美しい肌Vol.341

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2013-09-06 22:04:02

カテゴリー:女性の美容と健康

長いも

写真は山芋(長いも)です。

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美肌の野菜&果物(各論:山芋)

 
 
山芋の正体

山芋については、漢方生薬「山薬」

としてameblo.jp/eitokukai51/
entry-11508189691.html
で解説いたしましたが、さらに詳細な情報を

加えてお届けします。

山芋は特有の粘りを持つヤマノイモ科

ヤマノイモ属のつる性多年草(茎の一部、地下茎、

根などが枯れずに残り、複数年にわたって生存

する草)です。唯一生で食べることができる非常に

栄養価の高い芋です。もともとは山に自生して

いたことから山芋と名付けられました。

山芋の歴史は古く、日本では縄文時代から

食べられており、鎌倉から室町時代頃に栽培が

始まったといわれています。昔から滋養強壮に効果

があるとされ、日本では「山うなぎ」とも呼ばれて

いました。日本では、河川から遠く離れた山中の

道端などでそこに居るはずのない鰻が、なぜか

見つかった時、「山芋が鰻に化けた」という俗説が

ありました。これは、形が似ているということだけ

ではなく、滋養強壮の効果が認められていたから

と考えられています。ヤマイモは唯一、生で

食べられる芋です。ジャガイモなどのナス科の芋は

生では有毒(ソラニンなど)ですし、ヒルガオ科の

サツマイモは生食用のものはあるものの、熱を

通すのが普通です。生ですりおろしただけで

とろろにして食べられる芋は他にありません。

その理由は、山芋に含まれるデンプン分解酵素

(アミラーゼ、ジャスターゼ)にありました。

これについては、後で詳細に述べます。

現在、日本で採れる山芋は大きくジネンジョ、

ダイジョ、ヤマノイモの3種類に分けられます。

山芋の出荷時期は品種によって多少異なり

ますが、多くは9月~12月頃に出荷されます。

ジネンジョ(自然薯)
ジネンジョは日本が原産の天然種で、主に

山野に自生しています。細長く、長さは60cm

から1mにもなります。他の種類に比べ、強い

粘りと耐寒性を持っていることが特徴です。

収穫まで3年~4年かかることや、掘り出すのが

困難であることから天然物はほとんど市場に

出回っていません。現在市場に出回っている

ものの多くは栽培品です。すりおろし、とろろに

して食べられることが多い種類です。

このジネンジョから、鹿児島名産「かるかん」饅頭

が作られます。鹿児島でも、最近はイノシシに

ジネンジョが荒らされることが多く、あまり採れなく

なっているそうです。野生の動物も美味しいものは、

良く知っていて掘り出して食べてしまうようです。

私は、高校時代を鹿児島で過ごしたので、

「かるかん」饅頭が大好きです。とくに明石屋の

かるかんがモッチリした食感で、最高においしい

です。明石屋のかるかんは、全国の百貨店など

で購入することができます。食い意地が張って

いることをお許し下さい。

ダイジョ
ダイジョは東南アジアを原産とし、アフリカや

熱帯アジア、ラテンアメリカなどの広い地域で

主食として栽培されている種類です。

日本でも沖縄や南九州など一部の地域で

わずかに栽培されています。ダイジョは寒さに

弱く、12℃以下になるとタネイモが腐るため、

寒冷地での栽培が難しいとされています。

白色や赤紫色があり、調理用の着色料

