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2012-05-18 00:00:00

カテゴリー:ブログ

診療マル秘裏話 Vol.342 平成21年6月24日作成


作者 医療法人社団 永徳会 藤田 亨





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目次



  

1) アレルギーの発症を抑える分子

2) 肥満治療に使えるタンパク質





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 医療界のトピックスを紹介するこのメールマガジンは

1週間に1回の割合で発行しています。もっと回数を

増やして欲しいという要望もあるのですが、私の能力の

なさから1週間に1回が限度となっています。これからも

当たり前の医療をしながら、なおかつ貪欲に新しい知識

を吸収し読者の皆様に提供してゆきたいと思って

おります。不撓不屈の精神で取り組む所存ですので

どうかお許し下さい。





 

1】 アレルギーの発症を抑える分子



 花粉症やぜんそく、アトピー性皮膚炎などのアレルギーの発症を

抑える分子を突き止めたと、渋谷彰(しぶや・あきら)筑波大教授

(免疫学)らが6月6日付の米科学誌ネイチャーイムノロジー

電子版に発表しました。



 渋谷教授は「この分子の活動を強める薬を開発すれば、

アレルギーを抑える根本的な治療につながる」と話しています。



 渋谷教授らによると、花粉やダニなどのアレルギーの原因

となる抗原が体内に侵入し、「IgE」という抗体と結び付き、

肥満細胞と結合すると、肥満細胞から炎症を引き起こす

ヒスタミンなどの化学物質が放出されてアレルギー症状が

出るということです。



 渋谷教授らは、特定のアミノ酸配列を持つ分子が肥満細胞の

活性化を抑えると予測し、人間の肥満細胞の細胞膜上で、

この配列を含む分子を特定しました。この分子に刺激を加える

と活性化し、肥満細胞から放出される化学物質は約半分に

抑えられました。渋谷教授らはこの分子を「アラジン1」と

名付けました。



 遺伝子操作でアラジン1を持たないマウスを作り、抗原と

IgE抗体を投与すると、通常のマウスと比べ激しい

アレルギー反応が出ました。



 渋谷教授は「アレルギー症状の発症の仕組みは、マウスも人間

も基本的に共通で、アラジン1の活動を強める薬の開発に役立て

たい」と話しています。



 アラジン1は、魔法のランプのようにアレルギを止められる。笑



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2】 肥満治療に使えるタンパク質



 細胞内で脂肪のもととなる物質ができるのを妨げたり、

脂肪を溶かして減らしたりする作用があるタンパク質を

見つけたと、宮崎徹(みやざき・とおる)東京大教授

(疾患生命科学)らが6月8日付米医学誌

セルメタボリズムに発表しました。



 宮崎教授は「肥満治療の新薬開発につながる可能性

がある」と話してます。



 脂肪細胞には脂肪の貯蔵庫となる「脂肪滴(しぼうてき)」

があり、滴(しずく)の数が増えたり脂肪を蓄えて大きく

なると肥満になります。



 宮崎教授らは、免疫細胞の一種が分泌する「AIM」

というタンパク質が体重の増減に関与することに着目

しました。



 脂肪のもととなる「脂肪酸」を糖から合成する酵素の働きを、

AIMが抑制していることを突き止めました。AIMは

脂肪細胞の前段階の前駆細胞が成熟するのを抑制、細胞外

から脂肪酸を取り込めないように働いていました。



 培養した脂肪細胞にAIMを加えると、脂肪滴が溶けて

3日後には大きさが約4分の1になりました。脂肪酸の不足

を補うよう滴の脂肪が分解されるようです。



 AIMを分泌しないよう遺伝子操作したマウスは、通常の

マウスより体重増加が多くなりました。



 太り始めると血液中のAIM濃度が高まることも判明しました。

AIMは太りすぎを抑える役割を果たし、その能力を超える

脂肪蓄積が進むと肥満になることが推測されます。



 宮崎教授は「AIMはもともと人間が持つタンパク質なので

副作用もない。肥満になってから投与しても効果がある」と

話しています。



 副作用のない抗肥満薬の開発が期待されます。脂肪蓄積は

死亡蓄積。笑



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編集後記



 アトピー性皮膚炎などの難治性アレルギー性疾患の

治療にアラジン1が役立つ時がきっとくると信じて

います。現在食物アレルギーには、減感作療法しか

ないようですが、アラジン1の発見により治療に進展

があるかもしれません。今までの抗肥満薬には、

依存性があったり、肺線維症などの副作用がありました。

AIMによって肥満が治療できるようになれば、これらの

薬を使わなくても済みます。



 依存症になるのに異存あり。笑





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