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診療マル秘裏話 Vol.433 平成24年3月15日作成
作者 医療法人社団 永徳会 藤田 亨

 
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目次
1) ”運び屋”タンパク質「ダイニン」の詳細な構造
2) 脳の機能の解明のための皮膚で光を感じるラット

 
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医療界のトピックスを紹介するこのメールマガジンは
1週間に1回の割合で発行しています。もっと回数を
増やして欲しいという要望もあるのですが、私の能力の
なさから1週間に1回が限度となっています。これからも
当たり前の医療をしながら、なおかつ貪欲に新しい知識
を吸収し読者の皆様に提供してゆきたいと思って
おります。不撓不屈の精神で取り組む所存ですので
どうかお許し下さい。

1】 “運び屋”タンパク質「ダイニン」の詳細な構造

細胞内でさまざまな物質を輸送し、
生物が生きる上で欠かせない”運び屋”
タンパク質「ダイニン」の詳細な構造
を大阪大蛋白質(たんぱくしつ)
研究所と東京大、早稲田大のチームが
突き止め、3月8日付英科学誌
ネイチャー電子版に発表しました。

ダイニンの機能異常がパーキンソン
病など一部の神経変性疾患や不妊症と
関連するとの指摘があるほか、
ウイルスが感染過程でダイニンを乗っ
取って細胞内に広がることもあるそう
です。同研究所の栗栖源嗣(くりす・
げんじ)教授は「病気発症の仕組みの
解明につながる」と話しています。

チームは、土などにいる微生物
「細胞性粘菌」のダイニンの一部を
結晶化しました。大型放射光施設
「スプリング8」(兵庫県)の強力な
エックス線解析装置で構造を調べ
ました。

モーターに当たる部位一つに足が
1本付き、細胞内に張り巡らされた
微小管と呼ばれるレールを2本足で
移動します。モーター内部で、動力源
となるアデノシン三リン酸(ATP)
とくっつき、足を動かすと推測されて
います。

ダイニンはタンパク質などが入った
小胞という袋やミトコンドリアを運ぶ
ほか、精子の尾を波打たせる働きも
あります。サイズが大きいため結晶化
が難しく、構造解析も困難でした。
詳細構造が判明したタンパク質として
は最大ということです。

モーターたんぱく質ダイニンとキネシン

について解説した動画です。

www.youtube.com/watch?v=erqRYIZy418

 
 
 
 















幸三さんの構造解析。笑

 
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2】脳の機能の解明のための皮膚で光を感じるラット

東北大の八尾寛(やお・ひろむ)
教授(光遺伝学)らの研究グループは、
皮膚で光を感じるラットの育成に世界
で初めて成功しました。3月6日付の
米科学誌に発表しました。皮膚には
本来、目の網膜にあるような光を感じ
る機能はなく、ラットは触覚として光
を感じているとみられるということ
です。

八尾教授は「脳が形や手触りなどを
どう認識しているかの仕組みは
ほとんど分かっていない。このラット
を使えばこの分野での脳の機能の解明
が進むのではないか」と期待を示して
います。

網膜の視細胞では光を感じる
タンパク質があり、光のエネルギーを
受け取り、脳に伝えることで視覚を
生み出しています。研究グループは
単細胞緑藻類「クラミドモナス」
が持つ、青い光を感じるタンパク質
「チャネルロドプシン2」に着目し、
このタンパク質を遺伝情報に組み込ん
だラットを育てました。目や体を黒い
布で覆って足だけを出し、発光
ダイオード(LED)青色光を当てた
ところ何かに触れたように足を動かす
反応がありました。赤色の光には
ほとんど反応しませんでした。

体内を調べたところ、チャネルロド
プシン2が触覚をつかさどる大型の
神経節に多く集まり、痛覚に関わる
小型の神経節には見つかりませんでし
た。このためラットに痛みではなく、
触覚として光を感じていると推測され
ます。

触覚と痛覚と圧覚についての動画です。

www.youtube.com/watch?v=OWRfMJPAZBI

 
 
 
 











研究グループは「将来的には指先で
文字や画像をよみとる技術開発にも
応用できる」と話しています。

食客が虫の触角を触覚で感じた。笑
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編集後記

細胞の運び屋のダイニンが構造を
特定できたのは、偉大な発見だと思い
ます。ネイチャーのような最高レベル
の科学雑誌に載るのはその証拠だと
思います。病気発症の仕組みの解明に
つながるということであれば、
ノーベル賞級の発見と言っても過言
ではないでしょう。脳科学の分野では、
今なお分かっていないことが多いと
言われています。人間の視覚一つ
とってみても、実際に見えているのは、
視野の中心のごく一部だけであって、
あとはほとんど人間の脳が作り出した
映像を視覚として感じているという
ことです。分からないことだらけの脳
の機能を調べる上では、有用なラット
ができたことは事実でしょう。
さらなる研究の成果が待たれるところ
です。

事実の時日。笑

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