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2012-08-09 00:00:00

カテゴリー:ブログ

診療マル秘裏話 Vol.354 平成21年9月16日作成


作者 医療法人社団 永徳会 藤田 亨





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目次



  

1) 2型糖尿病に関連する遺伝子変異

2) 「勝者」の脳の反応



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 医療界のトピックスを紹介するこのメールマガジンは

1週間に1回の割合で発行しています。もっと回数を

増やして欲しいという要望もあるのですが、私の能力の

なさから1週間に1回が限度となっています。これからも

当たり前の医療をしながら、なおかつ貪欲に新しい知識

を吸収し読者の皆様に提供してゆきたいと思って

おります。不撓不屈の精神で取り組む所存ですので

どうかお許し下さい。





 

1】 2型糖尿病に関連する遺伝子変異



 肥満や生活習慣が引き金になる2型糖尿病に関連する

遺伝子変異2個を新たに発見したと、東京大と

理化学研究所などのチームが9月5日付米科学誌

ネイチャージェネティクス(電子版)に発表しました。



 遺伝子変異は、個人によって遺伝子の塩基配列が

1カ所だけ異なる一塩基多型(SNP)です。

このタイプによって、発症の危険性が最大1・19倍に

なるということです。チームの山内敏正(やまうち・

としまさ)東大特任准教授は「肥満や年齢など、ほかの

要因と組み合わせると、糖尿病に6倍かかりやすい人を

見つけられるようになる」と話しています。



 チームはまた、既に欧米で2型糖尿病と関係がある

とされるSNP26個のうち、11個が日本人にも

関係があることを確認しました。合計で13個のSNPが

日本人の糖尿病発症の危険性を高めるとしています。

今回発見した2個のうち、一つは欧米人でも関係するが、

もう一つは日本人を含めた東アジア人だけに関係する

ということです。



 チームは、国内の2型糖尿病患者さん1万数百人と、

糖尿病でない八千数百人の遺伝子を比較して解析しました。

発症との関連を突き止めた2個のSNPのうち一つは、

膵臓(すいぞう)などで働くユビキチン結合酵素の遺伝子

の中にあり、変異があると、血糖値を下げるインスリンの

分泌が減りました。



 成人が発症する糖尿病の大半は2型糖尿病です。日本人

の40歳以上の3、4人に1人が糖尿病にかかっているか、

予備軍ということです。



 懐石料理を解析する。笑



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2】 「勝者」の脳の反応



 「敗者」の悔しい表情を見た「勝者」の脳の反応を、

放射線医学総合研究所(千葉市)の研究チームが

とらえることに初めて成功しました。



 脳の前頭葉と呼ばれる部位で通常より強い電気信号が

現れ、自己愛(ナルシシズム)の強い人ほど反応が

大きかったということです。神戸市で9月4日開かれた

日本神経科学学会など3学会の合同大会「ニューロ

2010」で報告されました。



 他人の幸福や不幸に対し、同じ気持ちを抱く心理状態が

「共感」と呼ばれるのに対し、野球やサッカーなどの試合

で勝者が敗者の悔しい表情を見て喜ぶ感情は「反共感」と

呼ばれています。



 研究チームは、反共感の際、実際に反応する脳の部位を

確認するため、トランプで数の大きい方が勝ちとなる

単純なゲームを実施しました。敗者の悔しげな表情を見た

勝者では、前頭葉の前部帯状回と呼ばれる部位に現れる

「フィードバック関連陰性電位」という電気信号が、

通常よりも強く脳波計で測定されました。



 被験者に自己愛度を測る心理テストも受けてもらったところ、

自己愛の強い人ほど、この電位が高くなりました。一方、相手に

同情しがちな人では、電位はあまり変わりませんでした。



 チームの山田真希子研究員は「自己愛性人格障害など様々な

対人関係障害の病態理解につながる」と話しています。



 自己愛は、事故藍ではありません。笑



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編集後記



 糖尿病関連の遺伝子が見つかったことは素晴らしい

と思います。予備軍の人は本当の糖尿病に移行しない

ように、また糖尿病患者さんでは、遺伝子治療が進む

ことを期待したいと思います。数多くの反共感を

経験してきたタイガーウッズも今や、対戦相手から

反共感の感情を抱かれる毎日でしょう。



 他人の不幸は蜜の味に満つ。笑

 

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