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2012-08-23 00:00:00

カテゴリー:ブログ

診療マル秘裏話 Vol.356 平成21年9月30日作成


作者 医療法人社団 永徳会 藤田 亨





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目次



  

1) 骨髄と胸腺の同時移植で2型糖尿病を治療

2) 脳細胞の成長や保護に重要な栄養素となるホルモン



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 医療界のトピックスを紹介するこのメールマガジンは

1週間に1回の割合で発行しています。もっと回数を

増やして欲しいという要望もあるのですが、私の能力の

なさから1週間に1回が限度となっています。これからも

当たり前の医療をしながら、なおかつ貪欲に新しい知識

を吸収し読者の皆様に提供してゆきたいと思って

おります。不撓不屈の精神で取り組む所存ですので

どうかお許し下さい。





 

1】 骨髄と胸腺の同時移植で2型糖尿病を治療



 肥満など生活習慣の乱れで発症する「2型糖尿病」

を、骨髄と胸腺の同時移植で治療する動物実験に

関西医科大の池原進教授、李銘講師(幹細胞異常症学)

らが成功しました。国内の糖尿病患者の95%を占める

2型糖尿病の発症の仕組みの解明や、新しい治療法開発

につながる可能性があります。9月14日にイスラエル

でのシンポジウムで発表し、近く米医学誌「ジャーナル・

オブ・オートイミュニティ」に論文が掲載されます。



 血糖値を下げるインスリンは膵臓(すいぞう)の

β細胞で作られます。免疫を担うリンパ球の一種、T細胞

が、β細胞を異物と誤認して破壊し、インスリンが枯渇

するのが「自己免疫疾患」の1型糖尿病です。一方、

「生活習慣病」の2型は老化や肥満でインスリンの分泌や

機能が落ちるのが原因とされていますが、近年、2型も

免疫系の異常でインスリンの機能が妨げられることが

原因との説が出ています。



 池原教授は85年、1型糖尿病マウスに骨髄移植をし

発症を抑えることに成功しました。今回、2型で実験を

試みました。2型マウスに骨髄移植をしただけでは効果は

ありませんでしたが、骨髄と胸腺を同時に移植すると

10匹のマウスすべての血糖値が正常値に戻りました。

また細胞の表面でインスリンを受け取る受容体に起きて

いた異常も正常化しました。



 骨髄内の造血幹細胞は胸腺に移動後、T細胞に分化し、

自己細胞を正確に認識するよう「教育」を受けます。

池原教授らは、骨髄と胸腺の機能が両方正常でないと、

この教育プロセスに不具合が起き、2型を発症する可能性

があると指摘しました。同時移植で治療効果が出たと見て

。「2型糖尿病も自己免疫疾患の側面がある証拠を示せた

と思う。より詳しい仕組みの解明が必要だが、治療法への

応用に向け、研究を進めたい」と話しています。



 胸腺の昨日の機能を帰納した。笑



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2】 脳細胞の成長や保護に重要な栄養素となるホルモン



 細胞の成長や保護に重要な栄養素となるホルモンが、

脳の活動が活発な部分だけに血液中から取り込まれること

を、征矢(そや)英昭・筑波大教授と西島壮(たけし)・

首都大学東京助教らのグループが発見しました。



 脳機能を維持するのに学習や運動などが不可欠である

ことを実証したもので、将来、認知症予防など脳を健康に

保つためのプログラム開発につながると期待されます。

科学誌ニューロン最新号に掲載されました。グループは、

筋肉の新生や機能の維持に重要な役割を持つホルモン

「IGF-1」が脳神経にも作用することに注目しました。

しかし、血管と脳の間には「血液脳関門」という関所

があり、このホルモンが脳に取り込まれる仕組みは謎でした。



 ラットの実験で、ヒゲを刺激すると神経活動が活発に

なる脳の部分だけに、血中からIGF-1が移動すること

を確認しました。神経活動が高まり、脳の血流量が増える

ことが引き金となり、特殊な酵素がIGF-1の分子を

小さくして、脳の関所を通りやすくすることも

突き止めました。征矢教授は「脳の神経活動そのものが

強力な栄養素を取り込み、さらに脳機能が強化される

好循環を生む」と話しています。



 とおりゃんせの歌の通り、通りやすくなるホルモン

「IGF-1」笑



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編集後記



 マウスの移植実験の成功だけでは、人間への応用は

まだまだ難しいのではないでしょうか?しかし移植で

糖尿病が治ったというのは、明るい材料であることは

事実です。特殊な酵素で処理したIGF-1を沢山摂取する

と脳の神経活動が活発になるのではと言う気がします。





 文士が反乱分子となる。笑

  

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