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2013-06-23 21:01:03

カテゴリー:ブログ

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診療マル秘裏話 Vol.398 平成23年7月21日作成
作者 医療法人社団 永徳会 藤田 亨

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目次

1) 外からのストレスで遺伝子の働きが変化する仕組み
2) 恐怖体験の記憶の海馬でのメカニズム

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

医療界のトピックスを紹介するこのメールマガジンは
1週間に1回の割合で発行しています。もっと回数を
増やして欲しいという要望もあるのですが、私の能力の
なさから1週間に1回が限度となっています。これからも
当たり前の医療をしながら、なおかつ貪欲に新しい知識
を吸収し読者の皆様に提供してゆきたいと思って
おります。不撓不屈の精神で取り組む所存ですので
どうかお許し下さい。

1】 外からのストレスで遺伝子の働きが変化する仕組み

外からのストレスで遺伝子の働きが変化する仕組みを、
理化学研究所の石井俊輔主任研究員らのグループが
あきらかにしました。こうした遺伝子の「働き」の変化
は、子に遺伝することもわかりました。米科学論文誌
「セル」に発表されました。

遺伝情報は、「塩基」とよばれる物質の並びとして
DNAに刻まれています。たとえばトウモロコシの
実の色は、基本的にはこの塩基の並び方で決まります。
気温や日照時間の異常といったストレスが加わると
遺伝子の働きが変化し、ストレスが取り去られても、
その影響が子に伝わることが知られています。しかし、
その変化の仕組みは分かっていませんでした。

DNAは、ヒストンというたんぱく質の塊に巻き付いて
います。石井さんらは、塩基の並びに変化がなくても、
その巻き付き方の違いで、遺伝子が働いたり働かなかったり
する仕組みに着目しました。白い目のショウジョウバエの
卵をお湯につけてストレスを与えると、「ATF2」という
たんぱく質が活性化してDNAの巻き付きが緩むことを発見
しました。緩んだ結果、赤い色素を作る遺伝子が働くよう
になり、生まれてくるハエは目が赤くなりました。

そして、この巻き付きの緩さは子に遺伝しました。目が
赤くなったショウジョウバエの子も目が少し赤くなりました
が、孫の世代では白い目に戻りました。一方、親と子に
続けてストレスを与えると、目の赤さは孫、ひ孫、やしゃご
まで残りました。

石井さんは「ストレスが生活習慣病や精神疾患を引き起こす
メカニズムをあきらかにして、病気の予防などにつなげたい」
と話しています。

虐待児は、自分の子供に虐待するといわれていましたが、
それは環境によるものと考えられてきました。今回の研究で
遺伝するということが証明された訳です。こうした虐待の
予防につながる薬が発見されれば、虐待の連鎖を断ち切ること
ができるようになるのではないでしょうか?

ゆるキャラが緩む。笑

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2】 恐怖体験の記憶の海馬でのメカニズム

ある場所で怖い体験をすると、その場所を再び訪れた時に
そのことが思い出されます。そんな恐怖体験の記憶がラット
の脳にある「海馬」という部分でつくられる仕組みを、
横浜市立大の高橋琢哉(たかはし・たくや)教授(生理学)
らのチームが明らかにし、7月11日付の米科学アカデミー
紀要電子版に掲載されました。

こうした記憶が強く刻まれた「心の傷」に対する薬の開発
の糸口になると期待されています。

高橋教授らは、明るい部屋と暗い部屋に分かれ、暗い部屋
に入ると電気ショックが与えられる装置にラットを入れました。

ラットは電気ショックを嫌って暗い部屋に行かなくなります
が、この時、脳の神経細胞同士の情報のやりとりをする
シナプスでは、神経伝達物質のグルタミン酸を受け取る
「GluR1受容体」が細胞の内部から表面に移動し、情報が
伝わりやすい状態になっていました。

一方、受容体の移動を邪魔すると、恐怖がきちんと記憶され
ないため、ラットは一度は暗い部屋を敬遠するものの、すぐに
再び暗い部屋に入ろうとしました。 この仕組みを利用すれば、
いったん嫌な記憶が定着しても、受容体の移動をむしろ促進して
別の記憶による”上書き”を進め、心の傷を残さないような薬に
結び付けられる可能性もあるということです。

上垣を上書きする。笑

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編集後記

ストレスは、少なくとも子供に遺伝し、親と子両方
にストレスを与えると後の子孫に色濃く影響を与える
とは夢にも考えていませんでした。そのメカニズムの
解明から、精神疾患や虐待などの難しい病気を予防
できれば、素晴らしいことだと思います。さらに記憶の
上書きが可能になれば、心の傷自体を残さない薬が今に
開発されるかもしれません。

改名しても遺伝は、解明できません。笑

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