2014-02-25 23:47:22

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診療マル秘裏話　Vol.183　平成19年5月31日作成
作者　医療法人社団　永徳会　藤田　亨

 
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

 
目次
1)　時差ぼけ解消にバイアグラ
2） 糖尿病の有病率アップ

 
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 
 
医療界のトピックスを紹介するこのメールマガジンは
1週間に1回の割合で発行しています。もっと回数を
増やして欲しいという要望もあるのですが、私の能力の
なさから1週間に1回が限度となっています。これからも
当たり前の医療をしながら、なおかつ貪欲に新しい知識
を吸収し読者の皆様に提供してゆきたいと思って
おります。不撓不屈の精神で取り組む所存ですので
どうかお許し下さい。

 
 
1】 「時差ぼけ」解消にバイアグラ

ハムスターに勃起（ぼっき）
不全治療薬「バイアグラ」を
注射すると、「時差ぼけ」
からの回復が早まることが、
アルゼンチンの研究チームの
実験で明らかになり、5月21
日付の米科学アカデミー紀要
電子版に発表されました。
研究チームは「頻繁に旅行
する人の時差ぼけ解消にも
役立つかもしれない」と分析
しています。

ハムスターに体重１キロ
あたり３・５ミリグラム、
１０ミリグラムのバイアグラ
をそれぞれ注射したうえで、
明かりをつける時間を６時間
早め、運動を始める時間を
調べました。その結果、注射
しないハムスターは、新しい
明暗のリズムに適応して運動
開始時間が６時間早まるまで
に約１２日かかりましたが、
３・５ミリグラムを注射した
ハムスターは約８日、１０
ミリグラムのハムスター
は約６日かかりました。
つまり「時差ぼけ」解消に
要する時間が短くなったと
いうことです。バイアグラを
注射したハムスターは、体内
時計が早く調節されたとみら
れています。

バイアグラは勃起に関わる
化学物質の分解を抑制する
ことで作用します。この化学
物質は、体内時計を調節する
神経経路にも作用し、分解が
抑制されることで時差ぼけ
解消が早まると推測されて
います。

上記勃起に関わる化学物質

とは、ｃ－GMPと呼ばれる物質

です。ｃ－GMPの分解酵素が

PDE-5で、この酵素を阻害する

ことによってｃ－GMPの濃度が

上昇し、勃起が誘発されると

いうことです。正常の勃起の

メカニズムについての動画です。

www.youtube.com/watch?v=xJXf0SrqL9E

 
 
 
 

光刺激は、網膜を通して、

神経線維を伝わり視床下部の

視交差上核に伝わります。

このとき重要な役割を担う

物質として、サイクリック

GMPが挙げられます。

このサイクリックGMPはPDE

によって分解されます。

PDEには、数種のアイソザイム

の存在が知られています。

バイアグラ（シルデナフィル）

は、PDE5の阻害剤です。

バイアグラを服用する事に

より、このサイクリックGMP

の分解が抑制され、 その結果、

細胞内のサイクリックGMP濃度

が上昇し、そして、体内時計

の針を進めます。

このバイアグラの作用は、

光刺激があって初めて発揮

されるとのことです。作用を

発揮する光刺激には閾値が

あります。閾値以上の光でなく

ては、この体内時計に作用する

効果は認められません。

新庄選手は、日本の
「阪神トラスター」であり、
「日本ハムスター」でもある。笑

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2】 糖尿病の有病率アップ

４０歳以上の人で、糖尿
病患者さんと予備群の割合が
３３・３％に達したことが、
厚生労働省の「０６年国民
健康・栄養調査速報」で
分かりました。０６年１０月
１日の推計人口に基づく推計
では、有病者は約８３０万人、
予備群は約１４９０万人に達
することになります。

調査では、過去１-２カ月
の平均的な血糖の状態を示す
と言われる「ヘモグロビン
Ａ１ｃ（ＨｂＡ１ｃ）」が
６・１％以上（正常値
４・３-５・８％ＪＤＳ値）
か、インスリン注射、血糖
降下薬を服用している人を
「糖尿病有病者」と判定し
ました。ＨｂＡ１ｃ５・５％
以上６・１％未満を「予備群」
としました。

有病者は４０歳以上の
１１・９％で前年と変わり
ませんでしたが、予備群は
２１・４％と前年より２・７
ポイント増え、合わせると
３３・３％でした。男女別
では、男性は有病者１４・６
％、予備群１８・８％、女性
はそれぞれ９・９％、
２３・３％でした。

年齢が上がるほど有病者、
予備群とも増加し、５０代
以上ではほぼ１０人に１人
以上が有病者が認められま
した。一方、有病者で
インスリン注射などの薬物
療法を受けている人は
６・１％（約４２５万人）
にとどまっています。

同省が０２年に実施した
糖尿病実態調査では、２０
歳以上の糖尿病患者さんは
約７４０万人、予備群
８８０万人と推計されて
いました。対象年齢や予備
群の定義が異なるため単純
比較はできませんが、患者
さん、予備群の総数は
かなり増加していると見ら
れています。

清野裕・日本糖尿病協会
理事長は「薬物療法を受け
ている患者は０２年よりも
多く、（高血糖を放置
しないという）対策が進み
つつあるのかもしれない。
ただし予備群は引き続き
増加傾向にあり、今後も
生活改善などの指導が欠か
せない」と話しています。

糖尿病についての市民公開

講座の動画です。動画の埋め込み

に失敗しました。リンクをクリック

して動画をご覧ください。

www.youtube.com/watch?v=qchnWYP_6uo

 
 
 
 
 
 

https://www.youtube.com/watch?v=qchnWYP_6uo

予備軍の定義を提議した。笑

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編集後記

バイアグラで「時差ぼけ」
解消が早められればという
期待があるのは、確かです。
しかし、現在バイアグラは、
男性のみの使用に限られて
います。この実験で使われ
た、ハムスターは、性別を
考慮されているのでしょう
か？また注射でないと効か
ない可能性もあります。
糖尿病は、怖い病気です。
自覚症状に乏しく、発見が
困難です。大抵の場合、
喉の渇きや、多飲多尿、
尿臭、などで病院を訪れる
ようです。そのような兆候
を見逃さず、早期発見、
早期治療へと結びつける
努力が必要でしょう。

狡猾な糖尿病は、口渇で
のみしっぽを出す。笑

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