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2012-07-12 00:00:00

カテゴリー:ブログ

診療マル秘裏話 Vol.349 平成21年8月12日作成


作者 医療法人社団 永徳会 藤田 亨





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目次



  

1) 発生や生命維持に不可欠である極小遺伝子

2) 不妊を回避するメカニズム







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 医療界のトピックスを紹介するこのメールマガジンは

1週間に1回の割合で発行しています。もっと回数を

増やして欲しいという要望もあるのですが、私の能力の

なさから1週間に1回が限度となっています。これからも

当たり前の医療をしながら、なおかつ貪欲に新しい知識

を吸収し読者の皆様に提供してゆきたいと思って

おります。不撓不屈の精神で取り組む所存ですので

どうかお許し下さい。





 

1】 発生や生命維持に不可欠である極小遺伝子



 生命活動に大きな役割を果たさない「遺伝子のごみ」と

考えられてきた小さな遺伝子が、発生や生命維持に不可欠

であることを、自然科学研究機構基礎生物学研究所

(愛知県岡崎市)のチームがショウジョウバエで

初めて突き止め、米科学誌サイエンスに発表しました。



 生命活動を支える多様なたんぱく質は、遺伝子の情報を

基に、平均400個のアミノ酸が連なって作られます。

それより小さい極小たんぱく質は「ペプチド」と呼ばれます。



 同研究所の影山裕二・特任助教(分子遺伝学)らは、

わずか11個のアミノ酸からなる世界最小のペプチドを作る

「pri遺伝子」を07年に発見しました。その機能を

ショウジョウバエで詳しく調べました。



 pri遺伝子には、幼虫がはい回るのに欠かせない腹側の

突起構造を作る遺伝子が働き出すスイッチの役割があり、

さなぎから成虫になるなどの段階で重要な役割を担って

いました。先天的にこの遺伝子を持たないショウジョウバエは

ふ化せず卵の段階で死に、発生にも深くかかわっていました。



 従来の遺伝子研究は、大きいたんぱく質を作る遺伝子が

主な対象でした。一方で、ペプチドを作るこうした極小遺伝子

はヒトにも推定3000個あるとされますが、機能はほとんど

分かってません。影山さんは「新分野として今後、さまざまな

未知の機能が見つかるかもしれない」ということです。

ペプチドが生体内で示す血圧降下や中性脂肪低下などの作用を

食品・医薬品に応用する研究が進んでおり、この遺伝子群の

研究が開発を促進する可能性もあるということです。



 昨日未知の機能が見つかった。笑



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2】 不妊を回避するメカニズム



 ショウジョウバエに、精子をつくる幹細胞を効率よく

増やして不妊を回避するメカニズムがあることが、

7月26日までの自然科学研究機構基礎生物学研究所

(愛知県岡崎市)の小林悟(こばやし・さとる)教授ら

の研究で分かりました。米科学アカデミー紀要電子版に

掲載されます。



 小林教授は「人の不妊治療の研究に役立つ可能性がある」

と話しています。



 研究チームによると、多くの生物の精巣には「ニッチ細胞」

と呼ばれる細胞があり、それに接する始原生殖細胞が

精子幹細胞になり、精子をつくり出しています。不妊の一部

は、病気などで始原生殖細胞が減少して起きると考えられて

います。



 研究チームは今回、ショウジョウバエにニッチ細胞を増やす

遺伝子と、減らす遺伝子を発見しました。通常は二つの遺伝子

の働きが保たれ、一定数の精子が生み出されていました。



 一方、始原生殖細胞が減少すると、ニッチ細胞を減らす

遺伝子の働きが抑制されてニッチ細胞が増加し、

始原生殖細胞が精子幹細胞になるのを助けていました。



 こうした結果から、効率よく精子幹細胞がつくられるように

なり、不妊を回避するメカニズムが働いていたと結論

付けました。



 生死を誓詞した精子たち。笑



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編集後記



 いずれもショウジョウバエの研究で明らかに

なったので、臨床応用するにはまだ時間がかかり

そうです。血圧やコレステロール、中性脂肪など

が簡単にペプチドの研究からコントロールされる

ようになれば、画期的な薬も生まれることでしょう。

X染色体の劣化から、精子を作る機能が人間でも

衰えてきているということが明らかになっています。

今後ますます男性側の要因による不妊症の発症が

多くなると考えられ、早く治療に応用されることが

望まれます。



 車の劣化からレッカー移動。笑



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