美しい肌Vol.293

2013-07-20 17:53:38

カテゴリー:女性の美容と健康

カーネイション10

 
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美肌の野菜&果物(各論:葛)

 
 
葛の正体

葛とは、マメ科のつる植物で半低木性の

多年草です。主に日当たりの良い山野に生育

しており、日本から中国、東南アジアに多く

分布しています。「秋の七草」のひとつに

数えられ、夏から秋にかけて美しい紅紫色の花

をつけます。葛は昔から根や葉、花、つるに

いたるまで全ての部分が使われる植物です。

根や葉、花は薬効を求めて生薬や食品として

使われてきました。土の中にある葛の根には、

大量のでんぷんが含まれています。葛の根から

繊維質を取り除き、純粋にでんぷんだけを取り

出して乾燥させたものが一般に葛粉(くずこ)、

あるいは葛でんぷんと呼ばれています。昔は

でんぷんといえば葛でんぷんと考えられて

いましたが、最近では生産量が少なくなり、

病人食や高級菓子に使われるにすぎません。

葛粉をお湯に溶かした葛湯(くずゆ)は、滋養食

として現在でも使われています。葛の根は葛根

(かっこん)という生薬名でも取り扱われており、

多くの漢方薬に配合されています。中でも風邪

や肩こりの症状が出た際に飲まれる「葛根湯

(かっこんとう)」がよく知られています。ただし

葛根湯は、証があり、「初期の寒気があって

項背部が凝る人」に限定されて効くわけで、

どんな風邪のどんな時期にも効くわけではない

のでご注意頂きたいと思います。さらに葛根湯

は最も注意が必要な漢方薬のひとつです。

急性症状のときに使うことから分かるように、

体を温めて汗をかかせる薬で、水分と共に気

(エネルギー)も体表から失われます。ですから

風邪のときにも体力のない人には用いません。

この薬を常用していると、体力を奪われて弱ります。

肩こりに関しては、血の不足とかのぼせとか、何らか

の原因に伴って肩がこっていると思いますので、

長期的に見ると悪化する可能性があると思います。

葛根湯は確かに肩こりに使われる薬ではあります

が、全身症状によって頭痛や肩こりに使用可能な

漢方薬はたくさんあります(加味逍遙散、女神散

など)。きちんと証をみてもらって、体質に合った

漢方を服用することが重要だと思います。葛の花

を乾燥させたものは、生薬名で葛花(かっか)と

呼びます。葛花は「酒毒(しゅどく)を消す」

といわれ、二日酔いの予防や解消のため

に日本や中国、台湾、アジア諸国で用い

られてきました。中国の「名医別録(めいい

べつろく)」には「葛の花は酒を消す」と記され、

日本の「救民妙薬(きゅうみんみょうやく)」にも

「酒毒には、葛の花」と記載されていることから、

古くから葛の花が持つ薬効が知られている

ことがわかります。有効成分の内イソフラボンと

サポニンは、二日酔いの原因物質とされる

アセトアルデヒドの代謝や排泄にも大きく

関わっているため、酒の毒には葛の花という

のは、科学的根拠があっていっていること

であり、それを昔の人は、経験則で学んでいた

のでしょう。他にも、葛の青葉を搾ってつくる

青葉汁は切り傷の回復や糖尿病の改善に、

新芽を水で煮出してつくる新芽茶は養毛効果

があるとされています。葛は食用としても

幅広く使われています。若葉や新芽は生の

まま天ぷらや炒め物にされたり、塩茹でして

和え物や酢の物として食べられています。

葛の花やつぼみは、漬け物や葛の花ご飯、

酵母、花酒、花酢など様々に使われています。

また、葛のつるの部分は編んでかごなどに

使われます。まさに捨てるところがない葛

ですが、日本人は、とことん葛を使い倒して

きたことが分かります。本当に薬のくずなど

と冗談は、言えませんね。笑

 
 
葛の歴史(葛の飢饉とのかかわり)

