美しい肌Vol.356

2013-09-21 20:31:54

カテゴリー:女性の美容と健康

ユキノシタ

写真はユキノシタです。

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美肌の野菜&果物(各論:ユキノシタ)

 
 
 
 
ユキノシタの正体

ユキノシタは中国、日本では本州以南

などに分布しているユキノシタ科の多年草

(茎の一部、地下茎、根などが枯れずに

残り、複数年にわたって生存する草)です。

日陰を好んで育ち、湿った場所や岩場に

生育しています。ユキノシタは、5月から

7月頃に、2枚の白く大きな花弁と3枚の

赤紫色の斑点のある小さな花弁をもつ花

を咲かせます。葉の裏面は紫色を帯びて

おり、特に若葉で鮮やかな紫色をして

います。この紫色の正体は、アントシアニン

だそうです。ユキノシタの花は、その美しさ

から「花が雪のようにみえる」ともいわれて

おり、観賞用としても人気があります。

そのため庭先などでよく栽培されています。

また葉は食用として、天ぷら、おひたしなど

にすると美味しいです。私は子供時代に、

母が作ったてんぷらを食べたことがあります。

美味しかったです。父は、高校の生物の教師

をしておりましたので、浸透圧の実験に使う

ために、家の縁側に生えたユキノシタを採って

いたようです。

このほか、酢味噌和え、からし和え、

ゴマ和え、汁の実、煮物などにもされていて、

一年中いつ採った葉でもいいというのも、

非常に便利なところです。ユキノシタの名は、

「冬の雪の下でも枯れない」または、

「花を雪に例え、その下に緑がある」ことから

名づけられました。ユキノシタはイケノシタ

のことで、イケ(井戸)の内側などのきれいな

ところに生えるところから名づけられたという

人もいるそうです。

また学名のsaxifragaceaeには、

石「saxun」を砕く「fragera」という意味が

あります。さらに葉が虎の耳の形に似ている

ため、ユキノシタは中国では虎耳草と

よばれています。ユキノシタは古くから民間薬

として親しまれており、やけどや発熱などに

利用されてきました。ユキノシタには、種子が

できません。では、どうやって繁殖するので

しょうか?茎の根本から細長い糸状の葡匐枝

を出し、長く地上をはってところどころに根を

だし、先端はオランダイチゴのように新しい芽

を生し、やがて独立した株になります。いわば、

クローン植物ということです。

金線草(きんせんそう)という名前もあり、

これは紅色の糸のような細い匍匐(ほふく)枝

を出すところから呼ばれるようになったもの

だそうです。このような繁殖形式は岩場などの

生育地に適しています。

 
 
ユキノシタの歴史

江戸時代には、煮売屋(今の居酒屋)の店先に、

アワビの貝殻に盛ったユキノシタが看板の

かわりとして吊り下がっていました。この光景は、

アワビの貝殻から垂れ下がった紅色の側枝が

煮こぼれているようにみえることから、

「雪の下蚫の貝を煮こぼれへ」と詠った古い川柳

があります。また「雪の下くぐって帰るいい機嫌」

と詠われた川柳もあります。万葉仮名で、

「由幾乃志太」と書くそうです。俳句では、

よく「鴨足草」と書きます。これは長く下に伸びる

2枚の花びらの形にちなむそうです。

医療や薬が今ほど発達していない時代に重宝

されていた薬草だけに、利用の仕方はかなり

多岐にわたっています。民間療法としての

使い方については、雑学のところで詳述

いたします。

 
 
