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2013-05-31 10:49:35

カテゴリー:ブログ

診療マル秘裏話 Vol.395 平成23年6月30日作成
作者 医療法人社団 永徳会 藤田 亨

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目次

1) トキソプラズマ酵素が、病原体を排除する免疫機能を抑制
2) ほとんどのガンに共通の「腫瘍促進たんぱく」を発見

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医療界のトピックスを紹介するこのメールマガジンは
1週間に1回の割合で発行しています。もっと回数を
増やして欲しいという要望もあるのですが、私の能力の
なさから1週間に1回が限度となっています。これからも
当たり前の医療をしながら、なおかつ貪欲に新しい知識
を吸収し読者の皆様に提供してゆきたいと思って
おります。不撓不屈の精神で取り組む所存ですので
どうかお許し下さい。

1】 トキソプラズマ酵素が、病原体を排除する免疫機能を抑制

エイズやガン患者が感染するとけいれんなどを引き起こす
「トキソプラズマ原虫」の持つ酵素が、病原体を排除する
免疫機能を抑制することを大阪大免疫学フロンティア研究
センターの竹田潔(たけだ・きよし)教授らのチームがマウス
で解明し、6月13日付米医学誌(電子版)に発表しました。

免疫が低下する結果、トキソプラズマ症が発症しやすく
なります。健常者はほぼ発症しませんが、妊婦が初めて感染
すると流産することもあります。竹田教授は「酵素の働きを
抑える薬剤開発につながる」と話しています。

酵素はROP18です。チームはROP18を持たない
原虫を作製しました。これをマウス10匹に投与し、
通常の原虫を投与したマウスと比べました。すると、通常の
原虫ではマウスが9日後に全滅したのに対し、ROP18の
ない原虫では、9日後には全10匹が生き残り、20日後も
4匹が残りました。

チームは、ATF6βというタンパク質が免疫機能を持つ
ことを発見しました。ROP18がこのタンパク質を分解し
免疫を低下させることも突き止めました。

原虫は世界で数十億人、日本では数千万人が感染している
との試算があります。チームの山本雅裕(やまもと・まさひろ)
准教授は「原虫は免疫を抑制する他の酵素も持つ可能性が
あり、特定を進めたい」と話しています。

原虫の原註。笑

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2】 ほとんどのガンに共通の「腫瘍促進たんぱく」を発見

九州大病院先端分子・細胞治療科の高橋淳講師(血液腫瘍内科学)
や同大生体防御医学研究所の谷憲三朗所長らの研究グループは
6月14日、ほとんどのガンに共通して存在し、ガンの進行を
後押しする働きがあるとみられる「腫瘍促進たんぱく」を発見した
と発表しました。一部のガンでは、こうしたたんぱくが見つかって
いますが、今回は11種類で確認されており、ガンの早期発見や
治療・予防につながる可能性があるということです。

英国の科学電子雑誌「サイエンティフィック・リポーツ」に
6月14日掲載されました。

高橋講師によると、肺ガンや大腸ガンなど7種類のガンの患者さん
約170人を検査したところ、精巣以外ではほとんど検出されない
特定のたんぱくが、ガン細胞で異常に増加していることが分かり
ました。

このたんぱくには不必要になった細胞の細胞死を抑制する働き
があります。こうした細胞がガン化しているとみられ、たんぱく
を多く含むマウスで実験したところ、40匹のうち19匹が
悪性リンパ腫、14匹が肝臓ガンを発症しました。異常増加は
11種類のガンで確認され、日本人に発症するガンの約8割を
網羅できるということです。

細胞死を抑制させず、ガンをよくせい! 笑

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編集後記

トキソプラズマ症は、これまでこれといった治療法は
ありませんでした。しかしこうしたメカニズムが明らか
になれば、必ず治療法もついてくるものと考えられます
諦めずに研究を粘り強く続けていただきたいと考えて
います。不必要になった細胞の細胞死は、ネクローシス
ではなく、アポトーシスで起こります。アポトーシスを
抑制することでガンは、生き残ろうとしているわけです。
そこの抑制を解いてあげれば、異常細胞であるガン細胞
はアポトーシスに陥り、あっというまに消滅するはず
です。こうしたメカニズムの研究もガンの制圧には絶対
必要と考えます。早く臨床試験までこぎ着けられると
いいなと思います。

移譲造花の異常増加。笑

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