葛でん粉や他のでん粉は、水晒しの技術

によって製造されています。この水晒しの

技術を持たなかった時代には、人々は根を

しガンででん粉を食べていたと推測されます。

しかし、いかにでん粉が含まれているとはいえ

このような食べ方からは、とても「主食は葛」と

呼べるものではなかったことは明らかです。

しかし、かつて青森県では「根餅」という、

葛根を乾燥させて石臼でひき、小麦粉を

混ぜて団子にし、蒸すかゆでて、砂糖や

しょうゆにつけて食べる方法が残っていた

ようです。寒冷地である青森地方はしばしば

飢饉にみまわれており、このような時代、

根餅は一種の救荒食としての葛の利用方法

であったと思われます。

しかし、今日のように調理に工夫を凝らして

食を楽しむものとは程遠く、水晒し技術が

開発されるまでは、葛は食を楽しむための

素材としては普及しなかったようです。

水晒し技術は吉野本葛の製法に変わらず

受け継がれています。発祥の地は日本の

関東地方以南から中国の江南地方に

かけての照葉樹林帯であると考えられて

います。日本ではこの技術を用いてクズ、

カラスウリ、ワラビ、カタクリ、ユリ、ヒガンバナ

などからでん粉を取り出していました。

水晒し技術の開発によって、そのままでは

食べられなかったものや、たとえ有毒物質

を含む根茎類であっても、水晒しすれば

食べられるようになりました。このような植物

は栽培化が試みられるようになり、農耕の

着想が生まれた可能性もあります。また、

人々は飢饉から逃れられるようになり、

大きな人口を養う可能性も出てきました。

文政13年には大蔵永常によって「製葛録」

が書かれ、葛の製法や利用方法について

事細かにまとめられています。江戸時代には

各地の藩は藩経済上、殖産奨励策をとり、

また飢饉のときの用意として製造が拡大

されました。こうして生産量が増え、天保年間

には大阪の乾物問屋で50万貫

(18,750トン)の葛でん粉が生産されて

いました。

 
 
葛の有効成分

葛の花にはイソフラボンとサポニンが含まれて

います。植物由来のエストロゲンとも呼ばれる

イソフラボンは、女性ホルモンの一種である

エストロゲンと同様の働きをするため、

更年期障害や骨粗しょう症の予防・改善に

効果的であるとされています。エストロゲン

が過剰に分泌された場合には、イソフラボン

がエストロゲン受容体に結合し、エストロゲン

の作用を抑えます。また、グルコース(ブドウ糖)

を脂肪に変換させにくくする作用もあるとされて

います。サポニンは、大豆や高麗人参などにも

含まれる渋みや苦みの主成分です。サポニン

には血管についたコレステロールを除去したり、

血中脂質を減らす作用があることから、動脈硬化

を進める過酸化脂質の生成を抑制する効果が

期待されています。イソフラボンとサポニンの

ダブルの効果で体の中の脂肪代謝が活発に

なり、脂肪が溜まりにくい体をつくることが可能

とされています。このことは、後述の実験でも

明らかとなりました。また上記のように

イソフラボンとサポニンは、アルデヒドの代謝

(解毒)に深く関わっているので、二日酔いに

効くことが分かっています。

 
 
葛の花の美肌効果

以前にお話ししたプエラリアミリフィカも葛の

仲間だったことから、葛にも美肌効果がある

のではと考えて、被験者に、葛の花サプリを

含む試験食品を12週間摂取させ、摂取

開始前と12週間後に、ダイエットの指標

としてウエスト周囲長と、肌状態の指標

として肌の弾力を測定しました。その結果、

摂取前と比較して、12週間後では、ウエスト

周囲長が減少し、肌の弾力が増加しました。

このことから、葛の花サプリは、美肌と

ダイエットの両方の効果を同時に発揮する

ことが確認できました。この効果は

イソフラボンとサポニンの効果によるもの

と推測されます。

今回はここまでとさせて頂きます。

くずは、飢饉の時、救荒基金となりました。笑

最後までお読み頂き、ありがとうございました。

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皮膚科にて承ります。

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2013-07-20 15:07:09

カテゴリー:ブログ

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診療マル秘裏話 Vol.402 平成23年8月18日作成
作者 医療法人社団 永徳会 藤田 亨