としても利用できます。ダイジョの仲間に

ワイルドヤム(メキシコヤムイモとも言う)があり、

オリンピックの金メダリストである短距離ウサイン・

ボルト選手が「ワイルドヤム(現地の山芋)が

強さの秘密」と漏らしたことがあるようです。

これについては、雑学の所で詳しく述べたい

と思います。

ヤマイモ
ヤマイモは中国が原産の、温帯地域に適した

種類です。日本には平安時代に伝来したとの

説もありますが、記録が残されている文献に

よると江戸時代以降に伝えられたといわれて

います。ヤマノイモは芋の形によりさらに、

長形種、偏形種、塊形種の3種に分けられます。

長形種は一般的にナガイモと呼ばれており、

全国的に栽培されている生産量の最も多い

種類です。中国南西部の雲南地方が原産地

のナガイモは、紀元前3世紀ごろから栽培

されるようになったとされています。形は棒状

で長いものでは1mにもなります。1年で生育

するため一年薯(いちねんいも)とも呼ばれて

います。水気が多く粘りが少ないため、細切り

にしてサラダや酢の物、また大きめに切って

煮物にするなど食感を楽しめる料理に向いて

います。偏形種はイチョウイモやブッショウイモ

と呼ばれている種類です。手のひらやイチョウ

の葉、扇状など様々な形をしており、淡褐色の

外皮を持ちます。短根で土層の浅いところでも

栽培が可能です。栽培量が多い関東では

大和芋と呼ばれることもあります。あくが少なく、

粘りも強いので、すりおろして食べるのに適して

います。塊形種には伊勢芋、丹波芋、大和芋

などが含まれます。形は球形から塊形まで様々

あり、皮の色も白から黒まで多様です。比較的

高温な地域での栽培に適しているため、近畿・

中国・四国地方で多く栽培されています。

水分が少なく、粘りが強いため、とろろ汁や、

やまかけなどすりおろして食べられることが

多い種類です。大和芋は和菓子の原料や、

かまぼこなどの練り物のつなぎにも使われて

います。ヤマノイモの中では最も粘りが強く、

形がきれいなため贈答品としても人気があります。

 
 
山芋の歴史

山芋の歴史は米の歴史よりも古く、縄文時代から

食べられていたそうです。栽培が簡単であること、

また、自然に近い畑であまり耕作を要しなかった

ことがその理由であるとされています。歴史書や

小説にも山芋の記述は多く書き残されています。

有名な「平家物語」に平忠盛と白河院が零余子

(むかご)を手に持ちながら、祇園女御の生んだ

子について語る場面があります。江戸時代になる

と、儒学者で本草学者でもある貝原益軒

(かいばらえきけん)の「益軒十訓」の一つ

「養正訓」で、とろろで精力がつきすぎ、世の

男女関係が乱れるのを心配したくだりがあるほか、

井原西鶴(いはらさいかく)の「好色一代男」にも

主人公の世之介が精力源としてとろろいもを利用

した記述があります。芥川龍之介の「芋粥」にも

山芋が登場するなど歴史的背景に必ず出てくる

野菜です。つくねいもの名前が最初に登場した

のは「清良記」(1654年頃:諸説あり)といわれ、

栽培の記録があるのは「百姓伝記」(1681~1684

年頃)、または「農業全書」(1697年)以降です。

ジネンジョ(自然薯)はもともと日本に自生して

いました。「日本書紀」や「正倉院文書」に「暑預」

という文字があり、これが「薯預(じょうよ)」=

「やまのいも」だといわれています。当時の状況から、

やまのいもの中でも栽培用のつくねいもや長いも

ではなく、野生のジネンジョ(自然薯)だったと

考えられています。

 
 
