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2012-05-25 00:00:00

カテゴリー:ブログ

診療マル秘裏話 Vol.343 平成21年7月1日作成


作者 医療法人社団 永徳会 藤田 亨





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目次



  

1) 骨折の治癒を早めるタンパク質

2) 自閉症の原因





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 医療界のトピックスを紹介するこのメールマガジンは

1週間に1回の割合で発行しています。もっと回数を

増やして欲しいという要望もあるのですが、私の能力の

なさから1週間に1回が限度となっています。これからも

当たり前の医療をしながら、なおかつ貪欲に新しい知識

を吸収し読者の皆様に提供してゆきたいと思って

おります。不撓不屈の精神で取り組む所存ですので

どうかお許し下さい。





 

1】 骨折の治癒を早めるタンパク質



 骨折した患部に細胞増殖を促すたんぱく質を注入

すると、治癒を大幅に早める効果があることを、

東大病院のグループが臨床試験で確かめました。



 すねの骨折では治療期間が約4週間短縮されます。

実用化すれば、松葉づえが必要な期間を短くでき、

糖尿病などが原因で骨折が治りにくくなっている人

の治療にも役立ちそうです。



 同病院整形外科・脊椎(せきつい)外科の

中村耕三教授らは、骨や皮膚の細胞を増殖させる

FGF-2というたんぱく質を利用しました。

国内48施設の協力で、治療に時間がかかる、

すねの骨を骨折した直後の患者さん71人を対象に、

FGF-2を患部に注射した47人と、

注射しなかった24人とで効果を比較しました。



 その結果、FGF-2を注入した患者さんは14週間

で半数が治癒しました。24週間後に治りきらなかった

のは1人だけでした。一方、注入しなかった患者のうち

半数は治るまでに18週間かかり、24週間後も4人が

完治しませんでした。



 グループの川口浩准教授は「骨折が治りにくい人は

繰り返し折れたり、骨が変形したりしやすい。今後、

最終的な臨床試験を実施し、早期の実用化を目指したい」

と話しています。



 骨が折れるのは、注射の手間。笑



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2】 自閉症の原因



 新生児100人に1人の割合で生じるとされる

脳の機能障害「自閉症スペクトラム」が、複数の遺伝子

のコピーミスから起きる可能性があることが、

英オックスフォード大などの研究で分かりました。

症状や問診をもとにしてきた診断法の改善につながる

成果で、6月10日、英科学誌ネイチャー(電子版)

に掲載されました。



 自閉症スペクトラムは、他者とのコミュニケーション

や社会性の発達に遅れが見られるということです。

自閉症のほか、知的障害がなく特異な才能を発揮する

「アスペルガー症候群」なども含み、症状の多様さから

「スペクトラム(連続体)」と呼ばれています。



 チームはヨーロッパ人の患者さん996人と健康な

1287人のゲノム(全遺伝情報)を比較しました。

その結果、父と母から一つずつ受け継ぐべき遺伝子が

一つ足りなかったり、三つになるコピーミスが、

患者さんは健康な人より平均19%多く、健康な人

ではめったに起きない遺伝子で起きていました。

コピーミスは「コピー数多型(たけい)」と呼ばれ、

健康な人では病気のかかりやすさや薬の効き方の

個人差として表れます。チームは、鍵となる遺伝子の

複数のコピーミスが発症につながると推測されて

います。



 理化学研究所の古市貞一・分子神経形成研究チーム長は

「自閉症スペクトラムは早期に診断されれば改善が期待

できる。今回の成果は科学的診断法確立に向けた基本情報

になる可能性がある」と話しています。



 武井さんが遺伝子多型を発見した。笑



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編集後記



 骨折を早く治す方法としては、画期的と言える

でしょう。治りにくい骨折の患者さんに早く保険

適応して欲しいものです。自閉症は、その診断が

症状や問診に頼っていたという経緯があります。

遺伝子のミスコピーが原因なら診断がよりクリアー

カットに行われるようになるでしょう。ただ症状

や問診に頼る診断も科学的と強弁する人もいる

ので、遺伝子診断と言い換えた方がよろしいかと

思われます。



 猩々のような症状。笑





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