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診療マル秘裏話 Vol.70 平成17年4月7日作成
作者 医療法人社団 永徳会 藤田 亨

★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
目次
1) 変異型ヤコブ病による献血の不足
2) アレルギーの経路を遮断する物質

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
1】変異型ヤコブ病による献血の不足

国内初の変異型のクロイツフェルト・
ヤコブ病(CJD)患者さんが発生した
ための献血制限の強化により、輸血用
血液が不足する恐れが出てきたため、
厚生労働省は1日、緊急の献血推進本部
を設置しました。一方、献血は全くの
ボランティアの善意によって供給されて
いるという事実があります。

こういう人(たとえばイギリスに
滞在歴がある人)はだめ、ああいう人は
だめという制限がつくとそんなに
うるさくいうのだったら献血をやめて
しまおうという人が必ずでてくるから
です。

さて本部長の尾辻秀久厚労大臣は、
献血推進本部設置のあいさつで「血液の
供給が滞ることは絶対あっては
ならない。全力を挙げて献血確保を」
とおっしゃったそうです。しかし
ボランティアの善意および献血しよう
という意欲を増やすのは難しいのでは
ないでしょうか?

献血された血液で手術を行い、命を
永らえた患者さんの体験談を集め、
それを献血希望の人に渡すということが
重要であると考えます。輸血は一種の
臓器移植ですから、拒絶反応がでること
も、副作用がでることもありえます。
そのような危険性を輸血を受ける患者
さんにもしっかりと伝えた上で、納得の
上輸血を受けそれがいかに自分の命を
延ばしたかということを医師から説明
を受けて、体験談を書いてもらうのです。

さて話は変わりますが、赤血球に
ついては将来人工赤血球が開発されれば
ほとんどの赤血球輸血の問題は解決され
ます。これは以前のメルマガでも述べ
ましたが、人工赤血球なら異型輸血
(血液型の違う血液を輸血すること)
や輸血による肝炎やその他の感染症
も防ぐことができるのです。しかし
血小板(血を固める働きのある細胞成分)
の輸血や新鮮凍結血漿(ヘパリンを
加えて採血した血液の血球成分を除いた
もの)は人工輸血の成分を作ることが
難しいため、実用化のめどがたって
いません。従ってこうした特殊な成分
だけの献血は将来にわたっても
絶対必要と考えられるのです。

厚労省によると、献血血液は例年、
年度末に不足しがちで、今年も3月末
時点の赤血球の在庫が全国で適正量の
74%まで落ち込んでいるそうです。
少子化で減少傾向にある上、今後、
変異型CJD対策として1980-96年に
英国滞在歴のある人の制限を始めれば
さらに低下が予想されます。4月
9日には尾辻厚労大臣が自ら東京・新宿
の街頭に立ち、献血を呼び掛ける予定
ということですが、そんな
パフォーマンスだけで献血の量が
増えるとは思われません。是非切実に
輸血を必要としている患者さんの
生の声を道行く人々に訴えて欲しい
ものだと思います。

献血が嫌血とならぬよう頑張って
頂きたいものです。笑

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

2】アレルギーの経路を遮断する物質

細胞内で情報伝達をする生理活性
物質(細胞の中で情報を伝える物質)
の受容体(生理活性物質の受け皿)
のうち、特定の1つが花粉症などの
アレルギー反応の鍵を握っている
ことを成宮周(なるみや・しゅう)
京都大教授(薬理学)らが突き止めた
ようです。この発見は米科学誌
ネイチャー・イムノロジー(電子版)
に4月4日発表されました。

現在治療に使われている
抗ヒスタミン剤はアレルギーが
起こる前の服用が必要です。
しかしこの受容体に結合する
化学物質を投与すると、アレルギー
の原因となる物質(抗原)
が体内に入った後でも効果がある
ということです。この物質を
アレルギーの治療薬開発につなげたい
と成宮教授は考えているようです。

この生理活性物質(細胞の中で情報
を伝える物質)は「プロスタグランジン」
とよばれるものです。成宮教授らは
これと結合する特定の受容体に注目
しました。この受容体がを作れない
マウス(ノックアウトマウスと言う)を
遺伝子工学でつくり、ぜんそくの抗原を
与えると通常のマウスに比べ喘息による
炎症がひどかったという結果がでました。

普通のマウスに、プロスタグランジン
と似た分子構造でこの受容体
(プロスタグランジンの受け皿)とだけ
結合する化学物質を最も効果的に投与
すると、炎症を起こす細胞数は3分の1に
減ったという結果がでています。結合に
よってアレルギーが起きる過程が遮断
されるためそのような結果になったと
考えられています。対症治療に使われて
いるステロイドの1000分の1以下の量で
同じ効果が得られるということです。
少量で効き副作用の少ない薬の開発が
期待できそうです。

喘息の研究がぜんそく(喘息、全速)
力で行われています。笑
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
編集後記

厚生大臣などの政治家がいくら路上で
献血を訴えても輸血の制限をすることが
PL法によって必要とされる以上、効果が
薄いと考えられます。それより献血の
恩恵を受けた患者さんのアンケートを
とって真剣にその内容を吟味した上で
より切実に訴える文章を探し出し、
それを集めてパンフレットをつくること
が重要です。そのパンフレットを献血
しようとしている人に渡すことこそ
献血をする人を増やすのに最も効果的と
いえるのではないでしょうか?
アレルギーの作用機序がこの様に明らか
になれば、気管支喘息をはじめとする
アレルギー疾患に苦しむ患者さんには、
大きな福音となることでしょう。
ただし、動物実験でうまくいっても、
人間では副作用が強すぎて使えなかった
薬というのは、存在します。そのような
結果にならないことを祈念しています。

祈念することが記念となった。笑

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