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2013-02-07 00:00:00

カテゴリー:ブログ

診療マル秘裏話 Vol.380 平成23年3月17日作成


作者 医療法人社団 永徳会 藤田 亨





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目次



  

1) 幹細胞を培養した液体が脳梗塞の範囲を縮小

2) 神経細胞にある特定の酵素の働きを抑えて視神経再生





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 医療界のトピックスを紹介するこのメールマガジンは

1週間に1回の割合で発行しています。もっと回数を

増やして欲しいという要望もあるのですが、私の能力の

なさから1週間に1回が限度となっています。これからも

当たり前の医療をしながら、なおかつ貪欲に新しい知識

を吸収し読者の皆様に提供してゆきたいと思って

おります。不撓不屈の精神で取り組む所存ですので

どうかお許し下さい。





 

1】 幹細胞を培養した液体が脳梗塞の範囲を縮小



人の乳歯の幹細胞を培養した液体を脳梗塞のラットに

投与し、運動機能を回復、脳梗塞の範囲を縮小させる

ことに名古屋大の上田実(うえだ・みのる)教授らが

成功しました。詳しいメカニズムは不明ですが、液体

に含まれるタンパク質が脳の細胞の修復を促したと

推測しています。



 機能が損なわれた臓器や組織の再生医療として、

細胞の移植などが考えられていますが、細胞自体は

使わない新たな治療法となる可能性があります。



 3月1日から都内で始まる日本再生医療学会で発表

されます。



 上田教授らは幹細胞を培養後、幹細胞を取り出して

液体だけをろ過、濃縮し、保存のため凍結乾燥し粉末

にしました。これを生理食塩水に溶かし、脳梗塞の

ラットの脳に直接投与すると、全く動かなかった足が

6日後には動くようになりました。



 ラットの鼻に、この培養液を2週間、毎日投与する

方法でも同様に運動機能が回復しました。鼻の粘膜を

通じ脳に到達すると考えられています。脳梗塞の範囲

は、液体を投与しないラットの約3分の1になりました。



 液体には乳歯幹細胞が出すタンパク質が含まれ、

神経細胞の保護や血管の誘導、脳内の別の幹細胞の

働きを促すなどの作用をしているとみられるという

ことです。



 上田教授は「細胞を使う場合に比べ、安全性が高く

コストも安い。製剤化できるので、脳梗塞や脊髄損傷

の急性期の患者にも使える可能性がある」と話して

います。



 叛意の範囲。笑



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2】神経細胞にある特定の酵素の働きを抑えて視神経再生



 損傷すると回復が難しいとされる視神経を、神経細胞に

ある特定の酵素の働きを抑えて再生させることに大阪大や

東北大のチームがマウスで成功し、3月1日付の欧州科学誌

エンボジャーナル電子版に掲載されました。



 大阪大の山下俊英(やました・としひで)教授は「脳や

脊髄などの中枢神経の再生にも応用でき、視神経だけでなく、

事故による脳挫傷や脊髄損傷などの治療薬の開発につながる

かもしれない」と話しています。



 チームは、神経細胞で働く酵素「SHP」が神経の再生を

妨げていることを発見しました。生後8週のマウスの視神経

を損傷させた上で眼球にSHPの働きを抑える物質を投与

したところ、2週間後には視神経が再生しました。



 SHPは神経細胞内で再生を阻害するタンパク質と

くっついて一緒になり、再生を促すタンパク質の働きを

抑えていました。SHPの働きを抑えると再生を促す

タンパク質の働きが1・4倍活発になることも判明

しました。



 神経の再生には、再生を妨げるタンパク質を働かなく

するとともに、再生を促すタンパク質を活発にすること

が必要で、SHPを阻害すれば両方が可能ということです。



 最盛の再生医療。笑



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編集後記



 神経細胞は昔再生しないと言われていて、私たちが

学生の頃は神経成長因子が見つかり再生はするが、

非常に遅いと言われてきました。しかし幹細胞の培養液

中の何らかの物質と再生を妨げるSHPの働きを抑える物質

まで分かったことで神経細胞の完全再生に一歩近づいたと

考えられます。昔は治らなかった片麻痺が大幅に症状が

改善したり、動物実験とは言え、視神経のような再生

しにくいと考えられていた神経細胞まで再生することが

分かりました。医療の進歩は日進月歩です。





 成長因子の講義を静聴する。笑 



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