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2013-03-02 00:00:00
カテゴリー:ブログ
診療マル秘裏話 Vol.383 平成23年4月7日作成作者 医療法人社団 永徳会 藤田 亨
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目次
1) 海洋生物「シアノバクテリア」から医薬品
2) 環境ストレスが及ぼす肌老化への影響について改善効果
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医療界のトピックスを紹介するこのメールマガジンは
1週間に1回の割合で発行しています。もっと回数を
増やして欲しいという要望もあるのですが、私の能力の
なさから1週間に1回が限度となっています。これからも
当たり前の医療をしながら、なおかつ貪欲に新しい知識
を吸収し読者の皆様に提供してゆきたいと思って
おります。不撓不屈の精神で取り組む所存ですので
どうかお許し下さい。
1】胎児の心臓での増殖と分化
胎児の心臓では特有のタンパク質が働き、心筋細胞の増殖に
一定のブレーキをかけ、心筋への細胞分化を促進して増殖と
分化の両方がバランス良く進むように制御していることを
鳥取大の竹内隆(たけうち・たかし)教授(元三菱化学
生命科学研究所)のチームが世界で初めて明らかにしました。
心筋細胞を再び増殖させる再生医療や、人工多能性幹細胞
(iPS細胞)から効率良く目的の細胞を作製するのに役立つ
可能性があります。
細胞は、特殊な機能を持つさまざまな細胞に分化して
いきます。細胞の増殖が活発な時は分化が抑えられますが、
分化が進むと増殖は抑えられます。しかし胎児では成長に
合わせた心臓のポンプ機能が必要なため、分化と増殖の両方
が欠かせません。
竹内教授らはマウスで、jumonjiというタンパク質が
胎児の発生途中から働きはじめ、増殖を抑えつつ維持し、
同時に分化を進めていることを解明しました。成果は3月
29日付の英・発生生物学専門誌デベロップメント(電子版)
に掲載されました。
胎児の心臓が9万回~10万回死ぬまで打ち続けるための
工夫がこのタンパク質でしょう。胎児の敵を退治する。笑
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2】画期的インフルエンザ治療薬
富山化学工業は、自社創製のインフルエンザ治療薬
「ファビピラビル(一般名)」の製造販売承認を厚生労働省に
申請したと3月30日発表しました。ウイルスの細胞内での
複製を阻害し増殖を防ぐ新規作用機序の薬剤です。成人の
A/B型インフル治療で申請しており、小児適応は承認取得後
に開発を検討します。
「タミフル」など既存の4製品は、いずれも細胞からのウイルス
放出を阻害するノイラミニダーゼ阻害剤です。ファビピラビルは
RNAポリメラーゼ阻害剤で、臨床試験では1日2回を5日間
経口投与し効果を確認しました。非臨床試験ではノイラミニダーゼ
阻害剤の耐性ウイルスや、鳥由来の高病原性ウイルスに効果を示す
ことも確認されました。
心機一転、新規のインフルエンザ治療薬。笑
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編集後記
胎児の心臓はひとときも休むことはあり得ません。
もし休んだら死んでしまいます。そのような死を
起こさないために増殖を維持しながら分化を促進
するという機構が存在するのでしょう。開発名T-705
(ファビピラビル)は長い間世にでるのを待っていた
薬でした。動物実験では、高病原性ウイルス(H5N1型)
にかかっていても薬の投与を行うことで97%程度の
生存率が維持できたと聞いています。高病原性ウイルス
(H5N1型)のパンデミックが起こる前に上梓して
欲しいものです。
文化が分化する。笑
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