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診療マル秘裏話 Vol.417 平成23年11月24日作成
作者 医療法人社団 永徳会 藤田 亨

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目次

1) 皮膚ガンの発症リスクを高め、転移も促す遺伝子
2) ガン細胞の転移を抑制する機能のあるガン遺伝子

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医療界のトピックスを紹介するこのメールマガジンは
1週間に1回の割合で発行しています。もっと回数を
増やして欲しいという要望もあるのですが、私の能力の
なさから1週間に1回が限度となっています。これからも
当たり前の医療をしながら、なおかつ貪欲に新しい知識
を吸収し読者の皆様に提供してゆきたいと思って
おります。不撓不屈の精神で取り組む所存ですので
どうかお許し下さい。

1】 皮膚ガンの発症リスクを高め、転移も促す遺伝子

熊本大大学院の尾池雄一(おいけ・ゆういち)教授
(分子遺伝学)が、慢性炎症の原因となるタンパク質
「Angptl2」が皮膚ガンの発症リスクを高め、
転移も促すことを解明し、10月31日付の米ガン
学会誌電子版で発表したことが10月18日、分かり
ました。

尾池教授は、加齢や日光に当たることで皮膚組織に
このタンパク質が増えることを発見しました。人為的
に同タンパク質を増加させたマウスで実験したところ、
皮膚ガン発症も増えることが分かり、逆に欠損させた
マウスでは発症も抑えられたということです。

また、このタンパク質はガン細胞からも分泌され、
血管やリンパ管を新生してガン細胞が増殖しやすい
環境をつくるとともに、ガン細胞自体に働きかけて
動きを活発にすることで転移を促すことも判明
しました。

尾池教授はこれまで、ガンや糖尿病、動脈硬化など
多様な病気のもととなる慢性炎症のメカニズムを研究
し、既に同タンパク質が脂肪細胞で引き起こす慢性炎症
が、メタボリック症候群の原因となることを解明して
いました。

尾池教授は「Angptl2の生成や働きを抑えられ
れば、ガンだけでなく、生活習慣病や動脈硬化などの
治療にもつながる」と話しています。

艦橋の環境に感興する。笑

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2】ガン細胞の転移を抑制する機能のあるガン遺伝子

「肺腺ガン」を引き起こす悪性のガン遺伝子に、
ガン細胞の転移を抑制する機能があることを名古屋大の
高橋隆(たかはし・たかし)教授(分子腫瘍学)らの
研究チームが発見し、仕組みを解明し、11月15日付
の欧州科学誌エンボジャーナル電子版に発表しました。

肺腺ガンを引き起こす遺伝子「TTF-1」が陽性の
患者は、陰性の患者と比べて手術後の生存率が高いこと
が知られていましたが、その仕組みは分かっていません
でした。

グループは、TTF-1が「ミオシン結合タンパクH」
という遺伝子を働かせている点に着目しました。この
遺伝子が作るタンパク質が、リン酸化酵素と結合し、
細胞骨格を変化させる「ミオシン」の活性化を抑制し、
ガン細胞の転移を抑えることが分かりました。

一方、TTF-1が陽性のガン細胞でも転移が進む場合
があります。これは、ミオシン結合タンパクH遺伝子の
DNAが、メチル基という分子がくっついて遺伝子が
働かなくなる「メチル化」反応を起こし、タンパク質を
作ることができなくなるのが原因ということも解明
しました。

高橋教授は「ミオシン結合タンパクHの働きを持つ薬
が開発できれば、肺腺ガンの転移抑制の新たな戦略が
期待できる」と話しています。

転医が転移ガンを診る。笑

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編集後記

ガン遺伝子を抑えれば、慢性炎症(生活習慣病を
含む)一般によい効果をもたらすことが分かったのは
画期的発見でしょう。早く治療薬が出来て、臨床試験
に進むことを期待します。肺腺ガンの転移のみに効果
は限定されても、肺腺ガンに100%有効な治療が確立されて
いない以上、転移を抑えるのは重要なことです。転移
が抑えられれば、原発巣だけの治療ですむので、治療
が容易になるものと推測されます。

ガンの遺伝子研究ガンガン進めて欲しいものです。笑

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