山芋の雑学

ジネンジョは重く、ひげ根が密集しているものが良品

です。ナガイモは形が良く、太さが均一なものを選び

ましょう。あまり細すぎるものよりも、ずんぐりと程良い

太さがある方が味が良いとされています。不自然に

白いものは、漂白している可能性があるので避けた

ほうが良いでしょう。伊勢芋、丹波芋、大和芋は凹凸

がなく、なるべく重いものを選びます。包丁を入れて

いない皮付きの山芋は乾燥しないように新聞紙で

包み、日の当らない風通しの良い場所で保存します。

切った後の使いきれなかった山芋は、切り口をラップ

でピッタリと包み、ポリ袋に入れて冷蔵庫で保存

します。切り口から水分が失われ変色していくので、

切り口をしっかりと覆うことが大切です。でんぷんを

多く含む芋類は加熱せずに食べると、消化や吸収

が悪く下痢をしてしまうことが多いので、通常の芋類

は生ではなく、加熱調理をして食べます。しかし、

山芋はでんぷんを分解する酵素を豊富に含んで

いるため、生で食べても問題はありません。さらに、

山芋に含まれる分解酵素は、加熱しない方がその

効果をより強く発揮します。また、すりおろして山芋

の細胞を壊すことで分解酵素の働きが強まることも

わかっています。とろろは、山芋の分解酵素の働き

を最大限に発揮させる、非常に合理的な食べ方

です。山芋の皮をむいたり、すりおろしたりする時に

手がかゆくなる場合があります。これは山芋の皮付近

に存在する針状のシュウ酸カルシウムが皮膚を刺激

するためです。シュウ酸カルシウムは酸に非常に弱い

という性質を持っているため、レモン汁をかゆくなって

いる部分につけたり、食酢を薄めたもので軽く洗い

流すとかゆみがおさまります。山芋をすりおろす時は

おろし金を使わずに、すり鉢を使う方が良いと

いわれています。山芋をすり鉢の周りに軽く当て、

回しながらすりおろします。そして最後にすりこぎで

仕上げます。おろし金を使うよりも一段と口当たりの

良い、ふわっとしたとろろができます。山芋に豊富に

含まれるでんぷん分解酵素であるアミラーゼ(山芋

には、アミラーゼが大根以上に含まれている)や

ジアスターゼが消化を促進し、栄養の吸収率を高め

ます。そのため山芋には新陳代謝を活発にし、

疲れた胃を助け、疲労回復や滋養強壮への効果が

期待されています。また山芋のヌメリのもとである

ムチンには胃の粘膜を潤し、保護する働きがあります。

山芋に含まれるムチンには、血糖値の上昇を抑えて

糖尿病を予防したり、血中のコレステロールを抑え、

高脂血症(血液中に溶けているコレステロールや

中性脂肪値が必要量よりも異常に多い状態)を予防

する働きがあります。また山芋にはサポニンという成分

が含まれます。サポニンはラテン語のせっけんを意味

する「サポ」が名前の由来であるように、水に溶けると

せっけんのように泡をつくる発泡作用(界面活性作用

ともいいます)があります。この泡には脂質を溶かす

働きがあるため、余分な脂質の吸収を抑える働きが

期待できます。サポニンには血栓の生成を抑制する

働きや、過酸化脂質(コレステロールや中性脂肪など

の脂質が活性酸素によって酸化されたものの総称)の

蓄積を抑制する強い抗酸化作用(たんぱく質や脂質、

DNAなどが酸素によって酸化されるのを防ぐ作用)が

あることも報告されています。ジオスゲニンは、ヤムイモ

(Dioscorea)、フェヌグリーク(fenugreek)、

オオホザキアヤメ(Costus speciosus)などの植物に
見出されるフロスタノール・サポニン(furostsno

l saponin)です。サポニンとはその水溶液を振ると
持続性の泡を生ずる(界面活性作用のある)化合物

の総称の事で、これらのサポニンのうち、

フロスタノール型は、身体能力を向上させる作用が

あることが知られています。 ジオスゲニンはDHEA

(dehydroepiandrosterone)などのさまざまなホルモン
の出発原料となります。ヤムイモは、アフリカで約4億人

が主食としており、日本では古くからナガイモ、

ジネンジョ(ヤマノイモ)、ダイジョ、トゲドコロ等の品種が

栽培されています。ヤムイモには滋養強壮などの効果

があるといわれていますが、植物ステロイドの一種である

ジオスゲニンという物質がその作用を担うと考えられて

います。日本で栽培されている約80種類のヤムイモの

ジオスゲニン含量を調べたところ、沖縄地方のごく一部

で栽培されているトゲドコロに一般の国産ヤムイモの

200倍以上のジオスゲニンが含まれていることが発見

されました。 ヤムイモ類に含まれるジオスゲニンは、

DHEA(デヒドロエピアンドロステロン)に類似した構造を

有しており、通常、糖が結合した配糖体の形で存在して