★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
目次

1) 中枢神経の再生を促進する物質の発見
2) 「モーターたんぱく質」が回転するメカニズム

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

医療界のトピックスを紹介するこのメールマガジンは
1週間に1回の割合で発行しています。もっと回数を
増やして欲しいという要望もあるのですが、私の能力の
なさから1週間に1回が限度となっています。これからも
当たり前の医療をしながら、なおかつ貪欲に新しい知識
を吸収し読者の皆様に提供してゆきたいと思って
おります。不撓不屈の精神で取り組む所存ですので
どうかお許し下さい。

1】 中枢神経の再生を促進する物質の発見

けがや病気でいったん傷つくと元に戻るのが難しい脳
や脊髄(せきずい)などの中枢神経で、再生を促進する
方向に作用するとみられる物質を、横浜市立大の竹居光太郎
准教授(神経科学)らがマウスの脳内から見つけました。
脳にはもともと、神経が束になって成長するのを抑える仕組み
があります。新たに発見された物質は、この仕組みを妨害して
いました。こうした働きをする薬があれば、神経再生につながる
として注目されています。

竹居准教授はこの物質を「LOTUS(ロータス)」と
名付けました。ヒトにも存在し、将来的には神経の再生医療に
つながる可能性があるということです。米科学誌サイエンス
(電子版)に8月5日、論文が掲載されます。

竹居准教授は、中枢神経の中でもにおいを伝える「嗅索」
という部分は比較的再生しやすいため、神経再生にかかわる
物質があるのではないかと着目しました。マウスの胎児の脳
をすりつぶして別のマウスに与え、体内で数百種類の抗体を
作成しました。その抗体を別の胎児マウスの脳に添加し、
神経の伸びに異常が出るかどうかを調べました。すると束に
なるはずの神経が、束にならなくなる異常を引き起こす抗体
が見つかりました。その抗体と反応する物質を調べたところ、
膜たんぱく質の一種で、神経の成長を阻む仕組みを妨害
していました。

抗体の交替。笑

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

2】 「モーターたんぱく質」が回転するメカニズム

ほとんどの生物が保有し、「細胞内の運び屋」としての機能を
持つ「モーターたんぱく質」が回転するメカニズムを、金沢大
理工研究域数物科学系の安藤敏夫教授(60)らの研究グループ
が解明しました。

同大によると、将来的には医療やバイオマス技術への応用にも
つながる画期的な研究成果ということで、8月5日付の米科学誌
「サイエンス」にも発表されました。

モーターたんぱく質は、ナノレベル(1ナノ・メートルは
10億分の1メートル)の極めて小さな物質で、生物が生命活動
に必要とするエネルギーを細胞内に行き渡らせる役割を担って
います。

モーターたんぱく質は、軸となる「回転子」と、軸を取り巻く
「固定子」の2要素で成り立っています。これまでの研究は、
固定子と回転子が相互に影響しあうことで初めて回転の動きが
生まれるという説が有力でしたが、安藤教授らは、たんぱく質の
動きを分子レベルで撮影できる超高性能の「原子間力顕微鏡」
を用いて、回転子を取り除いたモーターたんぱく質の動きを
詳細に観察しました。その結果、固定子だけのモーターたんぱく質
でもスムーズに回転できることを証明し、従来の定説を覆しました。

開店後、客の回転が早くなった。笑

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

編集後記

神経細胞の再生が難しいことは、何度もこのメルマガで
訴えてきました。こうした基礎的な研究から物質が特定
されたのは本当に喜ばしいことです。たくさんのマウスが
犠牲となりましたが、医学の進歩のためやむを得ないと
思います。「モーターたんぱく質」が回転するメカニズムが
明らかになったのも、驚天動地の発見といえるでしょう。
超高性能「原子間力顕微鏡」という武器がなければ、成し
得なかったことでしょう。ガリレオのように地動説が正しい
のに非難を浴びるといったことのないようにお願いします。

基礎が起訴されないよう望む。笑

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