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2012-03-15 00:00:00

カテゴリー:ブログ

診療マル秘裏話 Vol.333 平成21年4月22日作成


作者 医療法人社団 永徳会 藤田 亨





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目次



  

1)  神経細胞の発達に関与する因子

2) インフルエンザの新薬







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 医療界のトピックスを紹介するこのメールマガジンは

1週間に1回の割合で発行しています。もっと回数を

増やして欲しいという要望もあるのですが、私の能力の

なさから1週間に1回が限度となっています。これからも

当たり前の医療をしながら、なおかつ貪欲に新しい知識

を吸収し読者の皆様に提供してゆきたいと思って

おります。不撓不屈の精神で取り組む所存ですので

どうかお許し下さい。





 

1】 神経細胞の発達に関与する因子



 幼児期に脳の神経回路が形成される際、神経細胞が外部

から刺激を受けて活発に活動することで細胞間の結合が

より強化されることを大阪大と東京大のチームが突き止め、

4月5日付の米科学アカデミー紀要電子版に発表しました。



 山本亘彦(やまもと・のぶひこ)大阪大教授(神経生物学)

は「先天的な要因だけでなく、視覚や聴覚などの五感から

受ける後天的な環境も脳の発達に影響している。”氏と育ち”

の両方が重要だ」と話しています。



 チームは試験管内で脳の神経細胞の配線を再現しました。

神経回路をつくる軸索の起点となる脳の「視床」と、軸索が

のびる標的となる「大脳皮質細胞」で、刺激を受けたときに

出る電気的パルスをそれぞれ観察し、細胞の活動が軸索の

枝分かれに与える影響を調べました。



 すると、視床と大脳皮質細胞のどちらか一方でも活動が

弱いと枝分かれは起こらず、両方が同時に活発な場合にのみ

枝分かれが促進され、神経細胞間の結合が強化されることが

分かりました。



 いい伝承は、いい遺伝、いい環境は、いい感興をもたらす。笑



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2】 インフルエンザの新薬



 国が承認審査を進めている初の純国産インフルエンザ治療薬

「CS-8958」(一般名・ラニナミビル)がタミフル耐性

ウイルスに効果があることを、けいゆう病院(横浜市)の

菅谷憲夫・小児科部長らが確かめました。米国微生物学会誌

(電子版)に掲載されました。



 菅谷部長らは08-09年、患者さん184人を分けて

ラニナミビルとタミフルを投与しました。同シーズンは

Aソ連型(H1N1型)でタミフル耐性ウイルスが流行し、

試験した患者さんでも約95%が感染しました。すると、

ラニナミビルを投与した患者さんはタミフルを投与した患者さん

より平均60時間以上早く回復しました。一方、タミフル耐性

でなかったA香港型(H3N2型)やB型に感染した患者さん

の治療効果に差はありませんでした。



 ラニナミビルはリレンザと同じ吸引式で1回の服用で済みます。

これまでの試験でA型、B型の季節性ウイルス、さらに新型

(H1N1型)、強毒性鳥インフルエンザウイルス(H5N1型)

に対する効果も確認されています。



 菅谷部長は「来シーズンまでにはラニナミビルが承認され、

新型のウイルスがタミフル耐性になっても効果が期待できる」

と話しています。



 五回が一回になっても、誤解しないでね。笑



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編集後記



 幼児期の子供には、良い環境を与えてあげること

が脳の発達にとって重要と考えられます。無防備な

時にこそ良い環境を与えて、最大限その子の能力が

発揮できるようになるといいですね。インフルエンザの

新薬はラニナビルだけではありません。続々と有効な

新薬が開発されています。来シーズンまでに上梓され

れば、来シーズンからでも使いたいと考えています。

 

 耐性ウイルスが大勢になっても、新薬がある。笑

 

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