います。 DHEAは体内で代謝され、男性ホルモンである

テストステロンや女性ホルモンであるエストラジオールなど

に変換されることから、ジオスゲニンが穏やかな形で

ホルモンバランスを保つことに関与していると考えられます。

米国ではヤムイモのアルコール抽出物が、サプリメント

としてドラッグストアなどで売られています。ジオスゲニン

は人間の身体の作り出すプロゲステロン(最も主要な

黄体ホルモン)に分子構造が非常に良く似ているため、

身体が自然にプロゲステロンを作り出すための前駆体

となりプロゲステロンの精製を促進し、ホルモンバランス

を取り戻させる効果があるといわれています。

このジオスゲニンがワイルドヤム(メキシコヤムイモとも

言う)にたくさん含まれており、オリンピックの金メダリスト

である短距離ウサイン・ボルト選手が「ワイルドヤム

(現地の山芋)が強さの秘密」と言った根拠となっている

わけです。ワイルドヤムは、上記の黄体ホルモン様物質

であるジオスゲニンを多く含むため、そのサプリメントが

バストアップに有効とされているわけです。美容関係の

ブログを読むと、ワイルドヤムのサプリを個人輸入して、

バストアップの効果がみられたという記載が認められます。

ジオスゲニンは、2012年7月に富山大学の研究で、

アルツハイマー病の改善に有効であると報告されている

成分でもあります。以下にその研究の概要を述べて

みます。アルツハイマー病モデルマウスに、山芋の

有効成分ジオスゲニンを1日当たり0.12mg の量で

20日間摂取させたところ、認知機能に改善が見られ

ました。またアルツハイマー病に特有のタンパク質

アミロイドβの生成が抑止され、神経軸索が正常に

戻ったことから、山芋に認知症予防効果と

アルツハイマー病の予防効果があることが示唆され

ました。山芋に含まれるコリンは高血圧や動脈硬化

の予防に効果的です。コリンは血管を拡張させて

血圧を下げるアセチルコリンと呼ばれる物質や、

細胞膜を構成するレシチンの材料になっています。

レシチンは血管壁へのコレステロールの沈着を防い

だり、肝臓に脂肪が溜らないようにする働きがある

ため、肝硬変(肝臓が固くなり、本来の機能が

きわめて減衰した状態)や動脈硬化の予防になります。

 
 
山芋の有効成分

山芋には、でんぷん分解酵素であるアミラーゼや

ジアスターゼが豊富に含まれているため、消化を

助け、栄養の吸収効率を高める効果があると

いわれています。新陳代謝を活発にし、疲労回復

や滋養強壮に効果的です。山芋の特性でもある

ヌメリは、ムチンと呼ばれる成分によって生まれます。

ムチンは胃腸の粘膜を潤し、保護する働きがある

ため消化酵素とともに滋養強壮に効果的に働き

かけます。アミラーゼやジアスターゼ、ムチンは

ともに熱に弱く、加熱により分解酵素の働きが

失われます。そのため、山芋をとろろや千切りなど

生のまま食べることは分解酵素の働きを維持する

とても効果的な食べ方です。山芋には他にも、

ビタミンB₁やパントテン酸、カリウム、食物繊維が

多く含まれています。これらには腸内環境の

正常化,肝臓や脾臓の負担を軽減させるなどの

働きがあります。

ナガイモに含まれる成分は塊茎にデンプン、

ブドウ糖、果糖、チロシン、ロイシン、

グルタミン酸、グロブリン、クロロゲン酸、

アラントイン、ジオスゲニン、バタタシン、

ジアスターゼなどが含まれています。

ヤマノイモに含まれる成分は根にデンプン、

グルココルチコイド、アルギニン、コリン、

ジアスターゼ、マンニトール、フィチン酸、

タンニンなどが含まれています。

 
 
山芋の美肌効果

食物繊維は不溶性食物繊維と水溶性食物繊維

の2つに分類されます。不溶性食物繊維とは

水に溶けない食物繊維で、腸のぜん動を刺激し、

腸内に溜まった有害物質の排出を促す作用が

あります。肥満や便秘の解消、腸の病気予防など

に効果があります。水溶性食物繊維とは水に

溶ける食物繊維で、腸内で水分を含みヌルヌル

としたゲル状となり、有害な成分を吸着して排出

させます。糖尿病や動脈硬化、高血圧の予防に

効果があります。これら食物繊維の働きは、

有害物質の排泄(デトックス)効果につながります。

デトックス効果のみでも、美肌へと導かれます。

さらにジオスゲニンなどのサポニンの黄体ホルモン

様作用やクロロゲン酸などの抗酸化物質の

抗酸化作用がお肌に現れれば、美肌へと導かれ

ます。今回は、ここまでとさせていただきます。

山芋は、やむにやまれぬ、ヤム芋でした。笑

最後までお読み頂き、ありがとうございました。

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