関するタンパク質

心臓の形成に重要な働きをする
たんぱく質を、小室一成・千葉大大学
院教授らが発見しました。幹細胞の
培養に使うと、10-20%の高い割合
で心筋細胞が発生するということです。
人にも存在し、重篤な心臓病の新たな
治療法につながるかどうか注目されて
います。

心筋細胞の再生には、人工多能性
幹細胞(iPS細胞)や胚(はい)性
幹細胞(ES細胞)が注目されて
います。だが、心筋細胞に分化する
割合は1%程度でした。

研究チームは、心筋細胞への分化を
促すたんぱく質が存在すると考えまし
た。マウスで実験した結果、「IGF
BP-4」というたんぱく質を幹細胞
の培養に使うと、10-20%の割合
で心筋細胞が発生することを突き止め
ました。

また、孵化(ふか)直後のオタマ
ジャクシで、このたんぱく質の働きを
止めると、心臓が小さくなったり消滅
することも分かりました。

現在の重症心不全の治療は薬物治療
が主流ですが、生存率は5年で平均約
50%です。心臓移植も国内で年間
10例前後にとどまると言われていま
す。小室教授は「このたんぱく質を使
い、心筋細胞内の幹細胞を刺激し、
心筋の再生を可能にしたい」と話して
います。6月5日付の英科学誌ネイチャー
電子版に発表しました。

心筋細胞内の幹細胞を刺激すること
も重要ですが外からの幹細胞(iPS
細胞やES細胞)の分化に使い移植
する実験が臨床応用にもっとも近い気
がします。

患者自身の心筋から幹細胞を得て

増殖して、バイパス手術時に心筋に

直接注射して戻すという治療法の動画

です。動画の埋め込みに失敗しました。

リンクをクリックして動画をご覧下さい。

www.youtube.com/watch?v=jedhAvklORw

 
 
 
 
 
 
 
 
 
https://www.youtube.com/watch?v=jedhAvklORw




















分化才は、文化祭ではありません。笑

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編集後記

白血病の治療をする上でいちばん
厄介なのは、静止期あるいは休止期と
いわれる状態の白血病幹細胞の存在で
した。これをなんとか分化できないか
と世界中の研究者がしのぎを削って
いましたが、身近な毒のヒ素がPMLの
発現を抑え幹細胞を分化する働きが
あるとは、本当に驚きです。危険な
ヒ素を中国は、長年治療に使っていた
と言う事実はこれもまた驚天動地と
言わざるをえません。幹細胞を使った
心筋への分化がわずか1%とは驚き
です。万能細胞ができたからといって
も、分化する幹細胞の率が低すぎると
臨床応用できません。今回はその壁を
突破する素晴らしい研究成果であった
と思います。

心筋への分化は、真菌への分化では
ありません。笑
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