ユキノシタの雑学

ユキノシタには、むくみを予防・改善する効果が

あります。昔から、肝臓病、心臓病の人に

民間療法として投与されていたそうです。

それには、科学的根拠がありました。

心臓病では、心臓の働きが悪い心不全という

状態になることが多いです。心不全になると、

循環する血液を身体の隅々まで届けることが

できなくなり、その結果、心臓より前の段階で、

水分が貯留し、肺水腫という状態になるわけ

です。この状態を解消するためには、現在の

医療でも強力な利尿剤を用いることで、

循環血液量を減らし、心臓の負担を和らげる

という方法をとります。肝臓病では、肝臓で

タンパク質の合成が少なくなるために、

血液の中のタンパク質の量が減ってしまい

ます。すると血管の中に水分と塩分を保持

することができず、むくむということが起こる

わけです。むくみとは細胞内に余分な水分

がたまってしまった状態のことです。

栄養素や酸素と一緒に細胞に運ばれた

水分が、静脈やリンパ液の中にスムーズ

に回収されなかったために起こります。

むくみを防ぐには、体内のナトリウムと

カリウムによる水分調節を腎臓で行う

(利尿作用)ことことが重要です。そのため

には、腎臓が正常に機能していることが

必要になります。したがって、ユキノシタは、

肝臓病、心臓病には、有効ですが、

腎臓病には無効ということになります。

ユキノシタには利尿作用のある

硝酸カリウム、塩化カリウムを含むことから、

乾燥した葉をハーブティーにして飲むと

効果的です。具体的には、乾燥した葉・

虎耳草(こじそう)を10グラムを1日量として、

0.4リットルの水を加えて、煎じながら

約半量まで煮詰めたものをこして、食前か

食間に1日3回服用します。

虎耳草(こじそう)の煎じ汁は、痔の痛み

に効果があります。煎じ汁を脱脂綿に

浸して、患部を軽くなでるように洗うと痛み

が和らぎます小児のひきつけ

(熱性けいれん)には、ユキノシタの新鮮な

葉を水洗いし、食塩を少しふりかけてもみ、

もみ汁を口に含ませます。この葉の汁は、

うるしでかぶれたとき、患部につければ

効き目があります。はれもの、しもやけ、

ひびには、新鮮な生の葉を水洗いして火

にかざし、柔らかくして直接患部に貼ると

自然に膿がでます。または、葉の黒焼き

と、ゴマ油を混ぜて塗布します。

ユキノシタには、抗菌作用を示す成分が

含まれているため、中耳炎にも効果が

あります。ユキノシタは耳の薬として有名

で、地方によってはミミダレグサとも

呼ばれています。明治時代の書物には

急性の中耳炎の時には、生のユキノシタ

のついた汁を耳にたらすという方法が記載

されており、臨床試験でも中耳炎に対する

効果が示されています。中耳炎は、細菌

やウイルスの感染により、中耳(鼓膜の奥

の耳の部分)が炎症を起こした状態のこと

をいいます。よって膿が出る中耳炎には

水洗いしたフレッシュハーブをもみ、

出てきた汁を清潔なコットンにつけて耳腔

(耳の穴:外耳道のこと)につめると効果的

です。また吹き出物にはフレッシュハーブ

をもみ、アルミ箔などに包んで火にかけて

柔らかくしたもの(火であぶってもよい)を、

直接患部につけて膿を出して使用します。

ユキノシタは、炎症を抑制する効果が

あります。ユキノシタの煎出液はユキノシタ

に含まれるタンニンのせいで少し苦みと辛み

があります。このためやけどの時には湿布

として利用されます。

 
 
ユキノシタの有効成分

ユキノシタは、硝酸カリウム、塩化カリウム、

アルブチン、ベルゲニン、フラボノイド

(クエルシトリンなど)などを含んで

います。葉の紫色の部分には、

アントシアニンが含まれています。

このアントシアニンは、

シアニジン3-グルコシドという単純な色素

です。硝酸カリウム、塩化カリウムは、

利尿作用があります。またアルブチンには、

メラニンの合成抑制作用があり、

ポリフェノールの一種であるベルゲニンには、

抗酸化作用(解毒作用といっている書物も

あります)があります。このようにユキノシタは、

その作用の多さから日本でも民間療法に

使われ、中耳炎や風邪の症状緩和、やけど

など幅広く利用されています。

ユキノシタの紹介の動画です。

 
 
www.youtube.com/watch?v=em4RuDzKEFo

 
 
 






ユキノシタの天ぷら




https://www.youtube.com/watch?v=tE1t3fPjQwc











ユキノシタの映像と音楽です。




https://www.youtube.com/watch?v=DNk38IUhqqY





 
 
ユキノシタの美肌作用

ユキノシタには、美白効果があります。

メラニン生成は、皮膚の基底層にある

メラノサイト(皮膚を構成する主要な細胞の

ひとつです。メラニンを生成する機能を持って

います)が、紫外線やホルモンの影響により、

皮膚を守ろうとする防御機能が活性化する

ことで起こります。通常メラニンは

ターンオーバー(肌の細胞が入れ変わる周期

のこと)により肌表面に押し出され、

垢となって排出されますが、メラニンの

過剰生成や、ターンオーバーが正常に行われ

ないと、排出されずに皮膚内部に蓄積します。

これがシミとなります。ユキノシタには、メラニン

の合成を阻害するアルブチンという成分が

含まれています。また近年ユキノシタの全草

エキスに紫外線がもたらす活性酸素(普通の

酸素に比べ、著しく反応性が増すことで強い

酸化力を持った酸素)によるDNA障害の修復

を促進する効果が報告され、アンチエイジング

や美白効果を目的とした化粧品に配合される

ようになりました。大手化粧品メーカーの製品

にも採用されているユキノシタは、コウジ酸を

上回る強い美白効果と、和漢生薬の中で唯一、

上述の紫外線がもたらすDNA傷害の

修復促進作用を持っています。また紫外線に

よって作られる過酸化脂質の生成抑制作用も

あることが確認されています。これらの作用は

ユキノシタに含まれる縮合型タンニンの作用と

考えられていて、皮膚ガン、光加齢の防御にも

効果があるとされています。表皮上の紫外線

吸収剤(日焼け止め)をすり抜けたUVAが真皮

を直撃するとエラスチン破壊酵素が放出され、

しわやたるみを作りますが、ユキノシタは

皮膚深部で効果を発揮します。皮膚深部で

効果を発揮するのも、レチノイド

(オールトランスレチノイン酸)以外には、

知られていません。また皮膚を故意に、

はがすことなく、ターンオーバーの力を高める

という意味で角質の肥厚も防いでくれます。

また中耳炎の治療のところでお話した、

抗菌作用が皮膚に働くとにきび、吹き出物の

予防および治療に力を発揮します。

今回は、ここまでとさせて頂きます。

ユキノシタは、雪の舌では、ありません。笑

最後までお読み頂き、ありがとうございました。

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