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診療マル秘裏話 Vol.86 平成17年7月28日作成
作者 医療法人社団 永徳会 藤田 亨

 
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目次
1) 骨髄間質細胞から筋肉への分化に成功
2) 活性酸素は老化に関与しない?

 
 
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 
医療界のトピックスを紹介するこのメールマガジンは
1週間に1回の割合で発行しています。もっと回数を増や
して欲しいという要望もあるのですが、私の能力のなさ
から1週間に1回が限度となっています。これからも
当たり前の医療をしながら、なおかつ貪欲に新しい知識
を吸収し読者の皆様に提供してゆきたいと思っており
ます。不撓不屈の精神で取り組む所存ですのでどうか
お許し下さい。

1】 骨髄幹細胞から筋肉への分化に成功

骨髄に含まれる骨髄間質細胞から、
筋肉(骨格筋細胞)を効率よく作り
出すことに、京都大の鍋島陽一
(なべしま・よういち)教授
(発生生物学)、出澤真理(でざわ・
まり)・助教授(機能微細形態学)
らが成功し、米科学誌サイエンス
(電子版)に7月8日、発表しました。

マウスに移植する実験では、損傷
した筋肉組織が繰り返し再生、修復
されることも確認されました。
筋ジストロフィーや、事故、手術で
筋肉を失った患者の治療につながる
成果だと言えます。

骨髄間質細胞は骨髄(骨の内側に
ある組織)の土台となる細胞です。
骨髄間質細胞は骨髄の幹細胞
(どんな血球にも分化可能な細胞)
を血球にするゆりかごの働きをもつ
といわれている細胞です。この細胞
は骨髄穿刺という手技により、患者
本人や親族から容易に採取でき、
死亡胎児の細胞や受精卵を用いる
再生医療に比べ、倫理面や移植時の
拒絶反応の問題が少なく、有用性が
高いと言われています。

出澤助教授らは、人の骨髄間質
細胞に、分化を促すタンパク質を
加えたり、胎児期に臓器や組織の
発生を制御する遺伝子を導入した
りして、骨格筋細胞のもととなる
骨格筋幹細胞と筋芽細胞を作りま
した。これを筋ジストロフィーの
症状が出ているマウスの足に移植
したところ、収縮能力のある成熟
した筋肉になったのです。
もちろんマウスで成功したからと
いって人間で同じことがすぐに
使えるということはありません。
しかし筋ジストロフィーという
難病は今まで全く治療法がありま
せんでした。マウスでの成功を
人間での成功に結びつけるのは大変
だと思われますが、是非努力して
人間の筋ジストロフィーの患者を
救ってあげてほしいものです。

マウスでは1度移植すれば筋肉を
再び傷つけても再生、修復しました。
また、骨髄間質細胞の約90%を
骨格筋細胞にできました。これは
偉大な成果といえるでしょう。
鍋島教授は「来年までに猿や
犬で有効性や安全性の検証を始め
たい」と話しているそうですが、
早く人間に近い動物での有用性を
確認してほしいものです。

乳歯からとれる歯髄幹細胞に関する

動画です。

www.youtube.com/watch?v=RDi_RGG-2z0

 
 
 
 
 
 
 
 




































近未来難病も何秒かからずに治療
される時代がくるでしょう。笑

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

2】 活性酸素は老化に関与しない?

老化の有力な原因の1つとされて
きた「活性酸素」が、実は老化に
関与していなかったとの研究結果を、
東大食品工学研究室の染谷慎一
(そめや・しんいち)特任教員らと
米ウィスコンシン大、フロリダ大
のチームがまとめました。チームは
さらに、細胞内小器官
「ミトコンドリア」にあるDNAの
損傷蓄積が老化の一因となる
メカニズムを解明しました。7月15日
付の米科学誌サイエンスに発表した
ということです。

活性酸素は、体を酸化させ、
遺伝子や細胞膜を傷付ける有害物質
とされています。従来、活性酸素が
ミトコンドリアを攻撃して老化を
促すと考えられてきました。その
働きを抑える抗酸化効果をうたった
健康補助食品などが市場をにぎわせ
ています。

ところが、染谷特任教員は
「マウスを使った実験で、活性酸素
がミトコンドリアに障害を与えて
いるとの見方が否定された。新たな
メカニズム解明は、老化の抑制方法
開発につながる」と話しているそう
です。

チームは、「ミトコンドリアDNA」
と呼ばれる、細胞核のDNAとは別に
ミトコンドリアが独自に持つDNAに
着目しました。このDNAの損傷修復
機能を失わせたマウスを遺伝子組み
換えで作りました。いわゆるノック
アウトマウスと呼ばれる
ミトコンドリアDNAの遺伝子修復に
関係する遺伝子を先天的に損傷した
マウスを作った訳です。

すると組み換えマウスのグループ
は、正常マウスのグループに比べて
DNA損傷が加速的に蓄積しました。
脱毛や白髪化、背骨の湾曲などの
老化症状が見られ、老年性難聴の
発症も確認されたということです。
従ってミトコンドリアDNAが損傷
すると老化症状を引き起こすこと
が分かったと論文の著者は言って
います。

グループ内の最高寿命も、正常な
マウスの約28カ月に対し約15カ月と
短かったという結果がでました。
またミトコンドリアDNAの損傷が蓄積
するとアポトーシスと呼ばれる細胞
死が増え、老化が進行することも
分かったということです。

一方、ミトコンドリアの活性酸素の
レベルなどを両グループで比べた
ところ差はなく、活性酸素や酸化スト
レスの増加が、老化に関与していない
ことが分かったということです。

ミトコンドリアの基礎的な知識を解説

した動画です。

www.youtube.com/watch?v=5yD9SC6RXdU

 
 
 
 
 






























本物の研究は多くの年月の風雪に
耐え、風説(うわさ)と呼ばれない
ものでしょう。笑

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
編集後記

骨髄幹細胞から筋肉細胞に分化が
成功したという事実は、喜ばしい
ことでしょう。この平成17年当時は
まだiPS細胞が発見されていなかった
ので、骨髄幹細胞やES細胞を使った
再生医療モデルが提唱されていました。
iPS細胞が発見されたのは、翌年の
平成18年のことです。医学の研究者は
何とか自分の仮説の正しさを検証
しょうとして、あらゆる実験をマウス
で行っています。人間ではありえない
奇形のマウスを作って正常マウスとの
比較を行いその遺伝子の役割を新たに
解明するという手法も常套手段として
ある程度認められています。しかし
老化というメカニズムに限っては
奇形マウスの症状が老化に似ている
からと言って正常のマウスの老化と
同じと言うわけには行かないと
思います。正常マウスの老化がどの
ようなメカニズムで起こるのかを
知りたいと思います。が、しかし
あらかじめ遺伝子の傷害のあるマウス
での老化に類する知見から正常マウス
の老化を推測することは不可能だ
と思われます。

廊下を歩いて老化について考える。笑

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