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2013-02-14 00:00:00

カテゴリー:ブログ

診療マル秘裏話 Vol.381 平成23年3月24日作成


作者 医療法人社団 永徳会 藤田 亨





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目次



  

1) 自閉症のメカニズム

2) 前立腺ガンの治療の妨げになる遺伝子変異と症状増悪のタンパク質





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 医療界のトピックスを紹介するこのメールマガジンは

1週間に1回の割合で発行しています。もっと回数を

増やして欲しいという要望もあるのですが、私の能力の

なさから1週間に1回が限度となっています。これからも

当たり前の医療をしながら、なおかつ貪欲に新しい知識

を吸収し読者の皆様に提供してゆきたいと思って

おります。不撓不屈の精神で取り組む所存ですので

どうかお許し下さい。





 

1】 自閉症のメカニズム



自閉症の人は他人の顔を認識する脳の部位で神経の機能が低下

し、「視線を合わせない」という症状や「相手の気持ちを読め

ない」という社会性の障害が起きることを突き止めたと、

浜松医大の鈴木勝昭(すずき・かつあき)准教授らが3月7日付

米専門誌に発表しました。



 研究チームの辻井正次(つじい・まさつぐ)中京大教授は

「自閉症には、親の育て方が悪いなどの間違った見方があり

差別や偏見をもたらしてきた。自閉症が脳の中の障害と関係

していることを明らかにする研究結果であり、自閉症の人に

対する理解を広げ、支援につながる」と話しています。



 研究チームは、脳全体の活動を調節する「アセチルコリン神経」

と、他人の顔を認識する「紡錘状回(ぼうすいじょうかい)」

という脳の部位の関係に注目しました。陽電子放射断層撮影

(PET)で、18~28歳の20人の自閉症の人の

アセチルコリン神経の働きを調べました。



 その結果、健康な人に比べ、紡錘状回での活動が約35%低下

していることが判明しました。機能低下の程度が進むほど、

「相手の気持ちが読めない」という症状が強くなることも

分かりました。



 自閉症は神経発達障害で、相手と視線を合わせないという症状

のために、相手の気持ちが読めなかったり、自分の気持ちをうまく

伝えられないという症状が出ると考えられていましたが、

どのようにして起きるかは分かっていませんでした。



 死線をかいくぐって視線を浴びる。笑



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2】前立腺ガンの治療の妨げになる遺伝子変異と症状増悪のタンパク質



 前立腺ガンでホルモン療法が効きにくくなる遺伝子変異と、

症状悪化を促しているとみられるタンパク質をマウスの実験で

見つけたと、東京大分子細胞生物学研究所の加藤茂明

(かとう・しげあき)教授らが3月7日付米科学アカデミー紀要

電子版に発表しました。



 京都府立医大、神戸大などとの共同研究です。



 前立腺ガンの多くには男性ホルモンがかかわり、初期には薬で

ホルモンの作用を抑える治療法が効きますが、やがて効かなくなり

治療法が限られてしまいます。今回見つけたタンパク質は人間の

前立腺ガン細胞にも多くあり、その働きを抑える薬を開発すれば、

新しい治療法につながる可能性があるということです。



 加藤教授らは、ホルモン療法が効きにくくなった人間の前立腺ガン

細胞では、細胞表面にある男性ホルモン受容体の遺伝子の特定の場所

に変異があることが多いことに注目しました。この場所に変異がある

マウスを作ると、通常のマウスより前立腺ガンが急速に悪化すること

を確認しました。



 また細胞の増殖にかかわるとされる物質との関係を調べ、「Wnt5a」

というタンパク質の量が少ないと、遺伝子の変異があっても、ガンの進行

が遅れることを発見しました。加藤教授らは、ガン細胞の周囲の細胞が

Wnt5aを分泌し、増殖を促していると推定しました。



 前立腺ガンの新しい治療法をガンガンお願いします。笑



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編集後記



 自閉症のメカニズムの発見は、本当に画期的であると

思います。しかし、なぜアスペルガー症候群の場合は

特異な機能を保持することがあるのか分かっていません。

人間関係を構築するのが苦手ということは、分かりますが

世間の人の認知度は低いようです。発達障害なら、

障害の認定がなされるべきです。そのあたりも障害の人

の事情を充分に勘案してあげるべきではないでしょうか?

前立腺ガンの治療を妨げている遺伝子変異の発見と

ガンの進行を促進するタンパク質の発見は、前立腺ガン

の治療を大幅に進歩させる可能性があります。



 特異な能力を得意とする。笑



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